lostage 2ndミニアルバム『脳にはビート 眠りには愛を』リリース大特集

TBS系テレビ全国ネット「CDTV」9月度オープニングテーマ「母乳」

――今も奈良に住んでるということだけど、活動はやはり関西が中心？

五味岳久（以下五味）：そうですね。近いから行きやすいし。東京がイヤだということもないんですけど、上京しないとできないこともまだないし。しょうがなくなったら、そのとき考えようかと。

――今回の『脳にはビート 眠りには愛を』は、どんなテーマを持って作ったアルバム？

五味：今回メンバーが一人代わって中野が入ったんです。これがバンドにとってターニングポイントになる作品だという意識があって、“変化”がテーマだったんです。メンバーが代わったことで、ライヴでもアルバムでも、どうしたって周りからは変わったと言われる。だったらそれに便乗するというか、この際変えられるところを思い切って変えよう、もう別のバンドになるくらい全部を変えようと。

――特にどんなところを変えようと思った？

五味：大きいのは気持ちの面ですね。今までやってなかったこと、やれなかったことをやる。今まで開けてなかった引き出しを開けて作ってみました。曲の作り方にしても、今まではスタジオで作り込んであとは録るだけ、みたいな感じだったけど、スタジオで即興的に作ったりとかもしてみました。

――中野さんはバンドにスムースに溶け込めた？

中野博教（以下、中野）：最初は、なじむまで1年くらいかかると思ってました。ドラムの岩ちゃん（註：岩城智和）も後から入ったメンバーなんですけど、彼からもそう言われてて。でももとから知り合いだったのと、ライヴの本数も多かったからかな、意外なくらいすんなりとなじんだ感じでした。

――続けていけるな、と思ったのはいつ頃？

中野：ライヴで、無意識にできるようになってくるんです。やってるときはわからんけど、終わってから、けっこう今日よかったんちゃうかなと思う。それが最初に来たのが5月。加入してライヴをやりだして2か月くらい。それで7月くらいに、ああもういけるなと思いました。

――このアルバムを聴くと、以前よりノリがよくなったし、全体の音も太く力強くなって、よりバンドらしいまとまったサウンドになったように感じる。70年代の古きよきロック、という感じだね。

五味：中野と最初にやったとき、高校生のときに友達と初めてバンドをやったときのような感じがあったんです。それまでは頭で考えて作ってた部分が大きかったけど、それよりもっと肉体的というか、パッと行ってパッとやったときのノリとかグルーヴとかを出すことが面白かった。そういうことが曲や音に反映されているんだと思います。

――ギターの厚みがカッコいいけど、録り方になにか工夫をしたの？

五味：特にないですね。基本的に一発録り、“せーの”でみんなで録ってます。

中野：ギターの音は、毎回ある程度時間をとって作り込みました。

五味：そうですね、そこは今までと違うかも。以前は自分の楽器のもともと持ってる音をそのまま出すという感じだったけど、今回は一度録って聴いてみて作り直すという作業にも時間を使いました。

中野：音作りはけっこう思い切ってやったかな。たとえばファズとかをこう、ガッガッってくるやろっていうように、単純な感じというか勢いというか。うーん、なんて言うんだろ、イメージとしてはなんかこう、ガッと（笑）。そんなに考えて工夫したというよりは、直感的な感じを第一に。

――ギターが二人いるけど、2本のギターの役割って決まってるの？

五味：ないよな？

中野：うん。曲によってというか、できるほうがやるという感じで。

――楽器はどんなものを使ったの？

中野：実は僕は自分のギターは使わなかったんです。もう一人のギターの拓人（註：五味拓人）が持ってるストラトがよかったんで、それとリッケンバッカー。ギター二人はだいたいその2本と、あとシェクターのストラトですね。

五味：けっこう安いギターばかりなんですよ。あと拓人は岩ちゃんのギターも使ってた。

中野：そうそう。岩ちゃんのギターをピックアップだけ積み替えて。それが意外とよかった。

五味：オレのベースは借りモンのミュージックマン。

中野：弦変えてないヤツね（笑）。

五味：弟の拓人に頼んだのに買ってくるの忘れてて（笑）。でもそれが普段通りといえば普段どおりだから、まあいいかって。別に高い楽器使ったからいい音になるわけでもないと思うし。でもドラムはたぶんいいヤツやな。

中野：そう、高いヤツ。

五味：彼は楽器すごい大事にするというか、楽器にもこだわるヤツなんで。

――楽器にこだわる人と、音がよければなんでもいいっていう人がいるけど、lostageにはその両極端のメンバーがいるわけだ。

中野：そうそう。今日来てない二人が楽器にこだわる。

五味：僕らはいい加減なほうの二人（笑）。

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