増田勇一のライヴ&取材日記 2008年10月6日(月)THE OFFSPRING東京公演@新木場STUDIO COAST

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5年ぶりの新作『ライズ・アンド・フォール,レイジ・アンド・グレイス』を去る6月にリリースしたオフスプリングのジャパン・ツアーが10月6日、開幕した。今回のツアーは4都市でのトータル11公演に及ぶもので、そのうち5本が東京・新木場STUDIO COASTでの公演となっている。いまどきこの会場で5公演もできるバンドなんてそうそういないはずだが、過去には武道館公演も『サマーソニック』でのヘッドライナーも経験してきた彼らの実績からすれば、これくらいは当然か。逆にこのバンドをこの規模の会場で、至近距離で観られるというのは、ファンにとっては願ってもない機会ということになるだろう。

当日、ちょっと早めに会場に到着すると、ロビーのドリンク・カウンターがものすごい混雑ぶり。オープニング・アクトの演奏中は、まったりとビールでも呑みながら過ごしていようという考えの人たちも少なくないのだろう。が、定刻の19時ちょうどに始まったTOTALFATのステージからはかなりの気合が感じられた。僕自身、このバンドを観るのは初めてだったが、「9年前、NKホールでオフスプリングを観て、その日のうちに組まれたバンド」だという自己紹介に込められたまっすぐな思いは、同じバンドを敬愛するオーディエンスに間違いなく届いたはずだし、さすがに昨日や今日になって始まったバンドではないだけあって、基本的には爆走モードで駆け抜けた30分弱のステージではあったが、観ていて安心感があった。

そして彼らの演奏で充分に場内が暖まった後、ぴったり30分のインターヴァルを経て、20時ジャストに場内はふたたび暗転。オフスプリングのステージが始まった。まずビックリしたのは、デクスターの容貌。ジーンズにTシャツといういでたちはともかく、ちょっと中途半端気味に伸びたサラサラ・ヘアーとやや貫禄のついた体型(一時ほどではない、という説もアリ)は、なんとなく“アメリカのIT長者”という感じ。しかしそれでもカッコいいのは、彼がオフスプリングのフロントマンであり、あの声の持ち主だからだ。ぶっちゃけ、たいした演出が用意されていたわけでもないし、意味深長な発言などがあったわけでもない。基本的には、“とにかくみんなが聴きたい曲をガンガン演奏するだけ”の、めちゃくちゃ潔いステージだった。で、そんな無駄のないライヴだったからこそ、時間経過が本当にあっという間に感じられた。言ってみれば、しっかりと満足感が得られたのに、もう1回ぐらい観てみたいぞと思わせてくれるライヴだったのだ。ということはつまり、僕が彼らの術中にハマったということなんだろうか?

さて、ライヴそのものの具体的な内容についてはあまり触れずにおこうと思っていたのだが、発売元のレコード会社のサイトですでにこの夜のセットリストが公開されていたりもするので、ここでもご紹介しておくことにしよう。

<THE OFFSPRING東京公演@新木場STUDIO COAS>
・Stuff Is Messed Up
・All I Want
・Come Out And Play
・Staring At The Sun
・Hammerhead
・Original Prankster
・Have You Ever
・Nothing Town
・One Fine Day
・Hit That
・Kristy, Are You Doing Okay?
・Why Don’t You Get A Job?
・Americana
・(Can’t Get My)Head Around You
・Walla Walla
・Pretty Fly(For A White Guy)
・The Kids Aren’t Alright
・--encore--
・You’re Gonna Go Far Kid
・What Happened To You?
・Want You Bad

彼らのジャパン・ツアーはまだまだ続く。10月14日、15日、16日には同じ新木場STUDIO COASTでの3連戦が用意されており、最後は10月18日、20日、21日に行なわれるZEPP OSAKAでの大阪3公演をもって終了することになる。あらかじめソールド・アウトに至っている公演も多いが、日によっては当日券も発売される予定だ。過去にオフスプリングを観たことのない人たちも、是非この機会に彼らのライヴに触れておくべきだろう。

増田勇一
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