ASKA、5年ぶりのシングル「UNI-VERSE」を読み解く(後編)

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(前編)より続き

問題といえば、ここ数年取り沙汰されている環境問題にも警鐘を鳴らしているような節がある。

<どんな時も好きなモノを好きと言うのは好きだな / でもねみんなが欲しいモノを欲しいと言い出したら…>

人間の無尽蔵な欲求と、利益を追求する身勝手さによって引き起こされた環境破壊。ここ数年、小林武史と櫻井和寿が中心となって行なわれるエコイベント、<ap bank fes>に積極的に出演しているASKAにとって、この問題もまた、世間に発信したいメッセージだったのだろう。


ASKAの歌詞は難解だ。そのほかにも様々な意味やメッセージがこの「UNI-VERSE」には込められているに違いない。そのすべてを我々リスナー側が受け取ることはできないかもしれないし、ASKAもとりわけそれを望んでいるのではない、とも思う。

<僕は僕を僕の歌で感じて いつか歌は遠い遠いところへ>

現在行なわれているツアー<ASKA SYMPHONIC CONCERT TOUR 2008 "SCENE">の東京公演にて、ASKAは “歌うことこそが、自分の使命である” と口にした。一方、CHAGE and ASKAの、“歌は自分の手元を離れたら、ひとり歩きを始める” といった趣旨の発言を耳にしたことがあるというファンも多いことだろう。音楽はリスナーひとりひとりのもとに届くと、それぞれの抱く想いやひとりひとりの現実とともに、それぞれの物語を彩る歌となるのだ。

大切なのは、この曲が一体何を語っているかを正確に読み取るのではなく、この曲を聴いて何かを感じ、想い、願う。音楽で何かを解決することはできないかもしれないが、何かの願いがあって、その想いを共有する多くの人々が、音楽を通じて気持ちを集めること。この願いの連鎖とアクションこそが、ASKAの最も伝えたい「UNI-VERSE」なのだろう。

なお、これもまた筆者の手元にきた「UNI-VERSE」がひとり歩きを始めた結果でもあるのだ。

◆iTunes Store ASKA(※iTunesが開きます)
◆iTunes Store CHAGE and ASKA(※iTunesが開きます)
「UNI-VERSE」のCD情報(c/wについてはこちらで)
「UNI-VERSE」PV視聴(YouTube)
CHAGE and ASKA オフィシャルサイト
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