80歳が叫ぶロックンロール、ヤング@ハート

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“ヤング@ハート”と名付けられたロックンロール・コーラス隊をご存知だろうか。1982年にマサチューセッツ州ノーサンプトンの公営住宅ウォルター・サルヴォ・ハウスの住人により結成された“ヤング@ハート”は、世界中どこでも、そのパフォーマンスで絶賛を浴びてきた。

「やんちゃな年金生活者たち」と呼ばれる彼らは、平均年齢80歳のおじいちゃんとおばあちゃんなのだ。年齢75歳から93歳までの騒々しい彼らが高らかに歌い上げるのは、アウトキャスト、ジミ・ヘンドリクス、そしてレディオヘッドなどのロックンロールなのである。

結成当初のコーラス隊のメンバーの中には二つの世界大戦を経験した人もおり、結成当初88歳だったアンナ・メインは、100歳になるまでメンバーとして歌い続けた。1983年、町で一番魅力的な劇団ノー・シアターの協力を得て、“ヤング@ハート”の初公演は4回のショーを完売してしまうほど大成功を収めたのだ。

その大成功のパフォーマンスから13年間、毎年ノーサンプトンでの公演を続けていた彼らに、ヨーロッパ・ツアーの計画が持ち上がった。新しい楽曲を加え、衣装を取り入れ<ロード・トゥ・ヘブン>という舞台を完成させた“ヤング@ハート”は、さらなる大反響を呼び、1997年から2004年にかけて、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダで更に12回の公園を実施させるに至ったのだ。

そして、そのヨーロッパ公演を観た映画監督スティーブン・ウォーカーとの出会いによって映画化が実現したのである。

◆映画『ヤング@ハート』予告編

花形スターのアイリーンは92才のかわいいおばあちゃんだ。癌を患って3回も手術した83才のジョーはお医者さんに止められてもヨーロッパ・ツアーに行くような頑固で歌が大好きなおじいちゃん。そんな彼らが1年に1回のコンサートに向けて、コールドプレイ、ソニック・ユース、ラモーンズ、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズの曲の練習を重ねていく。

歌うことは生きること、生きることが歌うことの彼らの姿に笑いと感動が生まれる「元気なおじいちゃんとおばあちゃん」のドキュメンタリーが映画『ヤング@ハート』。真実の物語は、泣いて、笑って、生きることの歓びを教えてくれるのだ。

◆『ヤング@ハート』入れ歯型ピンバッジ・プレゼント

『ヤング@ハート』
11月8日、シネカノン有楽町2丁目、渋谷シネ・アミューズ他にて全国公開
監督:スティーヴン・ウォーカー(BBC、チャンネル4などで活躍、2004年『Hiroshima,A Day That Shock The World』にてエミー賞最優秀監督賞ノミネート)
出演:アイリーン・ホール(93歳)、スタン・ゴールドマン(75歳)、フレッド・ニトル(80歳)、ドーラ・モロー(83歳)、ボブ・シルマン(53歳、指揮者)
2007/イギリス/35mm/108分/ドルビーSRD/カラー/1.85 原題:"Young@Heart"/字幕:戸田奈津子 提供:ピックス、ポニーキャニオン
(c) 2008 Walker George Films (Young at Heart) Limited
◆『ヤング@ハート』オフィシャルサイト
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