ロック・ファンに薦めたい、ロンドン・エレクトリシティの新次元ドラムン・ベース

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1990年代のUKジャズ・ファンク・ムーヴメントにおいて、その高い音楽性によって世界的な名声を獲得したイジットの中心メンバーであったトニー・コールマンとクリス・ゴスによって結成されたロンドン・エレクトリシティ。

1996年にデビュー作「Sister Stalking」EPで一躍話題を集め、1998年にはデビュー・アルバム『プル・ザ・プラグ』が日本でもリリース。リミックス集『プラスティック・サージェリー』にはコールドフィート、ファンタスティック・プラスチック・マシーン、エスカレーター・チーム、サイレント・ポエッツ、DJ エイジ・タケハナ、小西康陽といった国内アーティストも参加、日本のシンプルなロックから大きくフィーリングを感じ得たという。

2002年夏にクリスはホスピタル・レコーズの運営に専念することとなり、トニー・コールマンのソロ・ユニットとなったロンドン・エレクトリシティは、次第に“ライヴ”を意識したサウンドを追求するようになり、リアン・キャロル(v/key)、MCレック(v)、ジャングル・ドラマー(dr)、アンディー・ウォーターワース(b)、ランドスライド(per)と共にバンドとしてのロンドン・エレクトリシティを始動、2005年にサード・アルバム『パワー・バラッズ』でドラムンベースの可能性を強く押し進め、世界的に高い評価を得た。

白熱のステージを映像と音に捉えたDVD+CD作品『ライヴ・アット・ザ・スカラ』によって確固たる人気を得たロンドン・エレクトリシティは、壮大な“ヒストリー・マッシュアップ”ミックスCDを収録した2007年のベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ・ロンドン・エレクトリシティ』のリリースを経て2008年、遂に新作『シンコペイテッド・シティ』の誕生となった。

◆『シンコペイテッド・シティ』より「ALL HELL IS BREAKING LOOSE」PV

むしろドラムン・ベースを知らなくてもすんなりと聴ける、ポップでジャジーでロックテイスト溢れる『シンコペイテッド・シティ』日本盤には、野宮真貴をフィーチャリングした「ジャスト・ワン・セカンド」も収録。こちらは日本盤のボーナストラック予定で制作された作品だが、その出来の良さから、リードトラックとして3曲目に起用されたものだ。日本語の響きが非常におしゃれで繊細な世界を作り出してくれる。

ジャズ・シーンでも大人気のお馴染みリアン・キャロルとの黄金コンビによる楽曲、トニー・コールマン本人がヴォーカルを初披露した「アウトナンバード」、国内盤のみに収録された「メイビ・アイ・ワズ・ウロング」、スウェーデンの歌姫エルザ・ヘドバーグを迎えたリードトラック「ジャスト・ワン・セカンド」など、聴き応えもたっぷり。

<モントルー・ジャズ・フェスティバル>から<グラストンベリー・フェスティバル>まで巨大フェスで生楽器によるなまめかしくも熱いライヴをスタイリッシュにキメるロンドン・エレクトリシティは、ロック・ファンこそ手に取るべき、最先端ダンス・ミュージックである。
◆iTunes Store ロンドン・エレクトリシティ(※iTunesが開きます)
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