中島美嘉、自分の“声”を信じて進む確信に満ちた「ORION」『VOICE』大特集

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中島美嘉 シングル「ORION」11.12リリース 5thアルバム『VOICE』11.26リリース記念大特集

歌に対する強い思いを卓越した声の表現力に乗せて

「ORION」は男っぽいバラードだと思ってるんですよ。

  

――まずは、ドラマ「流星の絆」の挿入歌になっているシングル「ORION」について教えてください。最初にこの曲を聴いたときの印象は?

いちばん最初はね、あまり強く印象に残らなかったんですよ。

――えっ!?

ちょうどMICA 3 CHU(お笑いグループ、森三中とのコラボレーション)のことを考えてた時期だから、アップ(テンポの曲)しか意識のなかになくて。でも、プロデューサーがこの曲をすごく気に入って、“タイミングが合ったら、いつかやりたい”って言ってたんですよね。もちろん、いまは私も大好きですよ。メロディはちょっと切ないイメージですけど、歌詞は“運命の人と出会えた”っていうすごく幸せな内容になってて。ドラマ(『流星の絆』)の内容とも重なってると思うんですけど。

――そうですね。そういえば美嘉さん、ドラマに出演してましたよね。

まあ、ちょっとだけですけどね(笑)。この曲のミュージックビデオには、戸田恵梨香さんが出演してくれてるんですよ。こっちも私はちょっとだけしか出てません(笑)。

――(笑)。「泣いたのは僕だった/弱さを見せないことが そう/強い訳じゃないって君が/言っていたからだよ」という最初のフレーズ、グッときました。

ありがとうございます。私自身は、弱さを見せずに、強がるっていうのも好きなんですけどね。

――美嘉さんはそういうタイプですよね。

というか、強がっていないと自分を保てない気がして。まあ、つい弱音を言っちゃうこともあるんですけどね。バタバタって落ち込んじゃうと、とりあえず目の前にいる人に泣き言を言っちゃったり。ライブの前の日に“あの、歌いたくないんですけど…”って言ったこともあるし(笑)。

 

――これまでもたくさんの素晴らしいバラードを歌ってきたわけですが、「ORION」はまた違ったイメージですよね。力強さを感じるというか…。

うん、この曲は男っぽいバラードだと思ってるんですよ、私のなかでは。いままでは繊細に歌うことが多かったんだけど、『ORION』では最初から声をしっかり張ってるんです。そこはかなり違うかもしれないですね。

――歌の表現がさらに広がってる。MICA 3 CHU名義でリリースした「I DON'T KNOW」でも、ハードなボーカルスタイルが印象的でした。

ロックですから(笑)。「I DON'T KNOW」はタイトルを思いついた瞬間、“これしかない!”ってテンションが上がりまくってたし。この曲はね、初めて聴いたときから本当に好きだったんです。だから、何か特別なカタチでリリースしたかったんですよね。

――それがMICA 3 CHUだった、と。

そう。森三中さんといっしょにお仕事をさせてもらうのは、とても楽しくて、刺激になりました。めちゃくちゃカッコいいですからね、あの3人は。

 

――ニューアルバム『VOICE』には「I DON'T KNOW」のほかにもう1曲、「SHUT UP」というかなりへビィなロックナンバーも収録されてますよね。

「SHUT UP」もカッコいいですよ! どちらもLori(中島美嘉の楽曲を数多く手がけているLori Fine)の曲なんですけど、彼女はどんなタイプの曲も書けるんですよね。

――壮大なバラードの「FIND THE WAY」から、ニューオリンズの空気を強く感じさせる「ALL HANDS TOGETHER」まで。

そうそう。“私、曲は何でもいいの”って言うんですよ、彼女は。自分の声が好きだから、曲は何でもいいって。“かっこいい! その言葉、いただき!”って思うんだけど(笑)、そういうふうにはなれないですよね。私も自分の声は好きだけど、似合わないものは似合わないと思ってしまうから。

――アイドル風のポップスとかはダメかも。

そう? そっちはわりといけると思うんだけど(笑)。

――失礼しました。『VOICE』にもジャンルを超えた楽曲が収録されていますが、中島さんが特にこだわった曲というと?

うーん、ぜんぶ特別な曲なんですけどね。『声』は柴田淳さんに書いていただいたんですけど、自分でお願いしたんですよ。たまたまお世話になってるヘアメイクさんが同じだったので、“これを柴田さんに渡してください”ってファンレターを託して。以前からよく聴かせてもらってんたんです、彼女の歌は。『声』も本当に素晴らしい曲です。

――凄まじいバラードですよね。“あなたのために声を張り上げて歌う。たとえ燃え尽きてしまっても“っていうメッセージが真っ直ぐに伝わってきて…。歌に対するモチベーションも、さらに強くなってるんじゃないですか?

そうかもしれないですね。“どうしてニューヨークに住んでるんですか?”(彼女は今年の春からニューヨークに住まいを移している)って聞かれたら、“ボイストレーニングを集中して受けたいからです”って答えるしかないので。本当のことだしね、それは。

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