7699分の17の軌跡(奇跡)<第2回Music Revolution>レポート

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<Music Revolution>。その名のとおり、次世代のミュージックシーンに革命を起こすべく、2007年から始まった新しい音楽コンテストだ。応募資格は、音楽好きの23歳以下なら誰でもOK! スタイル、音楽ジャンル、コピー、オリジナルを一切問わない。そんな、画期的な音楽コンテストの第2回目の決勝大会=ジャパンファイナルが、11月16日、東京・AKASAKA BLITZで開催された。

◆<第2回Music Revolution>写真編

2008年、リニューアルしたばかりのフレッシュなハコでステージに登場したのは、全国7699組の応募の中から、予選大会、全国5カ所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)のエリアファイナル(地区決勝大会)を勝ち抜いた17組。当日は、少し雨模様の空も、オープニングの午後1時半頃には、やみ、司会の荘口彰久さんのMCとともにパワー全開でスタート。

オープニングを飾ったのは、福岡久留米出身の3ピースバンド『クロマチックラン』。洗練されたバンドサウンドを聴かせてくれた。楽曲、演奏、ボーカルすべてバランスのいいバンド『BLUE ENCOUNT』、カホンという打楽器をフィーチャーし、しっとりと聴かせた『monica』、パワフルな女性3ピースバンド『HELENA』と出だしからバラエティに富み、実力派のエントリーが満載。その後もバンドサウンド、ジャジーでソウルフルなボーカル、澄んだアコースティックサウンド、島唄などなど、まさに応募資格を体現するごとくに、色とりどりの音楽が披露された(各エントリーは、次回に紹介するので、お楽しみに)。

そして、17組の頂点・グランプリに輝いたのは、北海道出身の高校2年生4人組のロックバンド『The coridras』。4人の抜群なコンビネーションかつリズミカルなロックサウンドでアピール。高校生らしいあどけなさも残す4人は、信じられないといった表情で拍手喝采を浴びていた。

優秀賞は、大阪代表のデュオ『Kamloops』、北海道代表の3ピースロックバンド『BEDROOM&SHEEP』、そしてやはり北海道代表の高校生バンド『Hz(ヘルツ)』。会場の人気投票で決まるオーディエンス賞には東京代表の『GINGHAM』が輝いた。

今大会、賞を席巻したのは、北海道の面々。今年の北海道日本ハムファイターズは惜しくもペナントを逃したが、赤坂のステージでは、見事、道産子パワーを見せつけまくった。

ゲストは、Music Revolutionにその遺伝子を受け継ぎ、2006年にその幕を閉じた『TEENS' MUSIC FESTIVAL』出身の『まきちゃんぐ』。しっとりした歌声とコケティッシュなMCのステージを披露。エントリーの面々をサポートしてくれた。

さて、常に進化しつづけるMusic Revolution、来年はどんな軌跡(奇跡)を描いてくれるのだろう。もう、今から楽しみだ。

<第2回Music Revolution>受賞エントリーの面々

◆『The coridras(ザ・コリドラス)』(グランプリ)
「A forced smile」 作詞:杉本健人 作曲:The coridras
Vo.& EG 杉本健人(17)/EG. 橘高大昴(17)/EB. 宮本哲平(17)/Dr. 窪田想士(16)

──4人4様のよさがいい感じでシンクロ

曲作りは、4人でジャムっているうちにできてくるという彼ら。好きなアーティストの趣味もバラバラだけど、4人が揃って音を奏ではじめると、うまい具合に化学反応を起こす、そんな感じが、4人のたたずまいにも感じられるThe coridras。バンド結成のきっかけは、橘高がギターを弾いているのに杉本が触発され、二人でギターを練習。その後杉本と同じ塾だった窪田が加入。ドラムのない窪田はピアノの上に本をのせて叩いていたそう。そして、ベースの宮本が参加して、The coridrasのはじまり、はじまり。

グランプリ受賞曲ができたのは、高1の冬というが、そのハイクオリティなロックサウンドは一聴の価値ありだ。受賞に対して、「信じられない!」を連発していた4人だが、ステージ上での演奏はコンビネーション抜群、4人のよさがシンクロしていた。グランプリを獲った今、将来の方向性が気になるところだが、「よし、プロデビューだ!」という気負いは全くない。高校生の間はレコーディングとCD制作とライヴ活動を地道に行ない、2009年の夏からは受験勉強だそう。いかにも高校生バンドらしいナチュラルな感じと同時に、将来、大きく化けそうなポテンシャルも醸し出す。「自分でかっこいいと思える作品を作っていきたい」という彼ら。何倍にも大きくなった彼らに会えることを今から楽しみにしよう。

◆『Kamloops(カムループス)』(優秀賞)
「かげうつし」 作詞:片山愛 作曲:片山愛
Vo.& AG. 片山愛(20)/AG. 村山恵介(21)

──心に響く曲を伝えるために

ユニット名は、“水の集まる場所”という意味のカナダの地名から。まさに澄んだ水の流れのような歌声をしっとりと聴かせてくれた。もともとはバンド活動をしていたが、解散をきっかけに2人で活動するようになる。あるときは、京都三条の賀茂川の河川敷、またあるときは、大阪梅田駅の陸橋の上などなど、神出鬼没の2人は、心に響く曲を少しでも多くの人に伝えるために、日々活動に励んでいる。これからの季節、野外の冷気のなかで、肩をすぼめながら浸ってみたい、そんな楽曲を奏でてくれる2人である。

◆『BEDROOM & SHEEP(ベッドルームアンドシープ)』(優秀賞)
「フォール」 作詞:難波明海 作曲:難波明海
Vo.& EG. 難波明海(23)/EB. 梅尾圭二郎(18)/Dr. 森智大(21)

──聴くものを引き込む力を秘める

ボーカル難波の歌声は、荒削りながら、心に響き、聴くものを引き込む力をはらむ。今大会の最後を飾るにふさわしいパワフルでクオリティの高い演奏テクニックを見せてくれたBEDROOM & SHEEP。バンド名の由来は、つながりのないような二つの言葉だが、間に“眠る”という言葉が入るとつながりを持つところから、転じて、自分たちと知らない誰かが“音楽”によってつながるという、哲学的な意味を秘める。現在は月2回ペースでライブ活動を展開中。可能性を秘めた3人の楽曲をさらに突っ込んで聴いてみたい気がする、そんなバンドだ。

◆『Hz(ヘルツ)』(優秀賞)
「Ice」 作詞:小助川翔吏 作曲:小助川翔吏
Vo.&EG 小助川翔吏(18)/EG. 山本幸平(17)/EB. 渡辺詩乃(18)/Dr. 只野慎太郎(18)

──デコボコだけど周波数ピッタリ!

同じ北海道出身、高校生4人という点で、グランプリのThe coridrasと共通性を感じさせるHzだが、紅一点のベース渡辺が、しっくりメンバーにとけ込み、むしろバンドをリードしているような光景はほほえましい。小助川と山本の身長差30cm以上のでこぼこコンビさも、バンドのキャラクターを強くアピールしている。音楽を楽しんでいる姿勢は、エントリーすべてに共通するものだが、その雰囲気をいかんなく発揮して、観るものに印象づけるのが彼らのセールスポイントかも。デコボコだけど周波数ピッタリ。バンド名通りの4人なのである。

◆『GINGHAM(ギンガム)』(オーディエンス賞)
「エンドロール」 作詞:橋場崇成 作曲:橋場崇成
Vo.& EG. 橋場崇成(22)/EG. 大澤圭一(20)/EB. 佐藤晃己(22)/Dr. 神林祥太(17)

──多くの人の心を掴んだパフォーマンス

第一回大会では東京のエリアファイナルで破れ、今回は見事雪辱を果たし、ハッピーなエンドロールを迎えた彼ら。1st Music Revolutionでは、web投票において、2週間で7000票を獲得したという人気ぶりは健在。今大会では、会場の投票で選ばれるオーディエンス賞を見事受賞した。バンドをリードする橋場の作る楽曲は、耳に残るキャッチーなメロディ。そしてパワフルなライブパフォーマンスも見所あり。みんなに勇気を与える、そんな4人のステージングだった。


以後3回に渡って<第2回Music Revolution JAPAN FINAL>のもようをお伝えする。次回は、受賞者以外のエントリーについても詳しく紹介。乞うご期待。

◆Music Revolutionオフィシャルサイト
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