癒しのチェリスト、新倉瞳がニューアルバムをリリース

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チェリスト・新倉瞳がアルバム『トロイメライ』をリリースした。シューマンの「トロイメライ」を表題曲とした彼女は、「精神病に悩まされ苦しんだシューマンですが、彼が生きた証、愛のかたちを、このトロイメライから感じました」とライナーノーツに綴っている。

2006年夏、アルバム『鳥の歌』でデビューを果たした新倉瞳は、2008年3月に桐朋学園大学を首席で卒業したばかりの23歳だ。デビューから2年、様々なステージでの経験と新たな出会いを糧に2作目「トロイメライ」の録音に挑んだという。

この2年の間には、演奏会の機会も増え様々な新しい体験もあったが、在学中のデビューという事で大きなプレッシャーや責任感もつきまとい、悩みや葛藤も多い時期を過ごしたという。そんな新倉にとって音楽とは、楽しい時よりも辛い時や悲しい時に聴きたいものと感じることが多く、今回のように様々なロマンスをテーマとした選曲が出来あがったようだ。

人間の声に最も近い音域を持つといわれるチェロの暖かな音色で、シューマン「トロイメライ」「幻想小曲集」、フォーレ「エレジー」、エルガー「愛の挨拶」などの他、ヴァイオリンやピアノの曲、「タイスの瞑想曲」、「ノクターンOp9-2」にも挑戦した。演奏会では、ブラームスやショパンのソナタにも取り組んでいる新倉は、実はブラームスとシューマンを敬愛しており、今回の選曲においても、ブラームスとシューマンとその妻クララの曲をとりあげ、3人のロマンスを中心にイメージを作りあげた。チェロ版に編曲したクララの作品は、「まるで小さなチェロ・ソナタのよう」と出来上がった譜面を見て喜んで録音した意欲作だ。

2009年1月30日の東京文化会館でのCD発売記念リサイタルでは、CDの曲とともに、シューベルトの難曲「アルペジョーネ・ソナタ」にも挑戦する予定だ。

デビュー当時から、より多くの人にチェロという楽器に親しんでもらいたいと考えている新倉は、カルテットなどの室内楽にも積極的で、学校や病院へ出かけて演奏するアウトリーチ活動をはじめ、都内のライヴハウスでもサロン・コンサートを頻繁に行なっているようだ。

間近でチェロの音に触れてもらえる場所を提供する活動に心がけているチェリスト、新倉瞳。この2作目トロイメライ」で、そんな彼女の感性豊かな第2幕が上がろうとしている。
◆iTunes Store 新倉瞳(※iTunesが開きます)
◆新倉瞳オフィシャルサイト
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