メタル三味線ケヴィン・メッツ、三味線界に激震?

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津軽三味線に恋したアメリカ人三味線プレーヤー、ケヴィン・メッツ。衝撃の日本デビュー作『ゴッド・オブ・シャミセン』は聴いただろうか。

その凄腕の三味線テクニックを武器に、へヴィ・メタルと三味線を融合した独自のサウンドでデビュー前から話題沸騰だったケヴィン・メッツ。彼は1972年、アメリカ人の父と京都生まれの母によりドイツに生まれた。

幼い頃はヘンデルやバッハを聴いて育ったものの、5歳のときに父の仕事の都合で青森県三沢市に移り住んでからは、ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーンなどが好きなメタル少年に転身、自身バンドを組んで地元のフェスなどにも出演していた。そして、14歳の時、三味線との衝撃の出会いが訪れる。それが、たまたま母親と行った津軽三味線の名人、高橋竹山のライヴだった。

高橋竹山が奏でる津軽三味線は、力強さ、味、インパクト、全てがパーフェクトで、一気に三味線の魅力に開眼したという。それ以後、テープで、民謡酒場で、三味線を聴きまくり、自分はアメリカ人なので三味線を習えないと思い込んでいた彼は、ギターで津軽三味線のフレーズを繰り返し練習する日々を送っていた。

その後、南カリフォルニアに移り住み、地元の大学を卒業後ギタリストとして活躍しつつも、津軽三味線への挑戦を決意、10年ぶりに日本に戻り三沢で津軽三味線の本格レッスンを受け始めた。そしてレッスンが終わりカリフォルニアに戻った頃には本格的三味線プレーヤーとして活躍、アメリカで三味線を教える傍ら、アメリカ発の三味線ロッカーとして、バンド活動を行ない、遂に念願のデビューとなったというわけだ。

デビュー作『ゴッド・オブ・シャミセン』には、メタル調の「メタル・じょんがら」や「スター・ウォーズのテーマ」「ドラゴン・クエスト・メドレー」「ファイナル・ファンタジー・メドレー」など、伝統曲からアニソン、ゲーム・クラシック音楽まで盛りだくさんの内容に溢れている。その上で寿司を食べに行くときの喜びを歌ったケヴィンの自作曲「スシ・フルサト」など、異色のオリジナル曲も収録。

インパクトの強さと楽曲のバラエティーさに話題性が先行してしまうものの、三味線の腕前は本物で、2005年に弘前と金木で開かれた津軽三味線全国大会では外国人として初めて賞を受賞。他にも「東京邦楽コンクール」現代三味線音楽協会賞(2008年)など、様々な賞を受賞しているツワモノだ。

三味線に恋したアメリカ人が創り出した、三味線の概念を越えた異色のサウンド。ジェロが日本の演歌界に革新を与えたように、ケヴィン・メッツが三味線の世界に激震を与えるかもしれない。
◆iTunes Store ケヴィン・メッツ(※iTunesが開きます)
◆ケヴィン・メッツ・オフィシャルサイト
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