I've、熱気が会場中を濡らした白熱の武道館公演レポート

前回の熱狂を知るファンたち、そして新たに加わったファンたちの興奮で、広い武道館内は驚くほどの熱気だ。オーディエンスの期待が頂点に達した頃を見計らって、一気に客電気が落とされる。するとそれに呼応するように、会場は一瞬にしてサイリュウムの海に!美しく揺れる光に見とれていたのも束の間、気付けば神秘的なSEが、徐々に会場を満たしていく…。
◆I've in 日本武道館フォトアルバム

最新コンピ『The Front Line Covers』から「RISE」、そしてヒット・シングル「JOINT」とラウドなサウンドがブチかまされると、彼女を代表する名曲「緋色の空」へと続き、ラストは爆走パンク・ナンバー「GET MY WAY!」へ。淀みない歌声を最後まで響かせ、ステージを後にした。

そして島みやの紹介と共に、2008年デビューした新人シンガーIKUが登場。彼女もまた、島みやが北海道で見出した才能である。島みやの作りだした世界観から打って変わって、オーガニックでナチュラルで魅力が前面に打ち出された愛らしいムードに。「Rimless ~フチナシノセカイ~」、「木の芽風」の2曲を披露しステージを後にした。
再びステージに現れた島みやは、ダークで重々しいサウンドが特徴的な「WHEEL OF FORTUNE (運命の輪)」で絶唱ともいうべき鬼気迫る声を聴かせる。そしてスキップするようなビートが印象深い「銀河の子」と、カラーの違う代表曲を畳みかけた。風格漂う見事な歌声に、オーディエンスは終始圧倒されっぱなしだ。


彼女から会場に投げられた「戻ってきたよ武道館!会いたかったよ!」のMCで、会場は燃えるような歓声に包まれた。そしてファンとの出会いを生んだデビュー曲「close to me...」、「季節の雫 -The Front Line Covers ver.-」と続けたところで、スペシャルゲストが登場する。なんと、元メガデスのギタリスト、マーティー・フリードマンだ。KOTOKOにとっても、ファンにとっても念願だった彼との共演。曲はもちろん、マーティー作曲の名曲「きれいな旋律」である。澄み切ったKOTOKOの歌声と、息を飲むギタープレイを惜しげもなく披露したマーティーとのコラボレーション。まさに至福である。マーティーがステージを後にすると、出会いの素晴らしさを歌にした「U make 愛 dream」、そして大ヒット曲「Re-sublimity」を怒涛のように畳みかける。ラストは爽快なロック・ナンバー「ハヤテのごとく!」で、会場を情熱的に纏め上げていった。

ここで、「I'veのもうひとつの顔」とも言うべき“キュンキュン”な電波ソングタイムに突入。KOTOKOの「武道館でもキュンキュンしちゃう?」というMCが響き渡り、再び登場したのはKOTOKOと詩月カオリ。アルバムのタイトルから通称“SHORT CIRCUIT”と呼ばれる2人による、キュートでメロウなポップンワールド全開! この日一番の歓声が上がっていた。

初期の名曲「さよならを教えて ~comment te dire adieu~」を披露した後、ここでも驚きのスペシャルゲストが登場する。フランスが誇るユニット、ディープ・フォレストのエリック・ムーケ。MELLが最も尊敬するアーティストである。MELLは、緊張に震えながら英語でのMCを披露し、エリックがリミックスしたMELLの楽曲「repeat -Deep Forest Remix-」を一緒にパフォーマンス、会場を神秘的なムードで包み込んだ。
新曲として紹介されたハードコア・メタル・ナンバー「Bizarrerie Cage」を歌い上げた後は、ファン待望の代表曲「Red fraction」へ。ショットガンを撃ちまくるような爆音に、心地よく身を委ねるオーディエンス。ラストはMELLのI'veデビュー曲「美しく生きたい」で、祝祭感溢れるムードを作り上げていた。問答無用の説得力である。

ここでライブは終わりかと思いきや、I'veからファンへ向けて緊急告知が。「I've10周年の記念スペシャルCD BOX発売!」の報せに歓喜の声が上がるなか、さらに大きなプロジェクトが発表される。なんと、I've歌姫をテーマにした映画の製作が発表されたのだ。
徹頭徹尾ファンを驚かし、喜ばせ続けたライブも、間もなく本当の終焉を迎える。アンコールは、Love Planet Fiveによる「天壌を翔る者たち」、そしてラストに相応しくI'veファン感涙のナンバー「Fair Heaven」を披露し、感動の涙に包まれた中ライブは終了。とても充実した、しかしあっという間に感じられたライブだった。
ファンと歩んだ10年を総括し、ライブのタイトルの通り、未来へと飛び立つための重要なステップを踏み出したI've。その第一歩となった記念すべき2度目の武道館公演は、大成功のうちに幕を下ろした。
<I'VE in Budokan 2009 ~Departed to the future~>
2009年1月2日 日本武道館
1.PSI-missing/川田まみ
2.radiance/川田まみ
3.風と君を抱いて/川田まみ
4.RIDE/川田まみ
5.JOINT/川田まみ
6.緋色の空/川田まみ
7.Get my way!/川田まみ
8.ULYSSES/島みやえい子
9.DROWNING/島みやえい子
10.To lose in amber/島みやえい子
11.雨に歌う譚詩曲/Healing Leaf
12.秋風に君を想ふ/Healing Leaf
13.Rimless ~フチナシノセカイ~/IKU
14.木の芽風/IKU
15.WHEEL OF FORTUNE (運命の輪)/島みやえい子
16.銀河の子/島みやえい子
17.Shining stars bless☆/詩月カオリ
18.Chasse/詩月カオリ
19.Senecio/詩月カオリ
20.SWAY/詩月カオリ
21.Change of heart/詩月カオリ
22.Do you know the magic?/詩月カオリ
23.リアル鬼ごっこ/KOTOKO
24.羽/KOTOKO
25.Close to me…/KOTOKO
26.季節の雫 -The Front Line Covers ver.-/KOTOKO
27.きれいな旋律/KOTOKO with マーティ・フリードマン
28.U make 愛 dream/KOTOKO
29.Re-sublimity/KOTOKO
30.ハヤテのごとく!/KOTOKO
31.under the darkness/C.G mix
32.version up/C.G mix
33.ミオクルカラ/C.G mix
34.True eyes/C.G mix
35.DETECT/C.G mix
36.Welcome to HEAVEN!/C.G mix
37.Crash Course ~恋の特別レッスン~/SHORT CIRCUIT(KOTOKO to 詩月カオリ)
38.恋愛CHU!/SHORT CIRCUIT(KOTOKO to 詩月カオリ)
39.SAVE YOUR HEART -Album Mix-/SHORT CIRCUIT(KOTOKO to 詩月カオリ)
40.Double Harmonize Shock!!/SHORT CIRCUIT(KOTOKO to 詩月カオリ)
41.KILL/MELL
42.SCOPE/MELL
43.さよならを教えて ~comment te dire adieu~/MELL
44.repeat -Deep Forest Remix-/MELL with エリック・ムーケ
45.Bizarrerie Cage/MELL
46.Red fraction/MELL
47.美しく生きたい/MELL
48~50.BLUEMAN GROUP
51.See You ~小さな永遠~/Love Planet Five
52.天壌を翔る者たち/Love Planet Five
53.Fair Heaven/Love Planet Five
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