英警察、ザ・ビートルズのルーフトップ・コンサートを語る

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40年前の1月30日、ザ・ビートルズがロンドン、サビル・ロウにあったアップル社のビルの屋上で伝説のゲリラ・ギグ、ルーフトップ・ギグを行なった。ザ・ビートルズ最後のパフォーマンスとなったこの歴史的ギグを目撃していた警官が当時のことを回想した。

当日、ピカデリー・サーカス周辺で任務にあたっていたケン・ホウォーフ警官は、BBC6ミュージックにこう話している。「頭の固い巡査部長から“あの騒音が聞こえるか?”って電話があったんだ。私は“そうですね、ザ・ビートルズみたいですね”って答えたよ。実際、彼らが屋上にいるなんてことは知らずにね。でもみんな、ザ・ビートルズがサビル・ロウにスタジオを持ってることは知ってたから。巡査部長からは“誰か連れて行って、やめさせろ”って言われたんだ」

しかしホウォーフ警官は、この命令に従う気はなかったそうだ。周囲はお祭り気分で盛り上っており、警察が止めに入ったら暴動が起きてもおかしくない雰囲気だったという。「我々は公然と、続けるよう奨励していた」「周りのビルの屋上には(ギグを見ようと)どれだけたくさんの人が集まったことか。パーティー気分だった。それを止めようとする警官がいたら、屋上から振り落とされるんじゃないかって思ったね、正直言って」

しかし結局のところ、別の署の警官が止めに入ったという。その場にいたEMIのサウンド技術者デイヴィッド・ハリスはこう話している。「警察が来て、“中に入れないなら、ここにいる全員を逮捕する”って言ったんだ。ジョージ・マーティンは真っ青になってたよ。ものすごく、面白かった。僕は、そりゃ愉快だって思ったね。“ザ・ビートルズと一緒に逮捕されるんだ。テレビに出られるぞ”ってね」

ハリスによると、彼らはできるだけ大きな音を出そうと目論んでいたという。「車の流れや通行人を止めるほどにね。道にいてもザ・ビートルズが聴こえるようにさ。EMIからでかいスピーカーをいくつか持ち込んだ。1月の凍える朝の4時にね。スピーカーを屋上において、下にある器材と繋いだ。スタジオは地下にあったからさ」

結局、ザ・ビートルズは47分間の演奏を敢行。このときの模様は映画『Let It Be』に収められている。

先週金曜日このギグの40周年を記念し、ザ・ビートルズのトリビュート・バンドThe Bootleg Beatlesが同じ場所でパフォーマンスすることを計画したが、警察や市議会から許可が下りず断念したという。

Ako Suzuki, London
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