5月2日、X JAPANが見せ付けたエポックメイキングな決断
赤、白、青、黄、緑…様々なペンライトが小さなXをかたどり、光のじゅうたんがドーム会場を覆いつくした5月2日(土)。またひとつ、X JAPANの新たな時代の幕開けに遭遇することができた。
◆5月2日、X JAPANが見せ付けたエポックメイキングな決断 ~写真編~
「お前たち分かってんだろうな。5月2日だぜ。1000倍の気合を入れていけ!」…奇しくもhideの命日となったこの日のライヴがどれほど充実しており、どれほどの気合が蠢いたかは、すでにネットを駆け巡る様々な情報でご存知のことだろう。
この日を境に、X JAPANが大きく変貌を遂げつつあり、奇跡の一歩を踏み出したという事実をお伝えしなくてはならない。ポイントは2つだ。ひとつは、SUGIZOのメンバー化である。そしてもうひとつが新曲の登場だ。
SUGIZOのメンバー化、これの意味するところは単純だが簡単なことではない。X JAPANがまだ見ぬ領域に前進しようとする意思を持っていること、そしてそこに必要な推進力と方向を見定める並ならぬほとばしる才能を取り込む必要があるとX JAPANが決断したことがエポックなのだ。2008年3月に行なわれた東京ドーム3daysとは、メンバーが向いているベクトルが180度違うことを示す重要なキーワードである。
SUGIZOの加入がサウンドに大きな影響を及ぼすということが重大なのではなく、まだ見ぬ新しい生命体として新たな音楽を生成/誕生させる音楽クリエート集団へ変貌を遂げたという事実が重いのだ。HIDEのピースを埋めることがどれだけ困難で、どれだけの風当たりがあるのかくらい、簡単に想像もつくだろう。これまでも説いてきた、HIDEの穴を埋めると表現した部分である。「埋める必要はない。埋めなくてかまわない」…そういう意見も吹き荒れるなかでのX JAPANの決断だ。
HIDEの存在を否定する人は誰もいない。これからもHIDEは永遠のX JAPANのメンバーのひとりであることに変わりはない。X JAPANのHIDEに会うことができる唯一の場がライヴ会場であることは、今後も変わらぬことのはずだ。しかし、X JAPANは、HIDEの呪縛から解き放たれる必要があった。このままでは呪縛に捕らわれたまま、黄金期のX JAPANを過激なまでにトレースするパフォーマンス集団に成り下がってしまう現実の厳しさに、もがき苦しんだのはX JAPANのメンバー全員だったことだろう。ミュージシャンとして生を受け、クリエーターとしてX JAPANが存在しなければ、おそらく彼らの立ち居地は存在しない。HEATHが何を見失い何故に苦しまなくてはいけなかったのか…十分に想像しうることではないか。
リセットされたHEATHの前進パワーと、SUGIZOのメンバー化は完全にシンクロした話であると分析するのが筋というもの。X JAPANの奇跡の再生である。
SUGIZOという鬼才の存在は、X JAPANの鼓動に鞭を振るった。まだ見ぬ新たな世界へ踏み出すためののトルクフルな血流がモンスターの体温を上げていく。SUGIZOが偉大な才能の持ち主であり、X JAPANに多大な影響を与える潜在能力を持っているのはいわずもがな。モンスターはこれまでにない光を湛えて頭をもたげた。「DAHLIA」で見せたYOSHIKIのピアノとSUGIZOのヴァイオリンによる静かなる嵐は、インストゥルメンタルの表現力を超えて、破壊と構築のX JAPAN美学をこれまでにない形で表現して見せた絶品の数分間。X JAPANが全てを乗り越えて、大きな一歩を踏み出したこの輝かしきパッションは、間違いなくひとつのピークの瞬間だった。
新曲「jade」は2曲目「WEEK END」でエンジンがかかった後、早々に披露された。リフ・オリエンテッドなヘヴィなビートと、インダストリアルな匂いを携えた「jade」は、ドラマティックで重い作品であった。「弱い自分を“強行突破”だ」と叫んだTOSHIのメッセージをしっかりと受け止めたオーディエンスに、TOSHIは語った。「“強行突破”とは、純粋に生きること」と。
2度のアンコールにわたってたっぷりと3時間半のパフォーマンスは、多くの感動と満面の笑みをオーディエンスに届けて終了となった。
X JAPANが伝えたかったのは“俺たちは無敵だ”と言うこと。“それがX JAPANだ”ということだ。そして“X JAPAN”とは6人のメンバーではなく、X JAPANの作品を愛し彼らの生き様に共感を得る5万5千人のオーディエンスが“X JAPAN”であり“無敵”であることを見せつけた。
「Say Anything」をバックに、彼らは何度も何度も感謝の意をオーディエンスに伝えた。会場を走り、深々と挨拶を繰り返し、いくつもの「無敵」フラッグが空を切った。TOSHIとYOSHIKIがHEATHの両手をとり会場を走りながら、5万5千人のX JAPANへ笑顔を送り込んだ。HIDE人形はSUGIZOが守っている。
「みんな、ありがとう」とTOSHIの絶叫は、幾度も会場に響き渡った。「みんな、ありがとう」は、X JAPANの心の叫びであっただけではなく、これからのネオX JAPANの新たなる活動を約束する契りの叫びでもあった。「公演までにトラブルを解消し、必ず素晴らしいコンサートをする」と明言していたその裏には、新生X JAPANとして生まれ変わることへの覚悟と圧倒的な自信が裏付けとなっていたのだ。
<X JAPAN WORLD TOUR Live in TOKYO~攻撃続行中~>
5月2日~無敵な夜~
SE(THE LAST SONG)
1.Rusty Nail
2.WEEK END
3.Jade(新曲)
PATA'S NAP~hideの部屋
4.CEREBRATION
5.ROSE OF PAIN(アコースティック)
YOSHIKI piano solo
6.Tears
7.DAHLIA
8.紅
アンコール
VIOLET U.K
YOSHIKI Drums solo
9.Without you
アンコール
10.I.V.
11.X
12.ENDLESS RAIN
13.SE(Say Anything)
◆5月2日、X JAPANが見せ付けたエポックメイキングな決断 ~写真編~
「お前たち分かってんだろうな。5月2日だぜ。1000倍の気合を入れていけ!」…奇しくもhideの命日となったこの日のライヴがどれほど充実しており、どれほどの気合が蠢いたかは、すでにネットを駆け巡る様々な情報でご存知のことだろう。
この日を境に、X JAPANが大きく変貌を遂げつつあり、奇跡の一歩を踏み出したという事実をお伝えしなくてはならない。ポイントは2つだ。ひとつは、SUGIZOのメンバー化である。そしてもうひとつが新曲の登場だ。
SUGIZOのメンバー化、これの意味するところは単純だが簡単なことではない。X JAPANがまだ見ぬ領域に前進しようとする意思を持っていること、そしてそこに必要な推進力と方向を見定める並ならぬほとばしる才能を取り込む必要があるとX JAPANが決断したことがエポックなのだ。2008年3月に行なわれた東京ドーム3daysとは、メンバーが向いているベクトルが180度違うことを示す重要なキーワードである。
SUGIZOの加入がサウンドに大きな影響を及ぼすということが重大なのではなく、まだ見ぬ新しい生命体として新たな音楽を生成/誕生させる音楽クリエート集団へ変貌を遂げたという事実が重いのだ。HIDEのピースを埋めることがどれだけ困難で、どれだけの風当たりがあるのかくらい、簡単に想像もつくだろう。これまでも説いてきた、HIDEの穴を埋めると表現した部分である。「埋める必要はない。埋めなくてかまわない」…そういう意見も吹き荒れるなかでのX JAPANの決断だ。
HIDEの存在を否定する人は誰もいない。これからもHIDEは永遠のX JAPANのメンバーのひとりであることに変わりはない。X JAPANのHIDEに会うことができる唯一の場がライヴ会場であることは、今後も変わらぬことのはずだ。しかし、X JAPANは、HIDEの呪縛から解き放たれる必要があった。このままでは呪縛に捕らわれたまま、黄金期のX JAPANを過激なまでにトレースするパフォーマンス集団に成り下がってしまう現実の厳しさに、もがき苦しんだのはX JAPANのメンバー全員だったことだろう。ミュージシャンとして生を受け、クリエーターとしてX JAPANが存在しなければ、おそらく彼らの立ち居地は存在しない。HEATHが何を見失い何故に苦しまなくてはいけなかったのか…十分に想像しうることではないか。
リセットされたHEATHの前進パワーと、SUGIZOのメンバー化は完全にシンクロした話であると分析するのが筋というもの。X JAPANの奇跡の再生である。
SUGIZOという鬼才の存在は、X JAPANの鼓動に鞭を振るった。まだ見ぬ新たな世界へ踏み出すためののトルクフルな血流がモンスターの体温を上げていく。SUGIZOが偉大な才能の持ち主であり、X JAPANに多大な影響を与える潜在能力を持っているのはいわずもがな。モンスターはこれまでにない光を湛えて頭をもたげた。「DAHLIA」で見せたYOSHIKIのピアノとSUGIZOのヴァイオリンによる静かなる嵐は、インストゥルメンタルの表現力を超えて、破壊と構築のX JAPAN美学をこれまでにない形で表現して見せた絶品の数分間。X JAPANが全てを乗り越えて、大きな一歩を踏み出したこの輝かしきパッションは、間違いなくひとつのピークの瞬間だった。
新曲「jade」は2曲目「WEEK END」でエンジンがかかった後、早々に披露された。リフ・オリエンテッドなヘヴィなビートと、インダストリアルな匂いを携えた「jade」は、ドラマティックで重い作品であった。「弱い自分を“強行突破”だ」と叫んだTOSHIのメッセージをしっかりと受け止めたオーディエンスに、TOSHIは語った。「“強行突破”とは、純粋に生きること」と。
2度のアンコールにわたってたっぷりと3時間半のパフォーマンスは、多くの感動と満面の笑みをオーディエンスに届けて終了となった。
X JAPANが伝えたかったのは“俺たちは無敵だ”と言うこと。“それがX JAPANだ”ということだ。そして“X JAPAN”とは6人のメンバーではなく、X JAPANの作品を愛し彼らの生き様に共感を得る5万5千人のオーディエンスが“X JAPAN”であり“無敵”であることを見せつけた。
「Say Anything」をバックに、彼らは何度も何度も感謝の意をオーディエンスに伝えた。会場を走り、深々と挨拶を繰り返し、いくつもの「無敵」フラッグが空を切った。TOSHIとYOSHIKIがHEATHの両手をとり会場を走りながら、5万5千人のX JAPANへ笑顔を送り込んだ。HIDE人形はSUGIZOが守っている。
「みんな、ありがとう」とTOSHIの絶叫は、幾度も会場に響き渡った。「みんな、ありがとう」は、X JAPANの心の叫びであっただけではなく、これからのネオX JAPANの新たなる活動を約束する契りの叫びでもあった。「公演までにトラブルを解消し、必ず素晴らしいコンサートをする」と明言していたその裏には、新生X JAPANとして生まれ変わることへの覚悟と圧倒的な自信が裏付けとなっていたのだ。
<X JAPAN WORLD TOUR Live in TOKYO~攻撃続行中~>
5月2日~無敵な夜~
SE(THE LAST SONG)
1.Rusty Nail
2.WEEK END
3.Jade(新曲)
PATA'S NAP~hideの部屋
4.CEREBRATION
5.ROSE OF PAIN(アコースティック)
YOSHIKI piano solo
6.Tears
7.DAHLIA
8.紅
アンコール
VIOLET U.K
YOSHIKI Drums solo
9.Without you
アンコール
10.I.V.
11.X
12.ENDLESS RAIN
13.SE(Say Anything)
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