ティンテッド・ウィンドウズ、ウソのようなホントのスーパーグループ結成[前編]

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遂に日本版の発売となったティンテッド・ウィンドウズのセルフタイトル作『ティンテッド・ウィンドウズ』。お楽しみいただいているだろうか。

この突き抜けた明るさとどこまでもキャッチーに転がるドライヴ感、どこか懐かしく、貫禄をも醸し出すどっしりとした安定感。…ま、そりゃそうだ。このメンツだもの。

ヴォーカルがハンソン、ギターがスマッシング・パンプキンズ、ベースがファウンテインズ・オブ・ウェイン、そしてドラムがチープ・トリック。もう完全に冗談でしょ?というラインナップで何故か生まれた奇跡のバンド。そして何より出来上がったアルバムこそが、奇跡の極上パワーポップ・サウンド。

ハンソンのテイラーが歌いジェームズ・イハが奏で、アダム・シュレシンジャーとバン・E・カルロスがボトムを支えるティンテッド・ウィンドウズ、これ聴かないとウソでしょ。

──まずは、このグループが誕生したきっかけを教えてください。

アダム・シュレシンジャー:ほとんどの人には、突然のプロジェクト誕生ってイメージでびっくりしているんだろうけど、実はそうじゃない。テイラー(・ハンソン)と僕はいつも、「一緒に何かやりたい」っていう話をしていたんだ。一緒に曲を書くか、それとも一緒にライヴをやるとか、何かやりたいねって。で、3年位前から本格的にアイディアを考え始めた。そこに、2年位前かな、ジェームズ(・イハ)が加わったんだ。

ジェームズ・イハ:うん。僕もアダムとは1996年頃から友達で、何年も同じような話をしていた。彼とはいろいろなプロジェクトでコラボレーションしたり、お互いのバンドのアルバムに参加したこともあるし、スタジオ(註:NYマンハッタンのウエスト・チェルシー地区にあるSTRATOSPHERE STUDIO)やレーベル(註:SCRATCHIE RECORDS)も一緒にやっているけれど、もっと何かやってみようと。だから、アダムからアイディアを聞いて、「それって最高のアイディアじゃない?」って感じだった。

──実際に3人で音合わせをしたのはいつ頃でしたか? どんな感じでした?

テイラー:3年位前かな。オクラホマのタルサに、テイラーを訪ねた時だった。そこで丸一日をセッション・デイにしてスタジオで過ごし、まずそこで「テイク・ミー・バック」を一緒に書いてみた。力強いビートにタンバリンを効かせて、その上にリフが鳴り響くサウンドさ。

テイラー・ハンソン:「Wow、これってクールだな。皆で話していた、まさにそのものズバリをやってるんだ」って思ったよ。本当はジャム・セッションを主体にしたオーガニックなソング・ライティングからバンドを作っていきたかったんだけど、時間的な制約があって、3人で曲を持ち寄ってからレコーディングという順番になった。

──どんなサウンドを目指していったのですか?

ジェームズ:全員が大好きなパワー・ポップ、ロック、それに70年代後半から80年代前半のニュー・ウェイヴの要素を取り込んで、そこに新しいポップとロックの要素をブレンドして、ティンテッド・ウィンドウズならではの音を作り上げようと話し合ったんだ。オールディーズ・サウンドのシンプルさと、ギターがアグレッシヴに鳴っているモダンな攻撃性とを追求したかった。それこそバズコックスからザ・ナックまでいろんなバンドの話が話題に上がってね。そして、そこにはもちろんチープ・トリックの名前もよく出てきたよ。

テイラー:時間があればいつでもレコーディングをしていったね。頭に置いていたのは、サウンドをシンプル且つダイレクトにするということ。そして最初に、“キーボードは入れない”と全員で決めていた。バック・コーラスやホーン・セクションなんかも入れない(笑)。

ジェームズ:このルールは難しかったよ。だってテイラーも僕もキーボードを弾くからね。だけど、僕達がサウンド・パレットを創り上げるのに、自動的に守ろうと決めた幾つかの決断のひとつだった。サウンドを本当にフレッシュな、飾り立てないものにしておきたかったんだよね。

後編へ続く

提供●EMIミュージック・ジャパン
◆ティンテッド・ウィンドウズ・オフィシャルサイト
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