女性が持つ多面性を幅広い楽曲で表現し体現していきたいと語る、強力なニューカマー:マリア

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Maria デビューシングル「Getaway」リリース大特集

マリアとは全女性の象徴であり女性のすべてを表わすキーワード そんなアイコン的な前を持つ少女がストラトを片手に堂々のデビュー

──マリアは日本人とスエーデン人のクォーターなんですね?

マリア:はい。おじいちゃんがスエーデン人なんです。ただ、私は東京生まれの東京育ちで、スエーデンには行ったことがなくて。おじいちゃんも、小さい頃に亡くなっちゃってるんで、会ったことがないんですよ。

──お父さんはピアノの弾き語りバーを経営されてて、マリアも物心ついた頃からお父さんのお店で歌ってたんだとか。

マリア:そうなんですよ。お店に遊びにいくと、お父さんの娘だからってことで、知 り合いのお客さんとかに「歌って」って言われて。ビリー・ジョエルの曲とか、当時は意味もわからないまま歌ってました。

──物心ついた頃からビリー・ジョエルとはすごい。

マリア:お父さんの影響で大好きになって。他にも家で聴く音楽は洋楽ばっかりでしたね。テレビから流れてくるような日本の歌謡曲とかポップスも嫌いではなかったんですが、うちは母親も洋楽ばっかり聴いてたし、日曜日に家族でCDショップに行くと、買うのはいつも洋楽ばかりだったので、私も自然と洋楽を聴くようになったというか。

──その頃から将来の夢は、アーティストになりたいと?

マリア:そうですね。音楽をやりたいっていうのは、ずっと思ってました。ただ、本格的に自分の曲と自分の詞で、相手に想いを伝えたいって思い始めたのは高校生の時。

──それは何かきっかけがあったの?

マリア:きっかけっていうほど大きいものはなかったんですけど、自分が成長していく上で、より音楽に興味が出てきたっていうのと、あと、父親がピアノを弾けるのがすごくうらやましくて、自分も何か楽器を弾きたいなぁと思って。

──ピアノはやってなかったの?

マリア:ピアノは家にもあったし、一度習ったりもしたんですけど、その時たまたま受験があったんでやめちゃったんです。でもお父さんを見てて、あぁ、やっぱりやりたかったなぁって、ずっと後悔みたいなのがあったんです。高校を卒業して、周りの友達は大学に進学したり、早い人は就職したりとか、形は違ってもそれぞれ自分の道をどんどん進んでるのを見て、自分は何をやってるんだろう?と。何かモヤモヤした気持ちでいる時に、綾香さんやYUIさんが出た音楽塾ヴォイス(ミュージックスクール)と出会って、そこで自分が変わったんです。

──ヴォイスには高校卒業後、すぐに入塾?

マリア:いえ、1、2年アルバイトしてから。自分で貯めたお金で入りました。うちは自分のことは自分でやりなさいっていう家庭だったんで。携帯料金とかも中学、高校の頃から自分でアルバイトして払ってたんですよ、私。で、そのヴォイスっていうスクールは、今年の4月から東京校もできたんですけど、私が入った時は福岡にしかなかったんですね。だから、東京から福岡に通うことにして。

──東京から福岡まで!?

マリア:はい。何週間か集中的に福岡でレッスンを受けたら、東京に戻ってきてアルバイトしてお金を貯めて、また福岡に行く、みたいな。そういうのを2年間続けました。

──普通は夢のために地方から東京へ向かう人の方が多いと思うんだけど。

マリア:そうですね。でも私は(ヴォイス塾長の)西尾先生の作る曲とか考え方にすごく共感できたし、誰も知り合いのいない中で一人戦ってみたら、もっと強い人間になれるかなと思って、思い切って福岡まで通うことにしたんです。だけど、ヴォイスってすっごく厳しいんですよ。しかも、周りに知り合いもいない、家族もいない、おまけに福岡の街自体、よくわからないじゃないですか。だから最初の頃は淋しくて、つらくて、ちょっとホームシックにもなって、“どうしよう……”みたいな。でも家に電話したら、親は“自分で行くって決めたんだから厳しくても頑張りなさい”って感じで。

──レッスンはそんなに厳しかったの?

マリア:も~う、メチャクチャ厳しいです! ボイトレ(ボイス・トレーニング)とギターの練習と、作曲の練習と理論と、作詞と……とにかくいろいろあるんですけど、1回1回課題がこ~んな(山のように)出されて、全部“明日提出ね”みたいな。で作曲とか、最初のうちは思うようにできなくて、何度も直しをもらって、泣きながらホテルの部屋でやったり。ギターの練習も、ホテルだと音が出せないじゃないですか。だから弦の下にタオルを挟んでストロークの練習をしたりとか。あと爪も、「そんなんじゃ長くて弾けない!」って先生に言われたから、深爪になるまで切って(笑)。最初は“爪は伸ばしてちゃいけないのか”と思ったけど、今ではギターが弾けるなら爪なんてどうでもいいって思うようになりましたね。

──その爪の話だけでもマリアの音楽に賭ける本気度が伺えるね。多くの女の子にとって、爪は結構こだわりたいパーツのはずだけど、そんなことよりもギターっていうところがね。

マリア:そうですねぇ。もう音楽しか見えないし、音楽しか興味ないんで。

──で、今回のデビュー曲「Get Away」は、どんなふうに生み出されたの?

マリア:曲は去年書いて、歌詞はデビューが決まってから書いたものです。昔、自分が大人の人たちと接して納得いかなかったり、悔しい思いをしたことがあって。あと、さっきもお話したように同世代の子たちがみんな旅立っていく中で、自分だけがとり残されてるような焦りとか、どうしようっていう葛藤があったりとか……。そういう現状を、マリアという新たな自分で突破して、自分の道を自分の力で切り開いていこう! って。そんな強い想いを込めて書きました。

──“GET AWAY”は直訳すると“逃げる”とか“逃亡”だけど、この「GET AWAY」はすごく前向きで、しかもヒリヒリするような緊迫感も伝わってくるね。

マリア:つらい現状から新しいステップへ向けて走り抜けていくっていう意味と、今までの自分とは違うんだぞ! っていう意味を込めたので、すごく前向きだと思います。PVでもビルをギターでスパッと切ってる映像があるんですけど、目の前にある邪魔なものを払いのけて進んでいく! みたいな。イメージとしてはそれぐらいパワフルな感じなんですよ。で、つらい現状っていうのは私だけじゃなくて、みんなも学校や会社で納得いかないこととかあると思うんですね。なので、この曲を聴いて共感してもらえたり、自分も自分の道を切り開いて進んでいこう! って思ってくれたらいいなと思いますね。

──マリアとしては、今後、何を一番伝えていきたい?

マリア:この“マリア”っていう名前は、女性の象徴というか、いろんな意味が込められてるんですよ。女性っていろんな面を兼ね備えてるじゃないですか。強さだったり、美しさだったり、カッコよさ、可愛さ、優しさだったり。そういういろんな面をバラードからミディアム、激しいものまで、幅広い曲で表現して、老若男女みなさんに共感してもらえるようになれたらなっていうのと、あとは悩んでたり元気のない人をマリア様のように救えたらいいなって。

──それ自体が目標のような、大きな名前ね。

マリア:そうなんです、よく考えると(笑)。でもそれぐらい大きな目標を掲げながら、やっていくうちにどんどんいろんな魅力を出していけたらいいなって思ってます。

取材・文●赤木まみ

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