夢も子育ても諦めない、全盲のシンガー・ソングライター立道聡子

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5月20日にシングル「たからもの」でデビューした全盲のシンガー・ソングライター立道聡子が、5月31日に大泉学園ゆめりあホールにて、メジャー・デビュー後初の単独コンサートを行なった。

1982年に福岡で体重850グラムという超未熟児で生まれた立道は、未熟児網膜症により生まれつき目が見えないが、絶対音感に恵まれ、3歳でピアノを弾き始めた。14歳には曲を作り始め、これまでに300曲以上を書きためている。

筑波大学附属盲学校高等部専攻科音楽科を卒業した彼女は、2004年に同じく全盲の男性と結婚。2006年には周囲の猛反対を押し切って長男を出産し、現在、夫婦で都内のアパートにて自力で子育てをしながら、シンガー・ソングライターとして活動している。

今回行なわれたコンサートは、主婦として、ママとして、シンガー・ソングライターとして活躍する彼女を応援しようと、練馬区在住の主婦有志の方々と、彼女の息子と同じ保育園に通うママさんたちが中心となって企画・運営したもの。立道本人も、「たくさんの人に聴いてもらいたい、という気持ちで歌を作ってきたので、このようなコンサートを地元の皆さんと一緒にできてうれしい」と語った。

当日は家族連れを中心に約200名が来場し、会場は満員に。コンサートでは7月に1stアルバムを発売することを発表し、アルバム収録曲の中からデビュー曲「たからもの」を含む全5曲を披露した。コンサートの最後には子どもたちから花束が贈られ、地元の手作りコンサートならではの温かい雰囲気に終始包まれた。

「一番大切に歌ってきた「たからもの」でデビューできたのは本当にうれしいです。「たからもの」って、生きているとだんだん増えていったり、反対に忘れてしまったりするものでもあると思うので、この歌を聴いてくれた人が、それぞれの「たからもの」をもう一度見つめ直すきっかけになればいいなと思います」と、メジャー・デビューを果たした喜びを語った彼女は、「ステージに立った時、目に見えないあったかい空気感を感じられて、いい意味で身が引き締まりました。お客さんのあたたかい心に支えられて歌うことができた気がします」と今回のコンサートの感想を話した。

なお、「悩んでいた時期も含めてこれまで10年間の集大成。今の時点での私のベスト盤みたいな内容」になっているという7月22日発売のアルバム『たからもの ~みえないけど、きえないもの~』には、ボサノヴァやアップテンポな曲など、バラエティに富んだ全11曲が収録されている。夢も子育ても諦めない、全盲シンガー・ソングライター立道聡子の作品に注目してもらいたい。

シングル「たからもの」
VICL-36443 ¥1,260(税込)
2009年5月20日発売

1stアルバム『たからもの ~みえないけど、きえないもの~』
VICL-63325 ¥3,000(税込)
2009年7月22日発売

書籍『愛はみえる~全盲夫婦の“たからもの”~』
光文社刊 ¥1,500(税込)
ISBN:978-4-334-97570-8
2009年5月21日発売

◆立道聡子 オフィシャルサイト
◆立道聡子 オフィシャルブログ
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