FM802主催<RADIO MAGIC>、歴史に残る感動と興奮の2日間

ツイート
6月1日に開局20周年を迎えたFM802は、そのプレ・バースディ・パーティとも言うべきライヴ・イベントを5月30日、31日の2日にわたって大阪城ホールで開催した。

◆FM802主催<RADIO MAGIC>、歴史に残る感動と興奮の2日間 ~写真編~

<RADIO MAGIC>と題されたこのイベントは、事前にリスナーから募集した“FM802で出会った思い出の曲のエピソード”を会場のスクリーンで紹介したり、アーティスト自らもラジオの思い出を語るなど、20周年にふさわしい内容を有していた。リスナーとアーティストをつなげる大きな架け橋の役割を果たしたラジオの存在と意義…文化を育んできたラジオのすばらしさがオーディエンスにも実感となって伝わったことだろう。

会場には、日本を代表するトップ・アーティストたちが登場し、FM802が開局した1989年から現在に至るまで電波に乗ってヒットしたナンバーを軸に次々と披露。その顔ぶれは、2日間に渡って演奏を一手に引き受けたスペシャルバンドのミュージシャンたちを始め、豪華そのもの。それぞれがクオリティの高いステージを見せつつ、他では見ることができない夢のコラボも実現。さらにアっと驚くシークレットゲストも登場と、感動と興奮の2日間となった。

そして特筆すべきは、惜しくも5月に他界した忌野清志郎へのオマージュ。両日ともアンコールとなるエンディングでは、彼の遺作であり、FM802の春のキャンペーンソングでもある「Oh! RADIO」(6月17日リリース)を全出演者と客席全員で大合唱するなど、大きな影響を与えたビッグアーティストの死を音楽で悼む印象深いイベントとなった。

ステージ後方も客席に開放し、プラチナチケットを手にすることができた観客は計2万4,000人。幅広い年代がラジオとの出会い、アーティストとの出会い、そして素晴らしい音楽との出会いを改めて実感するイベントとなった。

5月30日(土)/1日目

▲吉岡聖恵と福原美穂
▲いきものがかり吉岡聖恵
▲福原美穂
▲CHEMISTRY
▲桑田佳祐
▲KAN
▲絢香
▲斉藤和義
▲オールスター
1日目のトップに登場したのは、いきものがかりの吉岡聖恵と福原美穂。意外な(?)コラボながらも会場は総立ちで一気にヒートアップ。ともによくのびる歌声を聴かせつつ、息の合ったハーモニーを聴かせていた。福原が一旦退いた後は、いきものがかりのステージ。キュートポップ、切ないポップバラードと情感豊かに3曲を披露した。そして入れ替わりで再び福原美穂が登場。そのソウルフルなボーカルは圧巻の一言で、会場の五感を釘付けにする。間髪入れずに、持ち味のソフトR&Bをたっぷり聴かせたのがCHEMISTRYだ。FM802ともゆかりの深い槇原敬之の持ち歌「北風」と彼が提供した「約束の場所」のメドレーを始め、抜群のハーモニーを聴かせていた。

そして、この日会場が大歓声と大きな拍手に包まれたのが、シークレットゲストが登場した時だ。いきなりユースケ・サンタマリアが登場するや会場はざわめき出し、阪神タイガースのハッピをまとった虎の着ぐるみ姿の謎の人物が素顔を見せた瞬間、会場はまるでパニック。活動休止中のサザンオールスターズの桑田佳祐だったからだ。まさにサプライズ。大阪ならではの「悲しい色やね」(上田正樹)をカバーするなど、テンションの高いパフォーマンスで計4曲を歌い上げてステージを終えた後も、会場の興奮は覚めやらないまま。

クールダウンのための(?)休憩を挟んでステージを披露したのが、KAN。フランス王朝期の貴公子風の出で立ちで会場を盛り上げたまま、大ヒット曲「愛は勝つ」を歌う。爆笑MCを挟みながら、スキマスイッチとのコラボでは会場にウェーブを提案し、大いに盛り上げた。また、その跡を継いだスキマスイッチもデビュー曲「view」など披露。キャッチーなメロディで観客のハートをぐっとつかむ。彼らの知名度を一気に押し上げた「全力少年」では、絢香とのコラボも実現し、大きな拍手を浴びていた。ピンクのワンピース姿でステージに臨んだ絢香には会場から「お帰り!」「おめでとう!」の掛け声がかかる。「初めて見たコンサートが大阪城ホールのジャネット・ジャクソン」とのエピソードとともに聴かせたソウルフルで力強い歌声で会場の観客を圧倒した。

この日のトリを務めたのが斉藤和義。リスペクトするという忌野清志郎のカバー「JUMP」を始め、飄々としたキャラクターとは一線を画すロック・スピリットを漂わせたブルージーな歌声で会場を埋めた観客の心をつかんだ。唯一無二の存在感はさすがという他ない。アンコールでは、いかにも忌野清志郎らしいブルージーなナンバーを大合唱して4時間に及ぶイベントの1日目は終了した。

5月31日(日)/2日目

2日目もユニークなコラボでイベントがスタートした。黒と白の対照的な衣装で登場した藤井フミヤと浜崎貴司(FLYING KIDS)が、忌野清志郎(RCサクセション)の「トランジスタ・ラジオ」をカバー。「清志郎さん、ありがとう~!」とのフミヤのコメントも印象的だった。続いて浜崎がピースフルなブルース・ナンバー「幸せであるように」を聴かせ、SEAMOのステージへとつなぐ。SEAMOは相変わらずのテンションの高いマイク・パフォーマンスを織り込みながら、大ヒットしたハートフルソング「マタアイマショ」などを熱唱した。「ピース!」との言葉とともにステージを降りたと同時に、登場したのが白いワンピース・ドレス姿の青山テルマだ。ブレイクするキッカケの曲であり、切なく、胸に染み入るラブバラードの「そばにいるね」「何度も」を歌い上げた。また、黄色い歓声とともにステージに上がった清水翔太は、情感豊かなボーカル表現力で存在感を充分にアピール。ともに、2曲ずつの披露にとどまったものの、観客の共感を得るパフォーマンスだった。意外に「緊張しています」とのコメントで再登場した藤井フミヤは、名刺代わりに大ヒットした珠玉のラブソング「TRUELOVE」を始め、計3曲を歌う。しなやかなダンスとともに繰り広げるステージで多くのファンの目と耳を惹き付けていた。

そして、この日2人目のシークレットゲストとして登場したのは、平井堅。その登場を知らされていない観客は大きな歓声で彼を迎える。「突然お邪魔してすみません(笑)」と恐縮しながらも、軽やかなポップナンバー「POP STAR」で一気にノリノリの空気を作るのはさすがだ。一転、リリースしたばかりのカバーアルバムから選んだという桑田佳祐の「白い恋人達」では、ロマンチックに歌い上げて観客を魅了していた。

休憩をはさんで登場したのは、一青窈。おなじみの「ハナミズキ」「もらい泣き」、大きな愛を歌った『はじめて』を情感たっぷりに歌い上げる。独特のオリエンンタル・テイストとともに独自の空気感を一気に作り上げていたステージだった。その後に小田和正がステージへ。最初に歌った曲「キラキラ」では、途中歌詞を忘れるというハプニングで会場を沸かしながら、ステージからアリーナへ降りて客席前を走るという元気なパフォーマンスも披露。持ち前のハイトーンボイスと美しいメロディを存分に聴かせていた。一青窈と佐藤竹善(SING LIKETALKING)とともにオフコース時代の「君住む街へ」、また3人目のシークレットゲストの松たか子とともに、忌野清志郎が作詞した「500マイル」を熱唱するなど、質の高いコラボも実現。キャリアに裏打ちされた余裕のステージが印象的だった。

続いてステージに残った松たか子は、歌手デビュー曲の「明日、春が来たら97-07」を披露した。スペシャルバンドのバンマスである佐橋佳幸との夫婦共演もさり気なくこなしつつ、透明感のある歌声で会場に爽やかな空気感をもたらしていた。

ラストに登場したSING LIKE TALKINGにも大きな拍手が巻き起こる。それもそのはず、実に5年半もメンバーのソロ活動に重点を置いていたため、バンドでステージに姿を現すのは久しぶりとなるからだ。会場からの「お帰り!」の言葉に応えるように、ワールド・ミュージックに根ざしたスケールの大きなサウンドを熱く披露する。彼らをリスペクトするというSEAMOとの共演もはさみ、健在ぶりを充分にアピールするステージで本編は終了した。

翌日に大学の試験を控える青山テルマを除く全員によるアンコールは、1日目と同様忌野清志郎の遺作「Oh! RADIO」。キャリアとジャンル、年代もさまざまとは言え、アーティストたちが素晴らしい音楽の力で結びつくことを実証した瞬間でもある。大きな拍手はなかなかやり止むことがなかった。

FM802 STILL20 SPECIAL LIVE<RADIO MAGIC>
5月30日(土)・31日(日)
@大阪城ホール
30日:絢香、いきものがかり、KAN、CHEMISTRY、斉藤和義、スキマスイッチ、福原美穂 ※シークレットゲスト 桑田佳祐、ユースケ・サンタマリア
31日:青山テルマ、小田和正、SEAMO、清水翔太、SING LIKE TALKING、一青窈、藤井フミヤ ※シークレットゲスト 浜崎貴司、平井堅、松たか子
「RADIO MAGIC」スペシャルバンド:佐橋佳幸(G)、Dr.kyOn(Key)、斎藤有太(Key)、渡辺等(B)、河村“ケースケ"智康(Dr)、本田雅人(Sax他)、佐々木久美(Cho)、渕上祥人(Cho)、大滝裕子(Cho)

5月30日(土)/1日目
・RADIO(JUDY AND MARY カバー)/吉岡聖恵+福原美穂
・気まぐれロマンティック/いきものがかり
・帰りたくなったよ/いきものがかり
・SAKURA/いきものがかり
・CHANGE/福原美穂
・LOVE ~winter song~/福原美穂
・So in Vain/CHEMISTRY
・北風(槇原敬之カバー)/CHEMISTRY
・約束の場所/CHEMISTRY
・You Go Your Way/CHEMISTRY
・HONKY JILL ~69(あいなめ)のブルース~/桑田佳祐
・悲しい色やね(上田正樹カバー)/桑田佳祐
・明日晴れるかな/桑田佳祐
・波乗りジョニー/桑田佳祐
・愛は勝つ/KAN
・まゆみ/KAN+スキマスイッチ
・世界で一番好きな人/KAN
・view/スキマスイッチ
・マリンスノウ/スキマスイッチ
・全力少年/スキマスイッチ+絢香
・おかえり/絢香
・三日月/絢香
・Peace loving people/絢香
・JUMP(忌野清志郎カバー)/斉藤和義
・やわらかな日/斉藤和義
・君の顔が好きだ/斉藤和義
・アゲハ/斉藤和義
・Oh! RADIO(FM802 2009年春のキャンペーンソング)/SESSION

5月31日(日)/2日目
・トランジスタ・ラジオ(RCサクセション カバー)/藤井フミヤ+浜崎貴司
・幸せであるように/浜崎貴司
・ルパン・ザ・ファイヤー/SEAMO
・マタアイマショウ/SEAMO
・CONTINUE/SEAMO
・そばにいるね/青山テルマ
・何度も/青山テルマ
・HOME/清水翔太
・アイシテル/清水翔太
・TRUE LOVE/藤井フミヤ
・ANOTHE ORION/藤井フミヤ
・タイムマシーン/藤井フミヤ
・POP STAR/平井堅
・白い恋人達(桑田佳祐カバー)/平井堅
・ハナミズキ/一青窈
・もらい泣き/一青窈
・はじめて/一青窈
・キラキラ/小田和正
・たしかなこと/小田和正
・君住む街へ/小田和正+一青窈+佐藤竹善
・500マイル(忌野清志郎訳詩バージョン カバー)/小田和正+松たか子
・明日、春が来たら97-07/松たか子
・SEASONS OF CHANGE/SING LIKE TALKING
・WITH YOU/SING LIKE TALKING+SEAMO
・SPIRIT OF LOVE/SING LIKE TALKING
・Oh! RADIO(FM802 2009年春のキャンペーンソング)/SESSION
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス