INORAN、自分を問い詰め続けた2008年を総括したライヴDVD『2008 Butterfly Effect+』リリース大特集

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INORAN ライヴDVD『2008 Butterfly Effect+』リリース大特集

INTERVIEW-01

──今回の作品はライヴ、ドキュメンタリー映像2枚がセットになっています。まずDISC 01は、昨年行なわれた<TOUR 2008 Butterfly Effect>のC.C.Lemon ホールでのライヴをパッケージしたもの。そしてDISC 02の映像の冒頭にギタリストとしてではなく、ミュージシャンとしてヴォーカリストをやってるという語りが入ってましたね。実は、2008年のツアーというのは、INORANさんのヴォーカリストとしての気合いをすごく感じたツアーだったんです。その部分がDISC 02の冒頭とリンクして、見ててびっくりしたんですよ。

INORAN:うんうんうんうん。じつはあの冒頭は2007年のツアーなんですよ。

──えぇ? そうなんですか?

INORAN:あそこだけね。あの1シーンだけ。自分で何を思いながら、何を考えて歩んでいくのか。歌に関して、ある方向に考え始めたきっかけの言葉だと思うんです。で、もちろん言っていただいたように、特に2008年の<BUTTERFLY EFECT>ツアーというのは、人の気持ちと声と歌に対して、何を自分が欲しがっているのか、求めているのかを明確にしたいなと思ってやってたツアーだったんです。だから、すごく実のあるツアーだったんです。自分が求めるものをずっと探してて。

──なるほど。映像でも伝わると思うんですけど、このツアーでは魂を歌に乗せるという部分で、歌への挑み方がこれまでとはまったく違った感じがしましたからね。

INORAN:そう言われるのはすごく嬉しいです。映像になってるライヴは、ホントに自分のなかでこの時点ではやりきった感があったので。それが映像に出てればいいなと思います。出ていれば…これ幸いです。

──これ幸いって(笑)。でも、それぐらい達成感があるライヴができたと。

INORAN:すごい“やったー!”っていう達成感はありました。それはこのツアーにかける意気込みというか、テーマが自分のなかに明確にあって。でも、そこには行けなかった。行けなかったんですが、できた。精一杯できた。自分では。そのテーマは言葉では言えないんですけど。歌に対する気持ちの部分なので、どう言葉にしていいかもわからない。でも、行けなかったというのは、否定的なものではなくて。そこは勘違いしてほしくはないんですけど、あくまでも個人的な主観のテーマなので。

──セットリストはアルバム『apocalypse』を真ん中においたものでしたね。ライヴ自体もあのアルバムの濃い世界観を打ち出したものになっていました。前回はもっと抜けた感じがあるものでしたけど、今回はアルバムの世界観にどっぷりナビゲートされていくような感触がありました。

INORAN:そうですね。まだ安堵の地にたどり着けてもいないし、安堵の地、約束の地がどこかにあるって明確にわかっているわけでもなく、探し続けてるところなので。だから、アルバムによっても今度はこういうことやろう、ああいうことやろうって変わっていくと思うし、それによってライヴも変わっていく。これから先もね。何か明確に行きたいところが“ここだ”っていうふうに、もし見つかったとしたら、そこに行くと思うけど。

──じゃあこのツアーも、あくまでも通過点ということですね。

INORAN:そうですね。だと思います。なぜならば、この後に、いきなり『Shadow』を出してること自体がね(笑)。

──Voiceless work album『Shadow』ですね。

INORAN:あれは、普段アルバム作るときにもインストが1~2曲入ってるんですけど、そういう曲も好きだったりするから。そういう曲がいろんなところで使われてたり、曲を提供してたりしたんで、そういう作品をちゃんとした一つの形にしたいなと思って。

──それをアルバムとしてリリースできちゃうってところがまたスゴい!

INORAN:そうですね。そこはホント、感謝してます。レコード会社に(笑)。

──でもあのアルバムも本当にINORANさんの音楽ワールドであって。歌もの、インスト、どちらも含めてINORANというアーティスト性が出せる。ここはINORANさんならではの部分だと思うんですよ。

INORAN:そうですね。自分もそうだと思います。

──歌があるものとないもの、創作活動に違いはあるんですか?

INORAN:過程に若干の違いがあるだけですね。歌があるものだと歌詞が増えて、歌も増えるからね。その代わり、インストは単純にそこから歌と歌詞が抜けたものかっていうと、そうじゃないから。それ(歌や歌詞)を補う“音”が入ってるから。そういった意味で、曲として成立するための全体的な量はまったく変わらないですよね。

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