LIVE MUSIC ism<MONTHLY LIVE #001>鹿野 淳レポ

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品川ステラボールにて、最高のキックオフパーティーを終えたLIVE MUSIC ismですが、いよいよSHIBUYA BOXXにて本編が開催されました。当日は天気もよく、代々木公園周辺はエコフェスも開かれ、とても華々しい中での開催となりましたが、ライヴ自体はシビアな一発勝負。繊細なサウンドを誇る3組とも、細かいチェックに余念が無いリハーサルに明け暮れていました。

記念すべきイベント本編の第1組は、まだ2009年の春にデビューしたばかりの5ピースバンド、のあのわ。ドラマチックなJポップ性と、オルタナティヴかつサイケデリックな洋楽性の両方を持っているのあのわだが、ライヴではそれぞれのメンバーのスキルの高さと、心の底から鳴らす音を自ら求める真摯な姿勢が独特のエモーショナルな空間を印象的なものでした。この日はメンバー曰く「普通にやると自分と向かい合い過ぎて、どうしても俯き加減になっちゃうから。3日前から前を向いたり、ジャンプの練習をして臨みました」なライヴは、努力が実ったおかげか、最初は様子見だったオーディエンスも段々と解放されていき、最後は大きな拍手と心からのエールによる大団円を迎えました。YUKIからフレイミングリップスまで、サンプラーからチェロまで、縦横無尽にポップとロックの間を駆け巡るのあのわ。是非、一聴を。

2組目は、箱庭ポップを10年以上にわたって極め続けるソロプロジェクト、HARCO。最近はピアノ1台による弾き語りツアーが続いていたが、この日は久しぶりにバンドセットでのものとなった。HARCOに加え、シンセ、ドラム&ベースによる4ピースセットは、小気味いいタイトなアンサンブルが目立つもので、まるでランチを食べるようにすんなり身体に入ってくる曲の表情がよりカラフルに響くものになりました。それにしても、あらためてHARCOの歌唱は素晴らしい。日本を代表する「ポケットミュージック」、つまりいつでもどこへでも連れて行けるカジュアルなポップである彼の名曲は、あの独特の“語りかけられているような、屈託のないヴォーカル”の成せる業なんだなあと、この日のライヴでもとても強く感じました。ギルバート・オサリバン、10cc、そして小沢健二…多くのシンガーソングライターの流れを受け、HARCOがこの日も水のように透き通った歌を奏でました。

さあ、ヘッドライナーは、活動再開後もマイペースで心地よい風を送り続けるホフディラン。デビューから13年を迎え、久しぶりのC.C.レモンホールでのライヴを7月3日に控えているホフディランは、この日だけのスペシャル・アコースティックセットでの出演となりました。最近はあまりやっていなかったスタイルですが、デビュー時などはこのセットで“渋谷系”の連中に混じって独特の“ユーモア&シニカル”なポップを演じてきたホフ。懐かしいプレシャスなセットを楽しみにしに来たファンを腹一杯にさせるライヴをかましてくれました。

フォーキーでありながら独特の毒を撒き散らし、脳をかき混ぜるようなIQロックを鳴らすホフ(そう、ボブディランからジョンレノン、そしてオルタナティヴロックの兵まで、ホフはロックのヒストリーを軽快につまみながら旅をしているんです)だが、何しろMCが上手い!オモロい!!アホになりそう!!! 天然の極みであるワタナベイビーと、知的不良であるアイディアマンの小宮山雄飛という、よくできたお笑いコンビ以上の爆笑を誘う掛け合いが、アコースティックセットだからこそよりクイックな反射神経によって開陳され、最後まで腹を抱えながらライヴを観るという展開が成されたのでした。

何かと慌てふためくイベントの初回ですが、地に足が着いたアクトのおかげで、肩肘がいっさい張らない、まるで“ロックのオフ会”のような雰囲気の中、終演しました。

さあ、次回は7月4日。再び土曜日のSHIBUYA BOXXにて開催されます。次回は怒髪天の増子さんと僕・鹿野が、まるで紅白歌合戦の中居くんと仲間さんのようにバトっては、お互いが力の限りプッシュするバンドにライヴしてもらうという得体の知れないスペシャルセット。出てくるバンドもロックの中のロックばかり、増子&鹿野もガチで迫真のトーク勝負を仕掛けるという、シナリオなしの1日、どうぞお楽しみあれ。

鹿野 淳(音楽雑誌MUSICA編集長)
MUSICA OFFICIAL SITE http://www.musica-net.jp/
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