カール・ウルフ、新作『ナイトライフ』を語る[前編]

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ドバイの狼、カール・ウルフが、以前にもまして灼熱の夏を携えて帰ってきた。7月15日にリリースとなる最新作『ナイトライフ』は、80'sを代表するフラッシュ・ダンス・ナンバーをカヴァーした「マニアック・マニアック」はもちろん、モロッコ人R&BプリンセスRIMEとラッパーKAZ MONEYをフィーチャリングした中毒性120%のサマーチューン「灼熱のヤラハ・ベイビー」を引っさげての登場だ。灼熱のジャパニーズ・ベイビーをまたクラクラさせるカール・ウルフ、熱い男に直撃インタヴューだ。

◆「灼熱のヤラハ・ベイビー」PV

──新作『ナイトライフ』の先行シングル「灼熱のヤラハ・ベイビー」は、夏を感じさせる曲ですが、この曲を作ろうと思った理由は?

カール・ウルフ:せっかくだから爽快な感じのサマー・スマッシュが書きたかったんだ。ちょうど今作のリリースが夏前になることはわかっていたし、シンプルに曲を作ろうと思って完成したのが「灼熱のヤラハ・ベイビー」さ。今回のアルバム・コンセプトのひとつとして、俺のルーツでもある中東のフレイヴァーを混ぜることだけは決めていたから、フィーチャリングのアーティストもあっさり決まったし、すぐにフックも浮かんだよ

──ドバイで撮影されたヴィデオ・クリップは、あなたがディレクションしたそうですが、そのアイディアはどんなものだったのですか?

カール:俺の視点からドバイをレペゼンしようというアイディアだったんだ。ドバイはここ数年いろんな形で世界中から注目を浴びているだろ? だからいろんなメディアやインターネットでドバイという国のイメージが良くも悪くも浮かび上がっていると思うんだ。でも、どれだけ世界から注目されようが、叩かれようが、俺にとっての故郷であることは一生変わらない。その故郷に俺は誇りを持っているんだよ。最初はドバイで育ったっていうことをマーケティングに使おうなんて考えていなかったけど、俺のアルバムが売れることでだんだんと認識されるようになったから、今後はもっと分かりやすく自分の故郷を打ち出していこうと思ったんだ。だって、いないだろ? そんなルーツを持ってるR&Bシンガーなんて。

──確かにあなたのアーティストとしてのアイデンティティに中東出身という事実は大きく作用していますが、いつ頃からそれを意識するようになったのですか?

カール:それはインターナショナルな成功を収めるまではあまり意識してなかったよ。自分の育った環境や影響されたものがどうしても反映される音楽ビジネスの中で、自分がいいと思って中東フレイヴァーなものを入れたり、逆にあえて入れなかったりしてきた。それがアーティストとして売れ始めて、メアリー・J・ブライジやエイコンみたいなアーティストと一緒にライヴをやるようになると、自然と自分の生い立ちやルーツがいい意味で武器になってくるんだ。例えばエイコンがドバイでライヴすることが決まったとしよう。だったらドバイで大人気のアーティストと一緒にやろうじゃないかって具合に相乗効果が生まれてマネージャーに連絡が来るだろ? だから、正直に言うと成功するようになって逆に自分のルーツの大切さやありがたさを周りから教わった感じかな。

◆インタヴュー後編に続く

インタビュー・文●吉橋和宏

『ナイトライフ』
2009年7月15日発売 TOCP-66900
1 YALLA HABIBI feat. RIME & KAZ MONEY / 灼熱のヤラハ・ベイビー
2 MANIAC MANIAC feat. CULTURE / マニアック・マニアック
3 80'S BABY / 80's・ベイビー
4 YOU FORGOT ABOUT ME feat. IMPOSS / ユー・フォガット・アバウト・ミー
5 NUMB / ナム
6 NIGHTLIFE / ナイトライフ
7 HURTING feat. SWAY / ハーティング
8 LOVE / ラヴ
9 NO WAY NOBODY feat. LOON / ノー・ウェイ・ノーバディ
10 GONE WITH THE WIND / ゴーン・ウィズ・ザ・ウィンド
11 I'LL WAIT / アイル・ウェイト
12 BESTFRIEND / ベストフレンド
13 JEALOUS / ジェラス
14 MY ETHNICITY / マイ・エスニシティ
15 CARRERA (Radio Edit 2009)/ カレーラ2009 *ボーナス・トラック
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