Psysalia Psysalis Psyche、狂気の作品誕生

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日本の政治が歴史的な変換期を迎えている2009年夏。日本のロックアートの世界でも、かつてないような刺激的で挑発的な作品が登場してきた。

2008年4月にリリースしたEP以来、実に1年ぶり、そしてバンド史上初となるシングル「Midunburi(ミドゥンブリ)」を8月5日に発表するPsysalia Psysalis Psyche(サイサリア・サイサリス・サイケ)。鋭角に切り込んでくる攻撃的なイントロで幕を開け、荒々しく文学的な歌詞を解き放つヴォーカルと、ロックの持つ奔放な存在感に満ち溢れたタイトルトラック「Midunburi」のミュージックビデオが、7月24日(金)に彼らのオフィシャル・サイトで公開となった。

今回この曲のミュージックビデオを手掛けたのが新進気鋭のフラワーアーティスト、東信(あずままこと)なのだ。アディダスとのジャージ&シューズとのコラボレーションを手がけたり、映画『さくらん』でのフラワー装飾を担当、文字通り作品に花を添え、TBSの情熱大陸にも出演し大きな反響を呼んでいる人物だ。

最近では雑誌「pen 7/15号 No.248」の表紙を飾るなど多方面から注目を集める彼が、サイサリの音楽を一聴して惚れ込み、映像制作のオファーを即座に快諾したのこと。そもそも映像作家でもなくビデオ・アーティストでもないフラワーアーティストの東信に、ビデオ撮影をお願いするバンド側もどうかしているが、それを快諾し映像作品を撮ってしまう東信も、普通の感覚ではない。

作品は、完全にお互いの完成のぶつかり合い、遠慮のない狂気が渦巻くサイケデリックなものだ。斬新なアレンジメントと色彩豊かな作風が持ち味である彼の作品にも通じる、このカラフルな暴発する狂気は、はかない美しさと、時間と共に目の前を過ぎ去っていく音楽という芸術性のはかなさを、えぐるかのように表現しているようだ。

色彩の嵐…花の鮮やかさに寒気すら感じる映像の緊張感は、まさしく映像と音楽のコラボレーションによって生まれたものなのだろう。花屋が爆竹で花を爆発させるサマは、ギタリストがギターを破壊するがごとき。

“ほとばしる”とはこのことである。

東信(あずままこと)
1976年福岡県生まれ。2002年より花屋を営み、東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年からはNYでの個展を皮切りに海外へも活動の幅を広げ、同年12月パリのセレクトショップ「コレット」のX'mas window displayをはじめ、パリのカルティエ現代美術財団の「ソワレ・ノマド」への招聘やドイツでの1ヶ月に及ぶ個展で6万人を集客したり、イタリアトリエンナーレ美術館でのイベントへ出展するなど、数々の成功を収めてきた。
東京に2年間限定のプライベートギャラリーを開設、個展の開催や各地で行なわれるイベントへ参加するなど国内での活動も精力的に行なっている。
東の全てにおける活動は、花・植物のみが有しているもっとも神秘的な形を見つけそれを美的なレベルに変換し表現する事で、植物の価値を高める事に一貫している。

◆Psysalia Psysalis Psycheオフィシャルサイト
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