FM802主催、日本最大級のフリー野外コンサート<MTWB>は奇跡の天候に大成功
◆FM802主催、日本最大級のフリー野外コンサート<MTWB>は奇跡の天候に大成功 ~写真編~
毎年豪華なアーティストたちが登場すること、事前応募による完全招待制ということですっかり関西の音楽ファンに定着。2009年も65万1,000通もの応募の中からプラチナチケットを手に入れた、7,000組1万4,000人が会場を埋め尽くした。気がかりだった天候は予報で高確率で雨とされており、実際開演数時間前には雨が降るという不安な状況だったものの、なんと開演直前には雲が多いにも関わらず雨はおろか陽が射すという奇跡が。
準備は万端。高まる期待の中コンサートがスタートした。
メインステージにあたるFUNKYステージのトップバッターで登場したのはスガシカオ。アッパーなファンキーナンバー「午後のパレード」で一気に会場はヒートアップする。本人のテンションも高く、「もう雨男とは呼ばせない!(笑)」と心の叫びを放ったり、大型水鉄砲で放水したりとテンションの高いステージで盛り上げた。
次に、サブステージにあたるHOTステージには、地元大阪出身の新鋭バンドのlego big morlが登場。初期衝動そのままの疾走感、アッパーなロックは爽快感を会場にもたらせてくれた。
一方、沖縄の潮風をそのまま再現してくれたステージを披露してくれたのが、HYだ。アッパーなナンバーから切ないバラードまで、ストリングス(弦)を織り交ぜながらの密度の濃いステージは、梅雨時ならではのジメジメした湿気を見事に忘れさせてくれた。
テンションの高さで見る者を引き込んだのがmonobright。トレードマークだったポロシャツ&眼鏡&ジーンズ姿を脱皮したことで、解放感に満ちたパフォーマンスが印象的。
「ドン!と行くぜ!」と連発した言葉通り、1曲入魂のステージを見せつけたのがエレファントカシマシ。まるでオーディエンスを睨みつけるような眼差しで歌う宮本浩次の姿は圧巻で、ヒットナンバー「今宵の月のように」「俺たちの明日」など、闘う男さながらのパフォーマンスに会場の目と耳は釘付けになる。
初々しさと堂々としたステージングで、HOTステージにたったのが阿部真央。パンチの効いたボーカルで綴られるフェエミンな歌世界で多くの歓声を浴びていた。
WORLD BEATというコンセプトを体現させてくれたのが、FM802と同い年のTHE BOOM。洋邦の音楽エッセンスを巧みに昇華させるサウンドは健在。もはや世界のスタンダードと言ってもいい「島唄」を始め、「風になりたい」など、おなじみの曲を会場一体となって大合唱したシーンはやはり見応え、聴き応えがあった。
頭にタオルを捲き、パーカッションとの2人というアコースティック・セットでステージに姿を現したのが山崎まさよし。ブルージーな世界観は実に情緒豊か。惜しくも他界した忌野清志郎を偲んで、RCサクセションの「トランジスタラジオ」「雨上がりの夜空に」という名曲を2曲選曲していたのが印象的だった。
優れたR&Bバラードの表現力をアピールしたのはJUJU。映画の主題歌となった大ヒットナンバー「明日がくるなら」ではゲストボーカルにJAY'EDを迎え、オリジナルスタイルで切ないラブバラードを歌い上げ、大きな拍手を浴びていた。
ここまで雨は降らなかったが、前日の雨の影響を受けてしまったのがSpitz。リハーサルができず、当日本番ステージ前に急遽公開リハーサルを行なうことに。非常に貴重な光景を目にすることができたのは会場にいたファンの特権と言えるだろう。いざ始まったステージでは、デビュー当時の懐かしい曲「ニノウデの世界」、ヒットした「涙がキラリ☆」など6曲を披露。持ち味のポップでファンタジックな世界観で盛り上げていた。
HOTステージの最後を飾ったのが、ROCK'A'TRENCH。一気に彼らの存在を知らしめた「My Sunshine」など、キャッチーなレゲエ、スカ経由のミクスチャーロックを展開。ノリノリのサウンドに会場がタオルや団扇を降って応えるシーンは壮観だった。
大トリに登場したのが、ゆず。彼らが登場する頃はもう夕刻。照明がきれいに映える中姿を現した彼らに大歓声が沸く。残念ながら我慢していた空からポツリと雨が…。カッパを身にまとったファンが目につく中、ステージは進行。バラエティに富んだ音楽エッセンス、旺盛なサービス精神が凝縮したステージに押されたのか、雨もいつの間にか止む。EXILEばりのウェーブ・ダンスを“いちごダンサーズ”(?)と繰り広げて盛り上げた。そして最後は、やはり代表曲のひとつ「夏色」。ライヴならではのロングバージョンに会場の興奮は一気にピークを迎え、彼らのステージは終了した。
コンサート最後のお楽しみは、出演者全員によるセッション。忌野清志郎がFM802にキャンペーンソングとして書き下ろした「Oh! RADIO」を会場一体となって大合唱。ブルージーで切ないメロディ、シンプルで共感性の高い歌詞世界という清志郎ならではの遺作であり、改めて音楽の素晴らしさを痛感させてくれる名曲だ。こうしてコンサートが終了。あれほど心配されていた雨も結局コンサート中はほとんど降らなかった。会場を埋めた1人1人が心地いい余韻を感じながら家路に着いたのは言うまでもない。
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