HEAD PHONES PRESIDENT、新しい物語がまた始まる

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2009年8月3日、SHIBUYA BOXX。21時。HEAD PHONES PRESIDENTの出番を待つ人が会場に集まる。黒い幕が上がる。そこには純白のスカートをはいたANZA。先行ダウンロードされている「Nowhere」のPVの衣装と同じだ。

7月のライヴでまるで舞台を見ているように感じた彼らのライヴ。今回はどんな物語が綴られるのだろうか? 前回の濃い紫の衣装から一転した今回の純白のたっぷりと広がったスカート。そんな彼女は、まるで何処かの国の姫だ。体を存分に反らして声を天に向ける。そして囁く。

ここからは私のイメージ。何処かの国の姫は、自分を探して城を抜け出した。そこで出会う音楽というエンターテインメント。新しい世界を知った彼女は、その音楽に陶酔していく。そして、最高の不良になって人々を挑発することを覚える。まるでそんなストーリーが頭を巡る。


ちらりと小指をなめる仕草。可憐に見せて裏切る。マリオネットのような動き。絶望からたくらみ。そして告白。熱にうなされているような表情。すべてがそのままの彼女であって、同時に演じられた彼女であるよう。

しばしの無音があり、ベースで再開する。それは城の鐘が彼女を捜して鳴っているようにも聞こえる。見つけられることを恐れるようにふるえる彼女。城には帰りたくない。自分を生きたいと体を使って表現する。

ドラムの音は、まるで町の祭りの歓迎の合図。彼女を受け入れた町。だけど、彼女は、ぶっきらぼうに「ありがとうございました」と言って町を去る。

しかし、数分後アンコールという言葉で、無邪気な表情になって帰ってきた。もう姫ではない。そこにいるのは一人の女だ。

そう、この日、新しい物語が生まれた。

2009年8月3日@SHIBUYA BOXX
1.New SE(新曲)
2.Nowhere(新曲)※先行ダウンロード曲
3.Desecrate(新曲)
4.CloudyFace(新曲)
5.I'll-treat
6.Light to Die
7.folie a deux
8.Remade(新曲)
アンコール
Endless Line

◆HEAD PHONES PRESIDENTオフィシャルサイト

[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
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