興奮と感動が詰まった『HOUSE NATION Aquamarine』── 最高でしょ?

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『HOUSE NATION』といえば、日本のクラブ・シーンをリードする最強コンピ・シリーズ。まさに“ベスト・オブ・ハウス”と言っても言い過ぎじゃないですね。僕は都内の<HOUSE NATION>のパーティーを見ているけど、クラブに入りきれないで外に大きな行列までできてしまう程の人気と、フロアーの盛りあがりは、『HOUSE NATION』=“ベスト・オブ・ハウス”が嘘ではない証明だと思います。

そんな『HOUSE NATION』の最新コンピだけに、8月5日発売の『HOUSE NATION Aquamarine』は、パーティーの興奮と感動がしっかり21曲につまっていました。POPなトラックや、アンセムなトラック、そしてHOUSEラヴァーな人も“オッ!”と喜ばせるトラックなどが、本当にバランスよくミックスされていることで、収録されている全21曲はどんなリスナーも飽きさせない絶妙な流れなんです。

◆記事に出てきた『HOUSE NATION Aquamarine』収録曲の全試聴

“OH!”と女性ボーカルの掛け声で始まるのは『HOUSE NATION Aquamarine』の1曲目、「Under The Sun (Herve's Ain't No Sunshine Mix)」。この女性ヴォーカルとエレクトロなベースライン、そして中盤から展開されるピアノリフは、リスナーのテンションを強制的にクラブのピークタイムにしてくれるアゲっぷり。この1曲目から、4曲目のHOUSEの大アンセムな「Needin' U [I Needed U] (HOUSE NATION Mix)」までの流れは、クラブのDJ達にへヴィープレイされているトラックで構成されていると思います。3曲目の「I Love Rock 'N' Roll (Extended Mix)」なんて、“え、このトラック、もうCDで出てくるの?”と思うくらい最近のパーティーでかかっていました。そしてHOUSEの大アンセム「Needin' U」で、出だしの流れのピークを迎えて、次はどんなミックスに展開してゆくのか? 少しブレイクさせてお休みモードの流れなのか?と思いきや、次にもキラーチューンが用意されていました。

5曲目は「Garden (CLASSIC HOUSE ANTHEM)」への展開。May J.がカヴァーしてヒットを飛ばした「Garden」が、美・ストリングスと、美・ピアノが印象的なリミックスとして、“プレシャス”なトラックに仕上がっています。6曲目はVAN HALENの「Jump」がそのままHOUSEチューンされた、「Jump (Formentera's Cool Summer Mix)」。出音の有名なフレーズは、ドラマの主題歌として耳にしていた方も多いと思うので、記憶に新しいと思います。この「Jump」のHOUSEチューンは今までにも他のリミックスがいくつか出ていて、そのたびに“やっぱ、いいなぁ”って思いますね。

続く7曲目の「Plastic Lover (Club Mix)」はエレクトロなベースラインと空間的に広がるMAKI GOTOのヴォーカルがうまくまとまったトラックに仕上がっています。ここの5曲目から7曲目はポップなつながりで、出だしの流れとは異なる<HOUSE NATION>の幅広さが感じられます。

8曲目、Deborah Coxをヴォーカルに起用した「Leave The World Behind (Original Mix)」からはまた一転して、グッと“夜中のクラブ”とでも言いますか、この流れのミックスをフロアで聴いたら、どんなに疲れていようが、どんなに酔っ払っていようが踊り続けてしまうかも知れません。特に9曲目の「Magick Lantern Cycle (SUGIURUMN Extended Vocal)」は、聴いているだけで身体が動いてきてしまいます。このトラックのDJ、SUGIURUMN(スギウラム)をまだご存知でない方がいるなら、日本が世界に誇るDJの一人だと覚えてほしいですね。SUGIURUMNのプロデュースするトラックは、世界中のレーベルの注目を集め、世界中のDJたちがクラブでプレイしているのです。常に新しくてカッコいい音を作り出してくれるので、これからも注目です。10曲目の「Show Me Love (Extended Mix)」も、いったい何人ものDJがプレイしたトラックなのか想像もつきません。印象的なループにどんどんハマって行ってしまうんです。

中盤の出だしは、前半ほど曲がブロックごとでまとまっている感じではなくて、同じテンションの中で曲調がめまぐるしく変わってゆく感じです。11曲目「V.I.P.P. (Very Important Party People) feat. TRF & VERBAL(m-flo)」から、「Piano Mano (Original Mix)」、そして「Lala Song (Tocadisco Remix)」での流れは、アッパーな雰囲気が共通していて、こんなにもジャンルが異なっているのに自然な流れで聴けるのは、きっとジャンルを超えた“温度”とか“雰囲気”の共通性によるもの。

そして14曲目の「Kids (Soulwax Remix)」あたりから後半に入っては、徐々にアッパー感を抑えてゆく流れになっています。アッパー感が抑えられるといっても、物足りなさはなく、キャッチーで、とてもキレイなトラックが続いてゆきますね。これはコンピの最後に向けてゆっくりと夕日が沈んでゆくかのような構成です。特に17曲目の「Kiss Kiss Kiss (Extended Version)」は、DJとしても活躍している鈴木亜美ことAmi Suzukiが歌う哀愁サウンドのエレクトロ。窓際で夏の夜風に吹かれているような、静かで心地いいトラックでした。

そしてこの美しい流れに絶対欠かせなかったサウンド、19曲目のMarie Digbyの歌う「Avalanche (DAISHI DANCE Remix)」は、原曲のシットリした感じもステキだけれども、DAISHI DANCE remixの世界と相まって、まったく異なる輝きを放っています。DAISHI DANCEの「Avalanche」にウットリしながら収録曲リストを見てみると、なんと次の20曲目はDaft Punkの「One More Time (MITOMI TOKOTO Big Summer Remix)」。正直、この流れの中で「One More Time」はどうなの? と思ってしまった自分が恥ずかしい。シンセのリフはとても空間的で、どこまでも広がって行くかのような開放感のある、これまで聴いてきた「One More Time」とは異なるspecialな「One More Time」です、敬服、敬服。ラストの21曲目「Music Matters feat. Cass Fox (Axwell Remix)」は、前のトラックの空間的な音を引き継ぎながら、ラストトラックとして“Aquamarine”の美を十分に伝えるミックスだったのだと感じます。

全21曲のミックスを聴き終わって、『HOUSE NATION』のコンピとしてのクオリティの高さに感動しつつ、また“パーティーに行きたい病”を発病させてしまいました。これを読む皆さんにぜひ想像してほしいのです。このようにすばらしいミックスがクラブの音響とミラーボールの光で楽しめる。しかも大勢の“楽しさ”を求めて来る同じクラバーと一緒にね。最高でしょ?

●text by DJ JOSE

◆iTunes Store 『HOUSE NATION Aquamarine』(※iTunesが開きます)
◆HOUSE NATIONオフィシャルサイト

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