人気少女コミック「坂道のアポロン」に、本格的モダン・ジャズ

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2008年末、宝島社が発行するマンガ紹介ムック「このマンガがすごい!2009」(オンナ編)で1位を獲得し、いま人気急上昇中のコミックが「坂道のアポロン」。1966年の九州を舞台にひ弱なインテリ・薫と札付きの悪・千太郎が織り成す直球青春物語だ。

物語の中にはピアニスト薫とドラマー千太郎を中心としたジャズの演奏シーンや、アート・ブレイキーやチェット・ベイカー、ビル・エヴァンスといった実在のミュージシャンの名前や曲名が登場する。ロックやクラシックを題材にした少女まんがは過去にあったが、モダン・ジャズを扱ったものはなかなか他に例を見ない。

この「坂道のアポロン」のオリジナル・サウンドトラックが9月16日に発売となる。アルバム・ジャケットは作者・小玉ユキによる描き下ろし。収録楽曲も小玉ユキ自ら選曲、「テーマ曲といってしまいたいくらい重要な曲」というアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」をはじめ、チェット・ベイカー「バット・ノット・フォー・ミー」、ジョン・コルトレーン「ブルー・トレイン」などモダン・ジャズの時代を築いた巨人たちの名演を収録。その上で、クオシモードが当サントラのために「いつか王子様が」「マイ・フェイヴァリット・シングス」の2曲を新録音し参加していることも大きなポイントのひとつ。

「このCDに入っている名演の数々を聴きながらまんがを読んで頂けたら、最高に幸せです。また、ジャズに興味のなかった方や、何から聴いていいかわからなかった方にも、入門編として楽しんで頂けるといいなと思っています。」──小玉ユキ

サントラの発売より一足先に、作中に登場する楽曲「モーニン」のスペシャルビデオクリップの配信が、レコチョク、モバえみ他携帯着うた(R)配信主要サイトにて8月10日から開始となった。このビデオクリップでは、イメージ画像としてまんがのイラストが使用されている従来のビデオクリップとは違い、ケータイコミックで楽しむように原作の内容が音楽と共にコマ送りで楽しめるというもの。「坂道のアポロン」の秀逸なダイジェスト版とも言える出来に仕上がっているので、是非ともチェックいただきたい。

薫や千太郎たちが聴いた音・奏でた曲を、サントラで実際の音として聴いてコミックを読むと、『坂道のアポロン』の世界にリアリティと親密度が格段に増し、さらに楽しむことができるだろう。なかなかモダン・ジャズに接する機会が少ない中で、この作品の存在意義は、思いのほか大きなものと言えそうだ。

『坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック』
2009年9月16日発売
TOCJ-66523 1,800円(税込)
1. モーニン/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
2. ブローイン・ザ・ブルース・アウェイホレス・シルヴァー
3. いつか王子様が/quasimode ※新録音
4. チュニジアの夜/アート・ブレイキー
5. バット・ノット・フォー・ミー/チェット・ベイカー
6. アス・スリー/ホレス・パーラン
7. ラヴ・フォー・セール/キャノンボール・アダレイ
8. イージー・トゥ・ラヴ/サラ・ヴォーン
9. マイ・フェイヴァリット・シングス/quasimode ※新録音
10. バグス・グルーヴ/ミルト・ジャクソン
11. ブルー・トレイン/ジョン・コルトレーン
12. マイ・ファニー・ヴァレンタイン/ビル・エヴァンス&ジム・ホール

◆EMIミュージック・ジャパンSoundTown Jazzウェブサイト
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