レディオヘッド、ブラー、共有ファイル違法化に反対

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レディオヘッド、ブラー、ピンク・フロイドのメンバーらが、共有ファイルから音楽を違法ダウンロードする人々のインターネット・コネクションを遮断すべきだとする英政府の法案に反対の姿勢を表明した。

ミュージシャンの利害を代表する団体Featured Artists Coalition(FAC)のメンバーである、レディオヘッドのエド・オブライエン、ブラーのデイヴ・ロウントゥリー、ピンク・フロイドのニック・メイソンらは、共有ファイルは確かにレコードのセールスにダメージを与えているが、コンサート・チケットやマーチャンダイズの売れ行きを促進していると考えている。

オブライエンは『Times』紙にこう話している。「僕らの世代は、音楽に対して金を払うという観点を持って育った。どの世代もそれぞれ違う考えを持っている。共有ファイルはサンプラーや友人の持つ音楽をダビングするようなものだ。それで“これいいな、アルバム買うよ”とか“コンサート行ってみよう”ってことになる。新しい行動パターンが誕生しているところなんだ」

またデイヴ・ロウントゥリーは、共有ファイルに携わる人々のインターネット・アカウントを差止めしようとするピーター・マンデルソン・ビジネス・イノベーション技能大臣の提案は功をなさないと話している。「マンデルソンが推せば問題が解決するなんてエマージェンシー・ボタンできると思う? いたちの追いかけごっこになるだけだ。阻止する方法を見つけた途端、それを回避する新しい方法が出てくる。いまの状態を受け入れるしかない。僕らは、みんなが合法的にそれ(ダウンロード)をするよう導かなきゃいけない。でも、もっと軽いタッチでだ」

ニック・メイソンも同意見だ。「僕らが最もやりたくないことは、ファンとの戦争だ。共有ファイルっていうのは、僕らにとって新しい世代のファンを意味する。僕らの音楽を新発見する世代がいるのはいいことだ。共有ファイルは、その役割を担っている。この世代はほかの方法なんか使わないんだから」

彼らが属するFACは、このような強硬手段ではなく、人々が合法的に音楽を手にするよう奨励する新しいビジネス・モデルを助成すべきだと政府に提案している。その具体例はまだ模索中のようだ。

2008年の統計だと、UKでは年間600万人がファイルを違法ダウンロードしていると推測されていた。彼らのインターネット・コネクションを遮断すべきだという案は、2008年2月から持ち上がっている。

Ako Suzuki, London
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