ピーター・バラカンが語る、海賊ラジオと『パイレーツ・ロック』

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10月24日(土)より全国公開となった映画『パイレーツ・ロック』。本作の公開を記念して、ルミネマン渋谷にて、ピーター・バラカンによるDJ&トークイベントが行なわれた。

◆ピーター・バラカンが語る、海賊ラジオと『パイレーツ・ロック』 ~写真編~

~ロック黄金時代を熱く語る~と題されたこのイベントでは、ピーター・バラカンが『パイレーツ・ロック』の舞台となる1966~67年の音楽を中心にかけながら、『パイレーツ・ロック』のモデルとなった、当時の海賊ラジオの魅力について語った。

ピーター・バラカンによれば、「今でこそロック・ミュージックと呼ばれるのは、あまりに当たり前すぎて誰も疑問にも思わないかもしれないが、60年代にザ・ビートルズが生まれた頃は、まだロックとは呼ばれておらず、“ポップ・ミュージック”と言われていました」とのこと。

「イギリスで海賊ラジオが始まったのは1963年。それまでは、民放放送は全くなく国営放送のBBC(英国放送協会)だけでした。このBBCという組織は堅苦しく、また、ラジオでレコードばかりかかるとミュージシャンの仕事がなくなるということで、(ミュージシャンの)組合が放送局に対して規制を強いていたのです。でも若者たちのレコードを聴きたいという欲求が高まります。そして、欲求があるところにサービスが生まれました。1963年、レイディオ・キャロラインがイギリスの法律の及ばない国際海域のオンボロ船の上で開局されました。その後に、レイディオ・ロンドンという海賊ラジオも誕生します」と当時の状況を解説。

「レイディオ・ロンドンでの最後の放送日は、イギリス国民皆がラジオに耳を傾けながら涙したものです。その後、まさかBBCでレイディオ・ロンドンのDJたちが番組を持つとは思ってもいなかったから、その時は人生も終わりだと思いました」と貴重なエピソードも披露、ピーター・バラカンの贈る音楽と楽しいトークに、会場に居た観客も酔いしれ、あっというまの2時間を過ごすことになった。

(C)kohei

映画『パイレーツ・ロック』
スウィッチを入れたら 君はもうひとりじゃない。1966年、イギリス。皆が聞きたいのは、ポピュラー音楽。BBCラジオが流すのは1日45分。そんな中、船の上から24時間ロックをかける、ゴキゲンな海賊ラジオが現れた!信じてくれ。それでも名曲は書き継がれ、歌い継がれていく。それらの曲が世界に奇跡を起こすと。
このビート(鼓動)が聞こえるか?時代のニーズから誕生した、海賊DJたちの真実の物語。
1966年、ローリング・ストーンズ、ビートルズ、キンクス、フー…ブリティッシュ・ロックが絶頂期だった頃、イギリスでは民放ラジオ局が認可されていなかった。BBCラジオが流すのはクラシックやジャズばかり。ポップ・ミュージックの放送は1日45分間に制限されていた。“もっと聴きたい。もっと聴かせたい"そこで北海に飛び出し、イギリスの法律が適応されなくなる距離まで沖合に出て、停泊した船の上から放送する海賊ラジオ局が生まれた。国民の大半を熱狂させたこのラジオ局は1日24時間ロックをかき鳴らしていた。
カリスマDJ“ザ・カウント(伯爵)”には、「カポーティ」のオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン。ラジオ局のドンには「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのビル・ナイ、大臣役には「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のケネス・ブラナーと演技派が結集。さらに「ノッティングヒルの恋人」のリス・エヴァンスに加え、トム・スターリッジ、トム・ウィズダムといったイケメン若手俳優の演技も必見。

監督:リチャード・カーティス
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ、リス・エヴァンス、ニック・フロスト、ケネス、ブラナー
2009年/イギリス映画/カラー/シネスコ
上映時間:2時間15分
配給:東宝東和
◆『パイレーツ・ロック』オフィシャルサイト
(C)2009 Universal Studios. All Rights Reserved.
2009年10月24日(土) TOHOシネマズ六本木ヒルズ、みゆき座ほか全国ロードショー
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