QUEEN、ベスト盤発売記念BARKS独占インタビューを公開

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メンバー自らが選曲した1CDベスト・アルバム『伝説のチャンピオン ~アブソリュート・グレイテスト~』が11月11日に発売。また、フレディ・マーキュリーの命日である2009年11月24日に、東京新宿バルト9&大阪梅田ブルク7において1回限りの<伝説のチャンピオン・スペシャル・メモリアル・イベント>が併せて開催されることとなったQUEEN。

このベストアルバムのリリースを受けて、11月6日にロンドンにてドラマーのロジャー・テイラーにインタビューを行うことができた。ベストアルバムの選曲のこと、今の心境、フレディの思い出、そして今後のことを赤裸々に語ってくれている。ファンには興味深い内容になっているはずだ。その内容をお伝えする。

◆QUEEN、ベスト盤発売記念BARKS独占インタビューを公開~写真編~

<ロジャー・テイラー インタビュー 2009年11月6日 ロンドンにて>

──過去にもベスト盤を出していますが、今回のベスト・アルバムの意図は?

ロジャー・テイラー(以下、ロジャー):過去に出した3枚のグレイテスト・ヒッツの中からさらに選びぬいた大ヒットを1枚に集めたものなんだ。凝縮ヴァージョンだね。でも凝縮するのは難しかった。凄く客観的にならなければならなかったから。人によってどっちがより大ヒットだったか、という判断も違っていてね。選曲はかなり大変だった。

──自分の好き嫌いはあまり関係なかった?

ロジャー:最もポピュラーな曲というのを選んだだけ。それにしたって入れられない曲があった。例えば「バイシクル・レース」「ファット・ボトムド・ガールズ」「イニュエンドゥ」とかね、大ヒットだったにもかかわず。20曲という制限があったから、入れられない曲は沢山あった。

──今回は未発表曲やボーナス・トラックが入っていないですね。それはこれまでのベスト盤に入っていてすでにファンは持っているから?

ロジャー:それもあるね。ただジャケットの写真は面白いと思った。というのもあの写真は、最近見つかった、ほとんど使用していないものなんだ。凄く古いフォト・セッションのもので、レコード1枚しか出していなくて、ヒットも全くなかった時代のものさ。

──未発表の素材というのはまだあるのですか?

ロジャー:もう殆どないね。あるとしたら良くない曲で、リリースしたくないものくらいだろうね。このベスト盤は特に何か新しいもの、という風には考えていないんだ。短い凝縮されたベスト盤さ。特別な意図がないという点では、僕らのシングルに対する考えかたも常にそうだったね。シングルにしよう、というつもりで書いた曲はなかった。どれもアルバムを作った後から、どれをシングルにしようか考えたわけで。シングルを意図した曲はなかった。例外と言えばデヴィット・ボウイと一緒にやった「アンダー・プレッシャー」くらいかな。

──2008年ポール・ロジャースとアルバムを作りツアーをやったわけですが、また一緒にやる予定は? 今後のクイーンとしての計画は?

ロジャー:ブライアンと僕がクイーンの残されたメンバーとしてやっていくつもりだ。ブライアンと僕は常に連絡をとりあっていて、来週またエディンバラで一緒にライブをやるんだ。新たにオープンする『ロック・ユー』のために。ポールとの章には終止符が打たれたと思う。ポールは大好きだし、声も大好きだし、偉大なロック・シンガーの一人だと思う。彼との共作は素晴らしかった。まったく後悔はないし、良いことしか言えない。

──ポールとライブを初めて一緒にやったときの感想は? 緊張しましたか?

ロジャー:確かにね。ポールは気難しいっていう評判だったからね。でも実際にはとても魅力的な人物で。でも一緒にツアーしてみて、バンドという形ではやれなかった。常にクイーン+ポール・ロジャースだった。僕とブライアンの場合、バンドのメンタリティーがあるからね。ツアーをやっていても、一緒のユニットとして行動する。一緒に食事したり話したり。ポールは滅多にそうすることがなく、僧侶みたいな生活をしていた(笑)。彼はグレイト・ガイだし友達として尊敬しているよ。

──次のアルバムは、よきミュージシャン兼シンガーでチーム・プレイヤーを探している?

ロジャー:いいや、メンバー探しはしていない。パーマネントな形での。面白そうなプロジェクトがやれそうな人は求めているが。

──フレディーの死後、ライブやプロモ・ビデオなどで、彼の入っている映像を見るのはつらいですか?

ロジャー:そんなことはない。すっかり慣れたから。確かに彼の死後5年ほどはつらくて、見たくなかった。ブライアンの言葉を借りれば、フレディーは今でも僕らの中で生きているんだ。彼が生きていたら、どう言っただろう、ってわかるんだ。それは長いあいだ一緒にバンドをやってきた仲間だから。今では彼の死を受け入れ、彼の生前の映像を見られるようになった。BBCがこの前クイーンの1975年のクリスマス・イブのハマースミス・オデオンでのライブを放送したんだが、そこに映ったフレディーや彼の声質やステージでのコメントやジョーク、それを見て奇妙な気分がした。自分たちのライブ映像はずっと長いあいだ見ていなかったし、あの時のことをすっかり忘れていたんだ。見ていたらフレディーの生きていたころの仕草やクセやいろんな思い出が湧き出てきたんだ。とにかくあの映像は古いからね。彼のパーソナリティが一番輝いていたのは、観客に話しかけたときだったと思う。彼の会話はすごく面白かったんだ。

──初期のころ世界に先駆け日本で人気が先行しましたが、初期のアイドル人気をどう振り返りますか?

ロジャー:僕らの一瞬のアイドル・バンド時代! ファンタスティックだった。フレディーは日本にぞっこんでね。何度も何度も日本に買い物ツアーに行っていたよ。僕にとっても最初の2回のツアーは素晴らしい思い出だよ。まるでビートルズになったみたいで、クレイジーだったな。

──クイーンの前身であるスマイルとして活動してから現在まで、音楽生活が約40年経過したわけですが、ここまで続くと思いましたか? 不思議な気持ちですか?

ロジャー:そうだね。自分の歳が時に信じられないんだよ。気持ち的には34歳くらいにしか感じてないから。「自分がこんな歳だったっけ?」って思うんだ。いったいどうなったのかな、なんて。今ここでまだ自分のバンドについて話せるなんて幸せだよね。また人々が今だにクイーンを聴いてくれていることを誇りに思っている。世界中でミュージカルが上演されていて、ロンドンでは8年も続いている。想像もしていなかったよ。

取材・文●高野裕子  Yuko Takano
提供●EMIミュージック・ジャパン

『伝説のチャンピオン ~アブソリュート・グレイテスト』
2009年11月11日 日本先行発売
TOCP-70810 初回限定スペシャルプライス 1,980円(税込)
1.ウィ・ウィル・ロック・ユー
2.伝説のチャンピオン
3.Radio Ga Ga
4.地獄へ道連れ
5.アイ・ウォント・イット・オール
6.愛という名の欲望
7.カインド・オブ・マジック
8.アンダー・プレッシャー
9.ワン・ヴィジョン~ひとつだけの世界
10.マイ・ベスト・フレンド
11.ドント・ストップ・ミー・ナウ
12.キラー・クイーンー
13.輝ける日々
14.リヴ・フォーエヴァー
15.輝ける7つの海
16.ヘヴン・フォー・エヴリワン
17.サムバディ・トゥ・ラヴ
18.ブレイク・フリー
19.ショー・マスト・ゴー・オン
20.ボヘミアン・ラプソディ

◆Queen Rock Montrealサイト
◆QUEENオフィシャルサイト
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