気色悪すぎる名曲「三つで五百円~望郷編~」が、3ヵ月間もチャートを席巻

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想像をはるかに超えた気色の悪い歌が、レコチョクのチャートや有線のチャート上位にランクインし続けるという奇怪な状況になっているのをご存じだろうか。

その曲とは、長渕剛のモノマネでおなじみのタレント、英二が、芸名を“英二郎”に改めて歌う「三つで五百円~望郷編~」(2009年8月19日リリース)。これまでに「有線リクエスト総合チャート」「有線歌謡曲チャート」「有線演歌チャート」「レコチョク演歌・歌謡曲 9月度月間ランキング」「レコチョク演歌・歌謡曲 10月度 月間ランキング」「レコチョク演歌・歌謡曲 週間ランク」「レコチョク演歌・歌謡曲 デイリーランク」で1位を獲得している。

◆英二郎、「三つで五百円~望郷編~」の画像

この曲のオリジナルは、作詞が山田孝雄で、作曲がむつひろしという、さくらと一郎の大ヒット曲「昭和枯れすゝき」と同じコンビが制作。昭和50年に関西の芸人・西条ロックの歌によって発売された。ところが、歌詞の中に放送禁止用語が入っていたため、リリースと同時に民放連より「要注意歌謡曲」の指定を受け、TVやラジオなど、メディアで流されることはなく、もちろんレコードの売り上げも低迷した。ただ、この曲、あまりにも強烈なインパクトを持っていたこともあり、“隠れた名曲”として、カラオケでは根強い人気を獲得。さらに誰かが歌っていたこの曲を聴いた人や、熱烈なファンが口コミなどで他の人に伝えるなどじわじわと浸透。加えてインターネットの発達によって、曲についての情報が一気に広まった。

英二郎 版の「三つで五百円~望郷編~」は、オリジナルの歌詞から不適格な言葉を変更(具体的には「あんま」を「肩もみ」に)し、再レコーディングしてリリースした。長渕剛の言い回しをほのかに感じさせるような英二郎の歌い方で、<三つで五百円で御座います / いかがで御座いましょうか>と、乳飲み子を持つ場末の流しが“3曲五百円”を懇願する作品。その雰囲気など、曲全体に立ちこめる空気感は、なんだかとてもリアルすぎて耳にこびりついて離れず、正直なところ、とても気色が悪い(もちろん褒め言葉である)。

ちなみにこの曲、リリースから3ヵ月経過した11月18日の「レコチョク 演歌/歌謡曲・うたランキング」でも、エイト・オクロックスの「8時だよ!全員集合オープニング・テーマ」や稲垣潤一&広瀬香美の「クリスマスキャロルの頃には」などを抑えて1位を獲得。現在、熱狂的なファン以外からも確実に需要がある模様だ。

100年に一度の大不況が襲った2009年。この年末、みんなハッピーになるクリスマスやニューイヤーを前に、あえてこんな自虐的で、悲惨で、薄気味悪い空気漂う歌「三つで五百円~望郷編~」に手を出してみてはいかがだろうか。

【英二郎「三つで五百円~望郷編~」チャート動向】
◆有線チャート
・最高位は、8/26付けチャート1位(演歌チャート/歌謡曲チャート)
・11/11付け 有線演歌チャート 8位、連続15週チャートイン(現在更新中)

◆レコチョク
・9月度、10月度着うた(R)1位(歌謡曲部門)
・デイリーチャート ずっと1位(歌謡曲部門)

◆シングル「三つで五百円~望郷編~/男なら~平成節~」のCD情報
◆ウェブクウ(レーベルオフィシャルサイト)
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