「再臨、そして新たなる覚醒」DEAD END、SHIBUYA-AX速報
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最新アルバムと同様に「摩天楼ゲーム」で幕を開けたステージ序盤では、まずは同作からの楽曲を連発。しかしMORRIE(Vo)の「こいつを聴いて、死んでくれる?」という言葉とともに「Frenzy」(1987年発表のインディーズ作品『DEAD LINE』収録曲)が炸裂すると、場内の熱はさらに上昇。以降は新旧の楽曲を織り交ぜながらのプログラムが、圧倒的な密度とスピード感をもって展開された。
“CRAZY”COOL-JOE(B)とYOU(G)をステージの左右に配したステージ後方で、今回バンド・サウンドの底辺を支えていたのは、真矢(Ds:LUNA SEA)。『METAMORPHOSIS』でプレイしているMINATOは残念ながら不参加となったが、骨太でしかも緊張感溢れる彼らの演奏は、まさに4ピース・バンドの究極形ともいうべきもの。変幻自在の歌声をも含めた4つの構成要素の魅力が最大限に発揮されている代わりに、余分な音がひとつも存在しないという見事さには、唸らされずにはいられなかった。
ライヴは熱気を冷ますことも緊張感を途切れさすこともないままに進行し、予定外の3度目のアンコールで「The Awakening」が披露された頃には、開演からすでに2時間20分近くが経過していた。“再臨”をキーワードとした今回の公演を締め括った楽曲が、“目覚め”を意味するタイトルが冠されたこの楽曲だったことが、何かを暗示していた気がする。
余談になるが、『METAMORPHOSIS』と同時に発売を迎えた『DEAD LINE』、『GHOST OF ROMANCE』、『shambara』といった旧作群のリマスター盤も、リイシュー作品としては異例の反響を呼んでおり、発売当日のオリコンによるデイリー・チャートでは、最新作を含めた全4タイトルがすべてトップ30圏内にランクされるという快挙も。アンコール時、MORRIEはオーディエンスに「20年前に観てる人は? 初めて観る人は?」と問いかけていたが、それに対する客席の反応を見るかぎり、双方の割合は半々といったところだった。
古くからのファンの中毒症状を持続させたまま、新たなファン層にも確実に訴えかけているDEAD END。終演後、関係者たちに向けての挨拶のなかで、MORRIEは「DEAD ENDは死ぬまで存続する」という意味深長な発言をしていたが、果たして“再臨”の先にはどのような筋書きが用意されているのか? これからもその動向には目が離せないところである。
文●増田勇一
写真●畔柳ユキ
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