パンク・カバー・ブーム再燃

スコット・マーフィーやアンドリューWKのヒットでひとつのジャンルを創り上げたパンク・カバー。その元祖とも云うべきPUNK IT!シリーズの最新作『PUNK IT! MAX!』が話題となっている。クリスマス・パーティあたりでも最高のBGMになるであろうパンク・カバー・コンピが、ヒット・チャートに関係ないところでヒットとなっているのだ。
PUNK IT!を紐解けば2003年、「We Are The World / USA For Africa」のカバーがCDショップではなくヴィレッジヴァンガードを起点に大ヒット。CDショップではないためにオリコンチャートにはランクインすることもなく、知る人ぞ知るヒットとなっていた。人気となる要素はいくつもあった。
(1)誰でも知っているヒット曲をカバー。それも普通のバージョンではなく意表をつくパンク・アレンジで再現。サウンド・オブ・サイレンス(サイモン&ガーファンクル)/雨をみたかい(CCR)/ラジオ・スターの悲劇 (バグルス)/今夜はビート・イット(マイケル・ジャクソン)/素直になれなくて(シカゴ)…
(2)店舗では徹底した店頭演奏を実施リスニング・ポストも数多く設置、盛り上げに一役買っていた。
(3)参加アーティストはアメリカ、イギリスを始めとしてスウェーデン、ドイツからも参加。様々なアーティストが参加することにより、バラエティに富んだアレンジ、その奇抜さと面白さが抜群の出来栄えを生み出していた。
(4)ジャケットのユニークさ。最新作『PUNK IT! MAX!』では2010年の干支にちなんでキュートなタイガーが採用されているが、前作ではパンク・イメージにピッタリなネコがデザインされていた。PUNK IT!レギュラー盤の迷彩柄とともに店頭で目をひくデザインは、ジャケットに惹かれて購買する「ジャケ買い」の復活とも評価された。
そんな中、レコチョクにおいても『PUNK IT!MAX!』の発売に合わせて、punk cover特集が公開。ここのところ何かと話題が多いエアロスミスの「ミス・ア・シング(アルマゲドンのテーマ)」やビートルズの楽曲などはオリジナル曲の配信がされていないこともあってか、非常に好調にダウンロード数を伸ばしている状況だ。関係者は「カバーでそのオリジナルの良さを再認識しているのはないか」と分析している。
PUNK IT!シリーズでは番外編として、「なごり雪」や「Say Yes」など邦楽曲をすべて英語詞でパンク・カバーする『PUNK IT! TOKYO!』も登場。2010年にはその第2弾も企画されており、更なる大きなムーブメントに成長する可能性を秘めている。
◆iTunes Store 『PUNK IT! MAX!』(※iTunesが開きます)
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