BARKS編集長004「ELTいっくん、その高品質サウンドの秘密を暴く」

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ギターサウンドに魅せられて早やウン十年。たくさんのギターサウンドを聞いてきた。同時にいろんなギターアンプも手にしてきた。経験と薀蓄もたまり、ある程度音を聞けばその機材やセッティングも目に浮かぶようにもなった。とはいえやはり全く想像の付かない音にも出くわしたりして、意外な事実に感嘆したり、まさかのサウンドメイクを目の当たりにするとワクワクしたりもする。

美しいサウンドはそれだけで芸術だ。代々木第一体育館で聴いたピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアのストラト&ハイワット、芝郵便貯金でのレイ・ヴォーンのフェンダーサウンド、仙台ロックンロールオリンピックで聴いたボ・ガンボスのキョンが奏でたMESA Boogie、DEAD ENDのYOUのソルダーノ・サウンド…、毛穴から音が染み入る普遍のグッドサウンドは、いつの時代もただただ驚嘆する奇跡のサウンド・サプリメントなのだ。

そして、伊藤一朗サウンドである。そのほのぼのキャラやEvery Little Thingのキャッチーな作品の前に、彼のギターサウンドがことさらにフューチャーされることはなかなかない。…のだけれど、あのぶっとさと抜けのよさを両立させているのはちょっと並じゃない。というか特筆のクオリティなのだ。なのに、その凄さに誰も注力しようとしないところに、私はストレスを感じていた。

「いっくんサウンド、実は凄いのに、みんな気付いていないんだろか。あのサウンドの秘密、知りたくないんだろか」。そんな思いを胸に、もはや我慢できずいっくんを直撃した。

◆BARKS編集長003「ELTいっくん、その高品質サウンドの秘密を暴く」 ~画像編~

──本日はいっくんサウンドの秘密を解きにやってまいりました。

伊藤一朗:ライヴは結構ちっさい音量で演っているんですよ。ライヴって仕事でありながらライフスタイルでもあり、ストレス発散の場でもあるんで、ほんとはガーンといきたいんですけどね。

──マーシャルのフル10みたいな?

伊藤:そうですね。でもEvery Little Thingのライブに足を運んで下さる方には、なるべくCDっぽい音を聴かせたいですよね。でかい音を出してもモニターが作りにくいので、結構小さな音でもパワフルに聞こえるようなチューニング(音作り)をしています。

──今使っている機材は?

▲プリンストン・リバーブ。LRを2台、縦に積んでそれぞれをマイキング。
▲マーシャル1987X。赤いケーブルでチャンネルリンクしている。プレゼンスはほとんど上がっていないようだ。
伊藤:今はですね、クリーンはフェンダーの家用のプリンストン・リバーブを2台。

──プリンストン・リバーブ? 現行のモデルですか?

伊藤:そうです。ステレオで使うのでばらつきのない現行モデルをそのまま2台。歪みはバッキング用とソロ用と使い分けてますが、ソロは普通にマーシャルです。現行リイシューの1987。

──1987Xですね。50Wとはいえ、結構でかい音じゃないですか?

伊藤:そうでもないですよ。逆にフィードバックさせたくてもしてくれないくらいですから。ハウらせたいときには、そういうときだけ手前でストンプをいれてます。

──バッキング用の歪みにもマーシャルですか?

伊藤:レコーディングだと、昔のレクチファイアーの2chの100Wのやつ(MESA/BOOGIE DUAL Rectifier SOLO HEAD)。現行のモデルより音が散らないので、それを3~4台キープしていて使っています。

──敢えて、一番最初の旧モデルですか。

伊藤:ただ、シーケンスが細かい曲とかでは、歪みの粒を荒くしたいときはマーシャルを使ったりもしますよ。僕ってプリ+パワーアンプで音を鳴らしているというイメージがある…と思うんですけど、実はいつも直でガーン!という感じなんですよね(笑)。

──脊髄で音を出すタイプですか(笑)。
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