[クロスビート編集部員リレー・コラム] 中嶋編「カルテル」

ツイート

ミリシアからリリースしたデビュー作にして傑作『Chroma』でシーンに登場した後、米コロムビアと契約したカルテル。2nd『カルテル』でメジャーへ進出するも、その内容はいまいちピリッとしなかった。彼らの持ち味であるメロディ・センスは発揮されていたが、1stで見せたスピード感は消えてしまっていたのだ。

恐らくそれは特殊な環境で制作したせいだろう。透明な部屋で20日間生活し、レコーディングの模様からオフの時間までを通行人に見られるというMTVの企画と共に制作された前作は、「見られる」ことに過敏になっていたせいか、“良い子”になりすぎていた。で、キッズの反応というのは正直なもので、一応前作を超えるチャート順位は記録したものの、アルバムそのものは不評に終わっている。

そんな状況をメンバーも自覚したからなのか、先のアルバム1枚でバンドはコロムビアを離脱。クリードやエヴァネッセンスを抱えるワインド・アップに移籍する。そして発表した『Cycles』は、ガッツとアグレッションを取り戻した作品に。現在のポップ・パンク界の中でも確実にトップ・クラスのヴォーカリスト、ウィル・ピューの歌唱はコブシが効きまくり、「Faster Ride」「Convent-ional Friend」では彼らの醍醐味であるドライヴ感も冴えまくる。ビッグなスケール感のミドル・ナンバー「Deep South」も素晴らしく、まさに粒ぞろいなアルバム! 日本盤出てほしいなー。

◆クロスビート最新号(オフィシャルサイト)
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス