音楽ライター赤木まみの「ぐずらのつづら」【4】―「アーティストが見るいや~な夢」

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先日、ある取材現場で女性アーティストと雑談していた時のこと。彼女が「昨日はへんな夢を見ちゃいました~」と言って、こんな話をしてくれました。

「人から子供を預かるんですけど、その子供が何をやっても泣き止まないんですよ。今日、歌詞を提出しなきゃいけない日だったから、私、よっぽど切羽詰まってたんですかね?(苦笑)」

夢といえば、別の男性アーティストが話してくれた、こんな夢もあります。

「さぁそろそろライヴが始まる時間だ!と思って、ステージに出て行くと、そこはなぜか断崖絶壁で。おそるおそる下をのぞくと、遙か下の方~に、お客さんらしき人がポツポツ見えるんだけど、『お~い!』とか叫んでも遠いから誰もこっちに気がつかないんですよ。それで、どうしようと思ってアセってる夢。目が覚めたら、いや~な汗をかいてました(笑)」

前述のアーティストに限らず、ライヴに関する「いや~な夢」を見るアーティストは少なくないようです。その典型的なパターンが、いざステージに出て行くと、お客さんが全くいない、というもの。もしくは、客席は満員で大歓声も上がっているのに、いざ歌い出そうとすると、何もセットリストを決めていないことに気づきアセる、というもの。

つまり、それぐらいライヴはアーティストにとって大きなものであり、緊張感も伴う、ということなんだと思います。実際ライヴというのは、自分の作品と、ある意味自分自身を伝える場だし、文字通り“生”だから何が起こるかわからない。よって、心に相当な負荷がかかるのも想像にかたくないけれど。

ちなみに、ライターの末席にいる人一倍のほほんな私でも、たまに仕事の「いや~な夢」を見ます。その内容は決まってインタビューの場でアーティストと向き合い、さぁ質問しよう……とすると、音源を聴いていなかったことに気づき、死ぬほど動揺するという夢。“え? なんで私、音源聴いてこなかったんだろう? な、なんで!? なんで~~っっ!?”と心の中で必死で自問自答する、あの何とも言えない切迫感。ひ~っ。思い出しただけで寿命が縮まります。

というわけで、そんな状況にならないように今日もちゃんと予習せねば。みなさんは定番の「いや~な夢」って何かありますか?

ところで、この人もそんな夢を見るのでしょうか。“この人”とは、本日のオススメ・アーティスト、井上侑(いのうえ・ゆう)ちゃんです。

スタイルはピアノ弾き語り。マシュマロのようにほわほわと柔らかくそれでいて芯を感じさせる歌声と、マシュマロほどには甘くなく、むしろ切なくしょっぱかったり、ほろ苦かったりする日常の中の心情を切り取った歌詞、その甘辛ミックスな持ち味が魅力の22歳。

聴いているとその歌声に癒されつつ、なんだか心がチクリと痛くなったりする。ギリギリ痛むんじゃなくて、チクリ。そのチクリ加減が何とも言えずにいいのです。あと、ライヴでのすべるMCもかわいくて味(笑)。現在インディーズ・シーンで活動しながら、ぐんぐん成長中で、これからもっと伸びていくのびしろを感じさせるアーティストなので、要注目!

12月19日には池袋のライヴハウス“鈴ん小屋(りんごや)”で彼女のワンマンライヴ「こたつでみかん」も行なわれるので、興味を持たれた方は、ぜひあなたの目と耳で確かめてみて下さいね。詳細は以下をご参照下さい。

2009冬のワンマンライブ「こたつでみかん」
12月19日(土)17時半開場 18時開演
於:池袋・鈴ん小屋[りんごや]
前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク代別)

それじゃまたね。LOVE!

赤木まみ

◆井上 侑 オフィシャルサイト
◆井上 侑 MySpace
◆井上 侑 オフィシャルブログ「あした着る服」
◆らいぶはうすの鈴ん小屋[りんごや]
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