『THIS IS IT』でプレイしていた若き女性ギタリスト、オリアンティ

ここでは、そんな『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』に登場している、ひとつの輝く才能を紹介したい。女性ギタリスト、オリアンティである。
◆『THIS IS IT』でプレイしていた若き女性ギタリスト、オリアンティ ~画像編~
『THIS IS IT』ではブロンドのロングヘアーをなびかせて、ガッと大またを開き豪快にリフを弾き倒す姿に、つい目を奪われたロック・ファンもいるのではないか。ハードエッジなサウンドにテクニカルなプレイ、手にしているギターはポール・リード・スミス…一瞥してテクニカル系女性ギタリストだと分かる反面、あまりに唐突な女性ギタリスト・ヒーローの登場とその極端な情報不足に、彼女への思いをもてあましていたことだろう。

偉大なるギタリストを多数輩出した80年代に育ったオリアンティは、ホワイトスネイクやヴァン・ヘイレン、デフ・レパードも愛聴していた。かつてバンド活動をしていた父親のおかげで、家の中には様々な楽器が所蔵されていたという。ギターをマスターするのはごく自然な流れだったのである。
「11歳の時に、カルロス・サンタナのライヴを観たんだけど、そのショウにもの凄く感化されたのよ。私はカルロスみたいになりたいからって父におねだりして、中古のエレクトリック・ギターを買ってもらったの。それっきり、もうアコースティックには見向きもしなくなったわ。それから私はカルロスのVHSビデオを買い集めて、何度も何度も巻き戻しては彼のソロをマスターしようとしてたの。もうどのテープもみんな完全に伸びちゃったわよ」。
それから約7年後、カルロス・サンタナが再びツアーで訪れた時、彼女の音楽を耳にしたカルロスの弟が、サウンドチェックの最中に対面を取り計らってくれた。このサウンドチェックの間のジャムにより、オリアンティは本番のステージに招かれ、35分ほどもプレイしたばかりか、地元の観客の前でソロまで披露したのだ。その後もスティーヴ・ヴァイやZZトップ、プリンスといったアーティストたちとのライヴやツアー・サポート、ゲスト参加を多数こなしながら、オリアンティは忙しい日々を送ってきた。

だがポイントは、オリアンティにとってギターだけが表現の手段ではないところにある。マイケル・ジャクソンから連絡をもらう以前から、彼女は既にソロ・アルバム『Believe』の制作を開始していた。この作品の中で彼女は歌い、曲を書き、自分のバンドを率いている。現代のパンチの利いたガール・パワーをそこら中のフレーズにちりばめながら、オリアンティ印のロックは、あまたの新人が繰り出すサウンドの品質を軽く飛び越えている。エヴァネッセンスやアヴリル・ラヴィーン、パラモア、あるいはテイラー・スウィフトの持つ魅力を、ケタ外れのスケール感で取り込み咀嚼し、そしてストレートに吐き出す強烈なインパクトだ。
オリアンティはソロアルバム『Believe』で日本デビューを果たす。発売日は、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』発売日と同日、1月27日(水)だ。全13曲には、キャッチーなガールズロックから、90年代のテクニカル・ギターインストをそのまま現代に持ち込んだ作品まで、ロック・ファンを狂喜させるエナジーに満ちている。アルバムにはゲストとしてスティーヴ・ヴァイやデスモンド・チャイルドの名前が列挙されている。これは見逃すわけにはいくまい?
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