-異種格闘技対談-Ring【round2】:第1回/田村淳(ロンドンブーツ1号2号)

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-異種格闘対談- Ring【round 2】第1回

[ゲスト]田村 淳:ロンドンブーツ1号2号 / 逹瑯:ムック

「最近やっと、自分の感情と頭で考えてることの距離がくっついてきた感じなんだよね」淳

逹瑯 そうそう、そういえば、いっきなり話飛びますけど、海外ツアーに行くとね、パソコンでYahoo!ニュースを見るのが楽しみなんですけど、そこで、淳さんが政治家に興味があるって知って、“すげぇな、この人のアンテナの張り方は"って思ったんですよ。

 なんかね、いろんなことに興味持ってた方がいいでしょ。でも、政治家になりたいってことじゃないよ。なんかね、匂い。そこに興味があるんだよね。

逹瑯 俺ね、なりたかったといえば、学校の先生。

 あ、一緒だ! 俺、NHKの『ようこそ先輩』っていう番組で、自分の母校に授業しに行くっていう企画で先生やったことあるよ!

逹瑯 マジっすか。それいいなぁ~。俺ね、めちゃめちゃえこひいきする美術の先生になりたいんですよね。すべてが平等ってことはないんですよ、美術に関しては。絶対に上手い下手とかあるんだもん。それはしょうがない。頑張りだけではどうしようもないってことを知って欲しい。美術や音楽に関しては、感性がなくちゃダメなとこあるからね。

 あははは。めっちゃ現実的な先生なんだ(笑)。しかも、えこひいきするんだ(笑)。

逹瑯 そう。社会っていうのはそういうもんだぞっていうことを、学生の頃から教え込んでやろうと思って。中学生くらいの先生がいい。ちゃんと諦めることを覚えさせたり、伸ばすとこを教えてあげたいね。

 でも、そういう先生の方が、子供は付いていくよね。やったらいいのにぃ。企画で。

逹瑯 やりたいっすね。淳さんはどういう授業したんですか?

 小学生が、自分たちだけでテレビ番組を作るっていう企画で、その作り方を教える授業をしに行ったんだけど。俺は番組制作には関わったことはなく、演じる側だけしか教えられないから、こうやったらその現場が上手くまわるとか、人の話を聞くときは、こういう風に話を持っていくんだよ、とか、そういうことを教えに行ったの。すごく楽しかったよ。

逹瑯 へぇ~。

 そう! そうやって、今みたいに“へぇ~”とか、“なるほど”とか、“うんうん。そうなんだ!”とか、そういう言葉を繰り返すだけで、相手の話をいろいろと聞き出せるんだよっていうこととかね。

逹瑯 へぇ~。なるほどね~。

──できてるじゃん、逹瑯くん(笑)。

 あははは。そうそう、無意識にできてるんだよ、たっちゃんは。だからそういう打ち上げの席でも、いろんな人に気遣いできて、場を盛り上げられるんだよね。そこってすごく大事なんだよ。“へぇ。なるほどなるほど”って、繰り返すだけでいいんだよ。それをね、教えてあげてから、子供たちが人と会話するのが楽しくなったって言ってくれて。すごく嬉しかったんだよね。俺ね、もぉ、最後には涙が溢れてきちゃって、思わず教室の外に飛び出しちゃったもん(笑)。

逹瑯 あははははは。淳さん、涙もろいっすよね(笑)。

 そう。最近特にね。

逹瑯 俺も最近、涙腺の反応が変わってきたもんね。

──それは歳なのでは?

 あははは。そうそう(笑)。でもね、最近やっと、その自分の感情と頭で考えてることの距離がくっついてきた感じなんだよね。いままでは自分が酷いことしてても、脳があんまりそれを酷いことだとは受けとめてなかったんだけど、最近はちゃんと酷いことは酷いことって受けとめられるようになったもん。

逹瑯 それめっちゃ分かりますね。28、29歳くらいから、テレビ見てても、“なんで俺、今、ここにグッときちゃってんだろ??? 確実に親目線だろ……”的な時ってあるんですよ(笑)。

 あははは。あるある(笑)。

──淳くんはどんな非道っぷりだったの?

 もぉね、若い頃なんて、非道もいいとこだったよ、俺。例えば、街で女のコをナンパしたら、絶対に自分家に来るもんだと思ってたから、断られようもんなら、噛んだガムを後ろから髪にくっつけてやろうと思ったり(笑)。

逹瑯 あはははは。ひっどいっすね!

 でしょ! 今思うと、どうしてそんな酷い考えを?って。でもね、だんだん脳みそと気持ちが近づいてきたんですよ。こういうこと言うと人を傷つけるし、こういうことしちゃいけないんだって、学んだというかね。やっと。本当にやっとね。

逹瑯 ホントホント。ホントっすよね(笑)。もうね、10代の頃にやってた悪いこととか、ヤンチャなことが怖くてできなくなってきた。

 それが大人になるってことなのかもしれないよね。

──なんか、無理矢理美談になってますけども………(笑)。

逹瑯 イジメとかもね。子供って結構平気で残酷なイジメとかするでしょ。そういうのはできないよね。まぁ、俺はいじめっ子だった経験はないけど。

 俺もいじめっ子だった経験はないな。でも、一瞬いじめられっ子にはなったけどね。でも、そこは自分で打破したけどね。もともと目立ちたがり屋な性格だったから、騒がしかったんだけど、小学校3年の頃に、そんな俺が気に入らないっていうヤツ等にイジメられだしたんだよね。だから、これはイカン、と思って、ホームセンターに行って、木と鎖買って来て、お手製のヌンチャク作って威嚇したんだよね。

逹瑯 あはははは。なんでヌンチャクだったんすか(笑)?

 ん? なんでヌンチャクだったかって(笑)? その頃ジャッキー(ジャッキー・チェーン)が流行ってたんだよ。だから。

逹瑯 あはははは。で、そのヌンチャクは効き目あったんすか?

 もちろんあったよ! ヌンチャクは俺の意気込みの証でもあったからね。んで、またいじめてきたから、それでボッコボコにしてやったの。子供の喧嘩なんて、思いっきりやったらいいんだから。そしたら、ソイツ等の親が、“ウチの子になんてことを!"って言ってきたから、“何言ってんだよ! 俺はオマエらの子供にそれくらいの心の傷を負わされてんだぞ!"って言い返してやったの。母ちゃんは必死で謝ってたけどね、いやいや、謝る必要なんてないからって。その頃から自我が芽生え始めたんだよね。

逹瑯 あははは。自我がね。うんうんうん。でも、そういうの大事ですよね。いじめられっ子は、自分で努力することも大事ですよね。たしかに。俺、小中と一緒で、ずっといじめられてた女のコが居たんだけど、俺、その子と高校が一緒だったのね。同じ中学からその高校に行ったのは俺とその子だけだったから、高校くらいいじめられないで、楽しく過ごせたらいいなと思って、その子がいじめられてたっていうことを誰にも言わなかったのね。で、最初は結構上手くみんなに溶け込んでたんだけど、やっぱり最後にはいじめられてて……やっぱ、なんか原因作っちゃったんだろなぁって、思ってたんだよね。

──まぁね。その子もヌンチャク作ればよかったかもね。

逹瑯 それ違うでしょ(笑)。でも、学生時代って、どのグループにも属してなかったな、俺。

 たっちゃんはヤンキーじゃなかったの?

逹瑯 うん。ヤンキーの友達は居ましたけどね、なんか、ひとつのグループに属して行動するっていうのが好きじゃなくて。すっげぇ目立ってるグループとも仲いいし、すげぇオタクみたいなとこにも馴染んで一緒に遊ぶし。

 一緒一緒一緒! 俺もそう! 絶対属さなかった。なんか、似てるね(笑)。

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