everset、ライヴで一緒に歌えば盛り上がるに決まってる新マキシ「Re:PASSION」特集

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NEW MAXI SINGLE「Re:PASSION」2009.12.30リリース特集

──キャッチーなコーラスとボキャブラリー、熱いメッセージとバンドの勢いが一つになったマキシ・シングル「Re:PASSION」、アルバム『BLACK FILE』から大成長した完成度の高さで大満足です。

Tatsuo: そういってもらえると嬉しいです。今回は狙ってる感はありましたね。ボクらの周りのインディーズはこの不況で大変なんですよ。そんななかだからこそ、前を向いてハングリー精神で行かなきゃダメだと。みんな弱ってるけど俺らは弱ってないぞと。

緋村 剛(以下剛): 歌詞のなかに“デフレ”とか使ってたりするんですけど。いまは世界的に不況かもしれないけど、その中でもパッションを燃やし続けなければというところを狙って歌詞を書きました。“こんな時代でも縮こまってる場合じゃねーんだよ!”っていうのを俺らがいわないと。こんな不況の中でも元気なのはeversetぐらいなんで、そこで“熱くいこうよ”と代弁できるのは俺らしかいねぇ。そういう気持ちはありましたね。

Tatsuo: といいながら、俺らは(このシングルから)値上げをしたんですけどね(笑)。

──不況のなか、そこは強気で。

Tatsuo: 俺らは自信があるものを作ってるし、音も良いし、そんな安売りはしねぇぞと。それで200円ほど上げました(\1,500 tax in)。不況に逆らってます。こんな時代だからっって安売りするバンドじゃねぇんだと。

剛: 不況でCDが売れないとかいってるけど、良いものは売れてるし。漫画の『ONE PIECE』だってそうじゃないですか。

──おっしゃる通り。

Tatsuo: で、今回のシングルに関してなんですけど。まず最初にライブに向けてというテーマを設定したんですよ。そこに向かって作っていったものなんです。

剛: それで季節的にも時代的にも寒いこの空気を打破したい。その気持ちを全面に押し出して書いたのが「Re:PASSION」。

──なぜPASSIONに“Re:”を付け加えたんですか?

剛: メールにありますよね。今回の歌詞は引っかかりがある言葉をあえて使ってるんです。Re:って視覚的にも万人が目にしてる。どんな時代でも繰り返して繰り返していまがあるんだから、過去のデフレの時期も乗り越えたように、俺らも乗り越えようよという意味を込めて。

──なるほど。そんな深い意味があったんですね。

剛: この歌のAメロは“ReとReとReとReを~”って早口で歌ってるんですけど。「これ何歌ってるのかな?」って耳に残ったとき、Reでとにかく突っ込んでったら面白いかなと。最初はそこから始まったんですけどね。

──そういう言葉遊びが本作はキャッチーなんですよね。さっきおっしゃってた“デフレ”もそうですし、“Sunday Monday~”と曜日を連呼するフレーズ、そして“どうにもこうにもにっちもさっちも”。これも引っかかりがいいですよね。

剛: 最初“にっちもさっちもどうにも”っていってたら、Tatsuoが“それ、違うところに引っかかるんじゃねぇか?”って言いだしたんで逆にしたんです(笑)。

──歌詞のフレーズでもう一つ気になってるのが“モッコリ”。これは?

剛: そこは突っ込まれますね(笑)。別に下ネタではないんですけど。ここのサビも早口だからなかなか言葉が耳に残らないじゃないですか? だから最後に引っかかるようにあえてこれを入れたんですけど。みなさんひっかかるみたいで(笑)。

──いやいや、ここはエロというわけではなくてみんな気になるところかなと思いまして“あえて”質問してみました。こういう歌詞のお遊びのところで笑えたりするところも、この曲にキャッチーさを与えてる部分だと思うんですよね。

剛: そこも他にはない(eversetの)売りだと思うんですよね。

──サウンドの部分ではこのダンスチューンな4つ打ち、ここも上がるポイントになってますね。

Tatsuo: そこは狙ってました。ダンサブルな感じで4分打ちを基準でやっていこうというのはありました。それ以外のアレンジに関しては『BLACKFILE』で何をやってもeversetになるじゃんっていうのが掴めたんで、4分打ちがあってサビは早口っていう簡単なテーマだけを決めたら、あとはメンバーのみなさんご自由にと。

──サビで早口にこだわったのは?

Tatsuo: いままでにないのを作りたかったのと、この曲はツイン・ボーカルを生かしたかったんですよ。

──サビの早口の掛け合いとか、そういうスタイルのバンドしかできないですもんね。

Tatsuo: そういう部分を前面に打ち出したかったんです。

──タイトルチューンもそうですが、本作は収録曲すべてにゲストコーラスが参加していて。この豪華なコーラスも楽曲を盛り上げてくれてますよね。

Tatsuo: 呼ばなくてもスタジオに誰かしらいるんですよ(笑)。だから「あ、ちょっとやんない?」て声かけたら結構な人数になりまして。BULL ZEICHEN 88に関しては、前もって電話して頼んで参加してもらいました。

剛: 人数的には彼らが参加してくれた「HUMAN-HUNTER」が一番多人数でコーラスやってますね。

──この「HUMAN-HUNTER」がまた最高な仕上がりで。メロコア、ヒップホップ、ジャジーなファンクにいきなりメタルも出てきて。まさにロックの祭典的な展開がユニークでした。

Tatsuo: そこが狙い。これ、曲を出したときはAメロしかなかったんです。それでスタジオ入って「これやったらおかしくね?」って笑いながら作ってって。剛に「はいどうぞご自由に」と渡して。

剛: もらったときは俺の頭の中でははちゃめちゃ過ぎてまったく意味がわかんなくて(笑)。意味がわかったのは完成したからですよ。ああ、これは奇跡的な偶然の産物だったんだと。よくできたなと思います。Tatsuoの頭の中にはあったのかもしれないけど、典二(b)も彩人(ds)もたぶん、わかんないまま弾いたり叩いたりしてるんですよ。

Tatsuo: だけど俺の中ではできてて「なんで、これわかんないの?」って(笑)。

剛: 歌詞はその頃『モンスターハンター』をやってたんで、これを歌詞にしたら、この楽曲に合うようなハチャメチャ感が出せるんじゃないかな、みたな感じがだんだんと出てきて。それもモンハンやりながら(笑)。でも俺がモンハンの歌作ってもしゃあないから、モンハンの世界観にリンクさせる感じで、ホストが女の子をハントする感じとかけてみたんです。結果、歌はセリフの掛け合いみたいな構成になって。これはいま聴いても笑えますね。俺らが笑えたやつが作れたってことは聴き手も笑ってくれると思うし。

──そうですね。そういう掛け合いの楽しさも含め、この曲はまさにeversetのパーティーチューン誕生という感じがしました。

Tatsuo: でも、この間リハに入ってやってみたらこの曲、かなり難しいんです。オケ録ってその後に歌がのったから、弾きながらこんなコーラスできねぇよと(笑)。そんな問題が出てきて。かなり難易度高いです。

──だけど、この曲はなんといってもこのコーラスがないと意味ないですよね。

Tatsuo: そうなんですよ! だから俺らはマイクスタンドから離れられなですもん。典二なんかチョッパーしながら“ウォーオオー”歌わなきゃいけないですからね(笑)。俺もタッピングしながらですから。

剛: しかも間奏のメタルんとこ、俺がなりきってハイトーンいってるみたいでしょ? あれもTatsuoなんですよ(笑)。一応ゲスト・コーラスのみなさん全員にやってもらったんですけど、Tatsuoが一番笑えたんで「これでいこう!」って(笑)。

Tatsuo: これは“Yes,sir!”とかお客さんに歌ってもらおうと思ってます。

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