年末恒例<JACK IN THE BOX>、豪華セッションでは名曲カヴァーも続々

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初々しい。そして、「パノラマHOP」「COSMO「S」フューチャー」と畳み掛け、ステージ後方から花道まで動き回り、武道館をカラフルに彩った。

続いては、言わずと知れた快進撃を続けるシド。ステージに現れた瞬間から、武道館を飲み込むような大歓声。炎に囲まれながらはじまったのは、Shinji(G)の切ないスパニッシュなギターが印象的な「嘘」。最後は聴き惚れてしまう伸びやかなマオ(Vo)の歌声で美しく締め…と思いきや、MCでは「今日は昼っぽい健全なテンションで」と言いつつ、早速下ネタでトバすというアグレッシヴなやり方で、ますますオーディエンスの心をがっちりキャッチ。ライヴでは初披露となる「怪盗ネオン」では、明希(B)が花道から客席の一人一人を見るように駆け巡り、 ラストは最新シングル「one way」。眩しいポップチューンに、武道館も一体となって手を振り上げる。最後はゆうや(Dr)のドラム連打でパフォーマンスを締め括った。

次はいよいよ、当イヴェント名物であるセッションの一組目、Session Aが登場。メンバーは、ヴォーカルがマオ(シド)、ギターが夢人(彩冷える)、ベースがSato(MELLO)、ドラムがゆうや(シド)、キーボードが小池敦(シド サポートミュージシャン)という面々。その名と写真が映し出されるたびに歓声が。そして、全員が黒いスーツに身を包んで登場。なかなかメンバー各立ち位置に行かないと思いきや、何と一列に並んでEXILEの「Ti Amo」を熱唱。さらに本家張りのダンスまで披露(「Choo Choo Train」で有名な踊りです)。しかし、マオとゆうやのツインヴォーカルのコンビネーションは余興以上である。マオ曰く、DVDを見て勉強したんだとか。それでいて自己紹介では、ゆうやを「千葉が生んだ落花生男」、自分を「明るい変態」とオトす…客席は笑いが止まらない。しかし最後はしっかりバンドでMr.Childrenの「抱きしめたい」をカヴァー。マオの美声が生える甘いラヴソング二連発に、うっとりと聴き入ったセッションだった。

続いてはムック。2009年3月には3年ぶりの武道館ワンマンも行なった彼らが、このステージへ帰還する。赤い光と大歓声に包まれでステージに現れた彼らのオープニング・ナンバーは「咆哮」。短パン、Tシャツ、スニーカーと、キッズのようなファッションの逹瑯(Vo)が煽れば、ミヤ(G)は花道で頭を振り、YUKKE(B)はバックスタンドを向き、SATOち(Dr)は鋼鉄の2バスを轟かせ、客席の温度を上げていく。そこから、サビではオーディエンスのコーラスが木霊した「ファズ」、イントロからハンドクラップが響いた「オズ」、リリースされたばかりの初の配信シングルである暖かなバラード「ジオラマ」(スクリーンに映し出された歌詞がまた素晴らしかった)と演奏。最近の楽曲で固めて、ワールドワイドなスケール感を見せ付けた。この勢いのまま、年明けのツアーに雪崩れ込めそうだ。

転換するステージを眺めていると、セッティングされたのは三台のドラムセット。何事か?と見つめるオーディエンスの視線の先に、ほどなくして現れたのはSATOち(ムック)とゆうや(シド)。がっちりハグし、上手と下手のドラムセットへ向かう。ではセンターには…と思いきや、yukihiroが登場。そして3人で息を合わせてドラムを叩きだす。まさしく、これぞセッション。SATOちとゆうやの嬉しそうな表情も印象的。最後は、yukihiroが2人とそれぞれ目を合わせてフィニッシュ。実に贅沢な競演を味わわせてもらった。

続いては、Creature Creature。2009年はDEAD ENDが復活を果たしたが、その一方でCreature Creatureが再始動を遂げた年でもあるのだ。しょっぱなから、微動だにせずへヴィネスを叩きつける演奏に、茫然と佇むオーディエンスも多い。Morrieは悠々と花道を歩きながら、美声とシャウトを轟かせる。カリスマとはこういう人のことを言うのだ、と思わずにはいられない。かと思いきや「みんな、Creature Creatureって知ってる?」とフレンドリーに語り掛けるMorrie。それでぐっと会場の雰囲気もほぐれたか、「パラダイス」ではたくさんの手が挙がり出す。さらに「Red」ではバンドメンバーもぐいぐい花道やバックスタンドに向けて動き出す。今日のCreature Creatureは、凄く“楽しめる”パフォーマンスを展開してくれたと思う。

そして次はSession Cの登場だ。ヴォーカルはkyo(BUG/D'ERLANGER)、ギターはミヤ(ムック)と弐(ギルガメッシュ)、ベースは研次郎(cali≠gari)、ドラムはSakura(S.O.A.P.)、キーボードは都啓一(SOPHIA)。そしてkyoがマイクスタンドを倒して歌い始めたのは、GUNS N' ROSESの「Welcome to the Jungle」。先日の来日公演で、ムックが2度目のオープニングアクトを務めたばかりということもあり、ついついミヤは何思いながら弾く?と表情に注目してしまう。が、だんだんkyoの絶品なシャウトに惹き込まれていく。ハマり過ぎ。他のバンドメンバーも、水を得た魚のように弾けながらで演奏。特に弐は先輩方に囲まれて、本当に嬉しそうだ。さらに2曲目の楽曲は、これは意外なKAT-TUN「Real Face」。オーディエンスからもどよめきが起きる。しかし、kyoのシャウトとへヴィな演奏で、楽曲を完全に彼らのモノにしてしまっていた。このメンバーが本気になると怖いと思わずにはいられないセッションだった。

続いては、ヴォーカルに逹瑯(ムック)、ギターがヒロト(Alice Nine)と美月(Sadie)、ベースがdunch(jealkb)、ドラムがケンゾ(彩冷える)という、ネオヴィジュアル系を牽引する5人が揃ったバンドといえば…そう、<JACK IN THE BOX 2009 SUMMER>以来、2度目のお目見えとなるカラス。まずはオリジナルの「LASTICA」を披露。逹瑯は、ムックの時のラフなファッションとは打って変わって、カッチリしたメイクと衣装を身に纏い、華麗に武道館を牽引する。メンバーも初回よりもごく自然に絡み、オーディエンスも、初回のじっくり見る感じとは違って、普通にライヴとして楽しんでいる。さて、彼らのオリジナルはまだ1曲しかない。ということで逹瑯が「アニソンを。世代的に知ってるか」と言って、何と『幽☆遊☆白書』で高橋ひろが歌っていた「アンバランスなkissをして」をカヴァー。これは、懐かしい。そして、実はネオヴィジュアル系に似合う曲調であることも聴いていて発覚。よく見つけてきたと思う。華やかなメンバーでステージを縦横無尽に駆け回り、これからの活動も期待させてしまうような存在感を印象付けた。

次はSession D。メンバーはヴォーカルが逹瑯(ムック)、ギターがShinji(シド)と加藤貴之(兎-usagi-)、ベースが明希(シド)、ドラムがケンゾ(彩冷える)。逹瑯の「ヘイ、Shinji、カモン!」の一声から、BUCK-TICKの「Les Enfants Terribles」がスタート。途中で明希がヴォーカルを務める場面も。そして2曲目はミッシェル・ガン・エレファントの「バードメン」。意外な選曲と思いきや、 加藤貴之のカッティングは殺傷力が溢れているし、チバユウスケのガナリ声は逹瑯の声に合っているし、かなりハマっていた。嬉しそうに逹瑯に背中を合わせて弾く明希。縦横無尽に動き回るShinji。そしてケンゾの華やかなドラミング。ロックの血沸き肉踊るセッションだった。
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