中島美嘉、感情のたかぶりを最大限に込めた史上最高のバラード「ALWAYS」リリース大特集

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中島美嘉 映画『サヨナライツカ』主題歌 「ALWAYS」 2010.1.20リリース特集

「自分の声がいちばん生きるのがバラード」見えない未来を信じて生きる切なさ

感情のたかぶりを最大限に込めた
中島美嘉史上最高のバラード作品

中島美嘉の歌の魅力はその声である。歌詞もメロディもサウンドも、その声に触れたとたん、神秘的な美嘉色に染まる。哀しくも温かい色に染まる。中島美嘉のシングルの魅力はそのクオリティーの高さである。歌詞もメロディもサウンドも拙速ではない。成熟した果実のように芳しい。それは表題曲のみならず、過去すべてのカップリング曲にもあてはまる。この2つの魅力を最高の形で示しているのがニューシングル「ALWAYS」だ。中島美嘉の新たな代表曲の登場である。ここから新たな物語がはじまりそうな予感がする。

INTERVIEW

「ALWAYS」は1つも悔いがありませんでした。それってライブのときの満足感に近いのかな。

──中島さんの作詞ですが、恋心を書いているようで、実は裏の意味もあるような…。

あくまでもラブソングですよ、入口はね。その次の扉を開けてもらうと、違う景色が見えるかもしれない。

──「こんなこと書いたら引かれるかも」みたいな心配はなかったですか。

本音を書くことになんの恐れもありません。自分の気持ちだから。誰かがこう言ってたとか、あの人はこんなことしてるとかじゃないから。もしも自分の気持ちを書いた結果、批判されたとしたら、わたしがそれを受け止めればいいだけのことです。それより「こんなこと書いたら」と躊躇して言葉を濁すほうが苦手ですね。濁せば濁すほどわかりづらくなるから。この詞も、入口の次の扉を開けてもらえるのは、限られた人たちかもしれないけれど、一人でも二人でも開けてくれると信じてます。もしかしたら、何かに疲れている人ほど、「わかるよ」と言ってくれるんじゃないかな。

──もう1曲が「SPIRAL」。アップテンポのエレクトロサウンド。

デビュー当時は「自分はアップテンポを歌うのが苦手なんだ」って言ってたし、そういう先入観を持ってた。それがこの頃は徐々に薄れてきてます。というか、徐々に楽しく歌えるようになってきました。

──2ndシングル「CRESCENT MOON」からのブレーンである田中義人さんのアレンジもカッコいい。

彼のアレンジは、すごく好きだから、彼がアレンジしてくれると、テンションがすごく上がります。アップテンポの割りに重いし暗いけど(笑)。そこが好き。

──その「重いし暗い」というのはわかります。全編にわたり、ノイジーな音が漂ってるところとかですよね。

こういうテンポ感のある曲だと、キラキラした音を使って、万人受けするアレンジをすることが多いじゃないですか。彼は万人受けしないかもしれないアレンジをすることに、まったく恐れがないんですね。その感覚が私と似てます。「ダメならいいよ、でも、これが俺のスタイルなんだ」ってスタンス。媚びないってことですね。「SPIRAL」も全然媚びてないし。

──アレンジについて細かいリクエストを出しますか。

「このキックの音がどうだ」とか、そういうマニアックなリクエストをするというより、そのアレンジがカッコいいか、カッコ悪いかをいつも言います。『花より男子』を好きな女子の目線で言いますね (笑)。

──好きなんですか。

DVD買いましたけど、何か(笑)。

──普通以上に普通かも(笑)。

ただ、「この曲は、歌詞とメロディはこのままでも、こんなアレンジにしたら、もっと良くなるよね」とか、「あの曲にはあっちアレンジのほうが似合ってるね」とかってことは、ディレクターと話してます。そういうアイデアを出すのも得意かもしれない。というのは、こういう洋服を着せたら、もっと綺麗になるとか、こういうメイクのほうが可愛くなるっていうのと同じ発想だから。

──それってスタイリストやヘアメイク的な発想と言えそうですね。

あわよくばそっちの仕事もしたいくらいだから(笑)。どうしてもそういう目線で考えますね。

──「SPIRAL」の中の、“♪so highと♪so tight”の高い声は、キラッと輝いてますね。あの声だけで曲全体が煌びやかになっていると言ってもいい。

あそこは、聴いたみなさんがどう思うかは別にして、自分では歌ってても気分良かったです。それと英語のパートも。今、自分で聴いても気持ちいいです。

──「ALWAYS」の感情の流れ、「BABY BABY BABY」の真正直な歌詞、「SPIRAL」の気持ち良さ。満足度最高のシングルですね。

だから、自宅でも爆音で聴いてます。近所迷惑かえりみずに。しかも、大声で歌ってるし。もしかしたらお隣さんは、シングルの発売前から3曲とも覚えちゃってるかもしません(笑)。

取材・文●藤井徹貫

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