第52回グラミー賞、今回の傾向と対策をじっくり検証

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第51回のグラミー賞では、最優秀レコード賞を筆頭に5部門で授賞したロバート・プラント&アリソン・クラウスをはじめ、コールドプレイ、アデルなど、例年にないほどのMade in UKの音楽の授賞が目立ったが、今回のノミネートを見渡すと、アメリカ勢の頑張りが見てとれる。

そして、2008年は、胸に染みるような音楽が求められていたような気がするが、2009年はワクワクするようなものや、刺激的なものが巷に浸透していたように思える。たとえばレディ・ガガ。彼女の奇抜な衣装や個性的なパフォーマンスはいつでも注目の的だ。デヴィッド・ボウイやクイーン等をルーツを持つだけに、作品もコンセプチャルで、今回、年間最優秀アルバム部門にノミネートされた『ザ・フェイム』をはじめ、11月にリリースされた『ザ・モンスター』では、前作を含む2枚組で発売され『ザ・フェイム』『ザ・モンスター』それぞれで「陰」と「陽」を表現する深みを聴かせてくれる。

また、年間最優秀レコード、年間最優秀楽曲、年間最優秀アルバムなどをはじめ、10部門でノミネートを果たしたビヨンセのアルバム『アイ・アム…サーシャ・フィアース』も、2枚組の作品で、自分自身の内面とステージでのきらびやかな部分という、表と裏で作品を構成。ヒップ・ホップやR&Bをポップなものとして昇華したところに、美しい容姿だけではなく、アーティストとしてのクレバーさも垣間見えた作品である。とかくヒップホップに馴染みのない人も、「これなら聴ける!」と、敷居を低くした彼女の功績は大きいし、多くの人に刺激を与えたことだろう。

そして、同じく年間最優秀アルバム部門等にノミネートされているブラック・アイド・ピーズ。彼らもまた、最初に挙げた2人と並んで、音楽的にもパフォーマンス的にも刺激的な作品やライヴを届けてくれるグループだ。2009年は、ダンスミュージックが流行ったが、それは、この3組が牽引していたと思われる。
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