『ウディ・アレンの夢と犯罪』にフィリップ・グラス書き下ろし

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『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』に続くロンドン3部作最終章となるウディ・アレン監督の最新作『ウディ・アレンの夢と犯罪』が完成、音楽に巨匠フィリップ・グラスが起用されている。

◆『ウディ・アレンの夢と犯罪』画像

ウディ・アレン映画といえばジャズが定番であることから、ウディ・アレン&フィリップ・グラスという巨匠同士の初コラボレーションは大きな話題となって世界中を駆け巡った。日本のミュージシャンにも多大な影響を与え、『めぐりあう時間たち』『幸せのレシピ』などの映画音楽でも有名なフィリップ・グラスは、今回ウディ・アレン監督のためにオリジナル・スコアを書き下ろしたという。

「ウディは、今回の脚本が古典悲劇にとても近いと考えており、音楽の独特な使い方によって物語の劇的な急変を強調したいと考えていました。彼が私に要請するために電話してきた時、私もすぐにイエスの返事をしました。そして製作過程では、これほどまでに私の音楽につきあった監督は、マーティン・スコセッシ監督以来でした。もしこの映画に私の音楽が無かったら? 冒頭の登場人物にのしかかる運命の雰囲気を感じなかったと思います。最初の数分間に聞こえるヴァイオリンは、起こりそうで、そしていつ起こるかわからない雷雨のような感じがちょっとすると思います」──フィリップ・グラス

「最初は、マイルス・ディビスを入れたかったのですが、権利がとても高かったのです。最終的にフィル(フィリップ)・グラスに楽曲を頼み、3日後には彼は6時間分の音楽を持ってきました! フィルはメランコリーな性向のある、とても気さくで、とても居心地のいい人です。ある時、あるテーマを聞きながら、私は彼に言いました。「フィル、これはちょっと…不吉だね。作品の結末を表しすぎていないかな」すると彼は私に答えました。「いや、これはラブ・ストーリーを伴奏するテーマだよ」と。彼にとってはそのテーマは優雅な音楽だったのですね」──ウディ・アレン監督

『ウディ・アレンの夢と犯罪』は、兄にユアン・マクレガー、弟にコリン・ファレルという二大スターの共演にトム・ウィルキンソン、サリー・ホーキンズら芸達者が脇を固める大人の人間ドラマだ。話術の達人ウディ・アレンによる鋭い人間観察とユーモア、さりげなく手に汗握らせるサスペンスの妙で、不条理にも坂道を転がり落ちていく兄弟の姿を映し出していく。

秀逸な脚本と音楽による極上の心理ドラマが存分に楽しめる作品だ。

映画『ウディ・アレンの夢と犯罪』
きらびやかなビジネスの世界での成功を見るイアンと、酒とギャンブルと恋人との日々にそれなりの充足感を得ているテリー。そんな兄弟が“カサンドラ・ドリーム号”と名づけた小型クルーザーを購入したことから、彼らの人生がドラマチックにうねりだす。イアンは若く美しい舞台女優アンジェラに心奪われ、彼女との優雅な新生活を実現させようと焦りを募らせていく。一方テリーは出来心でのめり込んだポーカー勝負で惨敗し、巨額の借金を背負うはめに。その苦境を救ってくれるはずの大金持ちの伯父ハワードから“ある頼み事”を持ちかけられた兄弟は、とてつもない代償を伴う人生の賭けに身を投じていく…。
脚本、監督:ウディ・アレン
出演:ユアン・マクレガー、コリン・ファレル、トム・ウィルキンソン、サリー・ホーキンズほか
撮影監督:ヴィルモス・ジグモンド
オリジナル音楽:フィリップ・グラス
配給:アルバトロス・フィルム
3月20日恵比寿ガーデンシネマほか全国ロードショー
◆映画『ウディ・アレンの夢と犯罪』オフィシャルサイト
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