中川あゆみの歌に込められた、12歳の決意表明

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中川あゆみの「事実 ~12歳で私が決めたコト~」YouTube動画が、ついに10万PVを突破、さらにその数字を伸ばしている。BARKSで紹介したときは200PVだったが、たった3日でこの伸びは脅威だ。

◆中川あゆみ画像

実に多くのリスナーが彼女の歌に感銘を受け、感動、共感、声援を送っている。一方で、同情を引く戦法に嫌悪感、不幸を売りにすること自体最低といった発言も散見される。良しにつけ悪しきにつけ、ほとんどが匿名のため発言者の年齢はわからない。性別もわからない。境遇もわからない。だけれども、彼女の歌を聴いて感じたさまざまな意見の中に、現代社会の歪や澱みのようなものを突きつけられた気がして、愕然たる思いがした。

誰しも多かれ少なかれ、辛い思いや悲しい出来事を抱えて生きている。中川あゆみも彼女なりの思いを抱えて生きてきた。まだたった13歳の彼女だが、歌という存在が彼女を支えてきたのは純然たる事実。

彼女は自分の存在理由を歌に求めたのだろう。自分の居場所を歌にすがったというほうが正しいのかもしれない。とりつかれるようにギターをかきむしる日々、絶叫で思いを晴らすこともあっただろう。2007年に代々木公園で長渕剛の「とんぼ」をストリートで歌っていた彼女の姿を見ると、歌に打ち込むことでアイデンティティをそこに見出そうとするもがく思いが見え隠れする。

何年も歌い続けた。何回もストリートを行なってみた。これがひとりの小学生が選んだ行動だった。失敗する苦さも経験する。拍手をもらう喜びも得た。褒められる気持ちよさも知った。何度も何度も繰り返すなかで、自分から伝えたい気持ち、歌いたい思いも沸きあがってくる。13歳なりの思い。失敗なんて恐れない。

ストリートライブは、自分の居場所を探す行為だったのかもしれない。自分を支えてくれる何かがそこにあることを、本能的に嗅ぎ取っていたのかもしれない。歌える歌はカバーしかなくても、彼女はそれを続けた。

同情を引くためにストリートを繰り返したわけではないのだ。

彼女は今の自分の境遇に、幸せと感謝を感じていることは映像からもよくわかる。そして幸せというものは自分次第で変わっていってしまうことも学んだに違いない。だからこそ、喜びを感じる人生は自分の足で歩くものと理解したのだろう。それを彼女は<私はあゆみを幸せにするよ>と表現した。辛い思い出を正面から乗り越えて、希望に満ちた自分を生きていくために、彼女はけじめをつけた。それが「事実 ~12歳で私が決めたコト~」の誕生だった。

同情を引こうという気持ちは微塵もない。彼女は幸せなのだ。つらい・さびしい・泣きたいなんて一言も言っていない。自分であゆみを幸せにすると決意し、その約束を全うするために、これまでも続けてきた歌を歌っていこうと心に誓った彼女の決意表明なのだ。タイトルも、そのままである。

ここには、健やかで目線にぶれのない、正直に生きる強さと清らかさが満ち満ちている。幸せと希望、その喜びを歌ったのが「事実 ~12歳で私が決めたコト~」なのである。
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