-異種格闘技対談-Ring【round2】第3回/J

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-異種格闘対談-Ring【round2】第3回

GUEST J / 逹瑯(Vo) ムック

「ロックって、昔は、いじめっ子のモノだったと思うんだよ。弱い者イジメじゃなく、強い者イジメの音楽」J

逹瑯: いや、本当に(笑)。すいません、勝手なイメージで。こうやってちゃんと話したこともなかったし、やっぱりその印象ってずっと昔から変わってなくて。だから、ソロとかは、よりそういう面が前面に押し出されてくるんだろうなって思ったから、もっとすげぇ攻撃的な音楽と唄だと思ったんですよ。でも、ソロとか聴いてると、やっぱもちろんすげぇ男っぽいんですけど、ホント、奥の方にある優しさだったり、さっきもいったけど、すげぇロマンティストな部分が見えてくる気がするんですよね。そういうとこがすっげぇ好きって思えたんです。いきなりなんですけど、男って、絶対に女の人よりロマンティストだと思いませんか? 絶対、女の人の方が現実的なんだもん。

――なんか嫌なことあったの?

J: あはははははは(大爆笑)。

逹瑯: あはははは(大爆笑)。ないよ(笑)。ないですけども(笑)、そういう、なんていうのかなぁ、“男”を感じるんだよね、Jさんって。なんかね、Jさんの人柄そのものを、ソロでは感じるんですよね。

J: ありがとう。でも、たしかに、男の方がロマンティストかもね。

逹瑯: ですよね! 絶対ですよね!

J: うん。そうかもね。うん、うん。そうかもね。うん。………そうかもね。

――3回も(笑)。

逹瑯: あはははは。絶対、女の人より夢見がちだと思うんだよなぁ〜、俺。自分もそうなんですけど。

J: うん。そうかもしんないね(しみじみ)。なんかさ。女性の方が早く大人になっちゃうっていうかね、考え方がさ。男って、遅いというか。俺なんて、やっと今頃、いろんなことが解ってきた気がするもん。まぁ、男としても、人間としても、10代の頃、20代の頃って、しっちゃかめっちゃかやって、誰かを傷つけてもきたんだろうし。なんかね、そうしちゃう意味とか、そうしてきたこととか、いろんなことが、だんだん解ってくるというかね。何を守ろうとしていたんだろ? って。自分の中の何かを貫くために、何かを守ろうとしてたっていうか。だんだんね、守ろうとしなくても、強くなっていけてる気がするというか。昔だったら“カチン!”ってなってたことが、あんまりそうなんなくなったり。まぁ、やり方を変えて攻めてるだけかもしれないんだけど……(笑)。でも、俺は幸せなんだと思うな。周りにはクールな仲間たちがいたし、バンドでは偉大な先輩たちがいてくれたおかげで、“こうでなくちゃ!”っていうことに、ちゃんと気づいてこれたんだよ。

――背中を見て育ってきたってことですか?

J: うん。そうだね。俺の周りにはカッコイイ人たちや、先輩がいっぱいいてさ。その人たちが全員とんでもない目をしていたからね。生半可な気持ちじゃ戦えなかったし、認めてもらえなかった。ナメたことしようもんなら、ガブッ!って噛み付かれそうな勢いがあったもん。でも、そんな目をした仲間や先輩たちは、誰よりも優しかったよね。人間が大きかった。また、そういうところに憧れたよね。

逹瑯: それすっごい解ります。俺、よくいうんですけど、喧嘩も強くないとバンドやれない時代だったというか(笑)。すごい体育会系だったというか。不良がロックやってた時代ですよね、Jさんたちの頃って。

J: あはははは。まさしくそうだね(笑)。

逹瑯: ですよね! LUNA SEAから、ちょっと後くらいまでって、そういう世代だったと思うんですよね。でも、そっから下って、違うんですよね。なんつーのかな、真面目っつーか。なんかいろいろと難しくどうこうっていう世代になっちゃったというか。

J: うんうん。なんか、語弊があるといけないんだけど、俺、ロックって、昔は、いじめっ子のモノだったと思うんだよ。弱い者イジメじゃなく、強い者イジメの音楽。ヤンチャなヤツらの音楽。でも、今って、いじめられっ子のための音楽、みたいな感じになっちゃったよね。語弊があるといけないから、言い方が難しいけど。もちろん、音楽に救いを求めたり、音楽に癒されたりすることはすごくいいことだと思うけど、なんていうのかな、ん〜、伝え方が難しいけど。

逹瑯: いや、すっげぇJさんのいいたいこと解ります。本当にそうなんですよね。

J: うん。なんか、ロック=変な格好すること、みたいなことにもなってきちゃったとこもあったり。ん〜、そうじゃねぇんだよなぁっていうね、なんか、悲しく思うこともあるよね。なんだろうね、音楽の中にメッセージと教育するというエッセンスが含まれていかなくなっちゃったのかもしれないよね。

逹瑯: はい。そうかもしれないですね。でも、本当にそういうタテ社会的なとこがなくなってきましたよね。いいとこは残していくべきだと思うんですけどね。

J: いうように、バンド・シーンもそうかもね。まぁ、当時はホント、すごかったからね(笑)。呑みの席ですぐ喧嘩は始まるし、皿は飛んでるし、ビール瓶も飛んでるし(笑)。

逹瑯: すげぇ(笑)。でも、そういう時代でしたよね。いや、なんか、全部が全部正しいとはいえないかもしれないですけど、俺、そういうのって、あってもいいと思うんですよね。

J: まぁね。いいとこも悪いとこもあるけどね(笑)。まぁ、タフな時代だったよ(笑)。

逹瑯: でも、そういうのいいと思うんです。今、すごく他力本願になってますからね。“あそこの事務所に入れば売ってもらえるから、まずなんとかあの事務所に入りたい”とかいうヤツ等ばっかだし。

J: あぁ、なるほど。昔はさ、みんな人と同じことするのがすごく嫌だったのよ。真似するほどカッコ悪いことってないと思ってた。でも、平気で人のやったことをなぞれるヤツ等もいるんだよね。曲もそうだし、スタイルもそうだし、活動の仕方もそうだし。

逹瑯: はいはい。上辺のカッコ付けが多いんですよね。イカン。殴られた方がいいんですかね?

J: あはははは(笑)。

――殴られるか、もしくは、自分が殴ってみたらいいんじゃない?

逹瑯: イヤだよ! そんなの。今の時代、殴った方が負けるもん。

J: あはははは。たしかに。間違いないね(笑)。

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