東風TONFU、『梅』がテーマの和イベント

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春を近くに感じる2月23日。代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」で『梅』をテーマにした和イベントが開催された。箏、三味線、落語という日本文化の対バン(?)だ。

◆東風TONFU画像

私は、久しぶりに、東風TONFU 中しまりんの演奏を聴くこの日を楽しみにしていた。日本人に生まれて、なのに『和』に対して今まで積極的でなかった自分。そんな自分に新しい扉を開いてくれたのが、彼女との出会いだったから。今日はどんな世界を見せてくれるのか?

幕が開く。心地良く響く箏。そして絡みつくように、パーカッション、ピアノ、ギターがリズムを刻んでくる。そうこの和洋のコラボが毎回新鮮だ。そして曲が進むに連れて、箏の音が他の楽器を先導していく。

1曲目では挨拶を感じる。「晴れた今日は、どんな一日でしたか?」なんて問いかけられているような。「また会えて良かったよ」。そんな風に答えたくなる。

続く2曲目は「蘇州夜曲」。元々大好きな曲だけど、2009年蘇州に出かけた今は、感じる気持ちが違う。蘇州の町を思い出しながら、水路を思い出しながら、大陸の懐の深さを思う。

箏の音は、なんて気持ちを正直にさせるのだろう。3曲目では、なんだか泣きたくなってくる。体のどこかに、「涙」というボタンがあって、それを押されたような感情が走る。でも、泣かない。だって、この曲は後半が盛り上がり、ちゃんと元気にしてくれるから。安心だ。

曲の合間には、調弦を行なう。今日の箏は13弦。13の音を組み合わせて曲が演奏される。そのために、曲によって音を変える必要がある。そんな情報も、調弦をしながら語ってくれる。

悲しみの後には、情熱。4曲目で情熱を感じ、5曲目の「里の秋」へ。童謡として認識していたこの曲には、深い意味がある。それが時を越え、今この代官山で響いている。そんな思いが胸を打つ。分かりやすい言葉で語られる歌が多い時代。言葉を持たずして、感情を起伏させることの強さがここにはある。

たくさんの感情を五感を使って、楽しめるライブ。そして、そんな音を自宅でも楽しめるというCDの告知情報がはいる。3月10日に、結(YUI)というCDが発売される。

後半は、アクティブな曲。モダンと言っていいのかもしれない。箏というと「さくら、さくら」のイメージが強いという人は、きっと斬新と感じるだろうと思う。そして、ラストは本日のテーマ『梅』にちなんで「梅ノ花」。会場からは手拍子がわき起こり、まさにライブという形で幕が下りた。

今日の中しまりんの着物は、黒を基調としたシックなもの。衣装でも楽しめるライブ。また、心ゆくまで『和』を感じに来たいと思った。

<東風TONFUライヴ>
2月23日@晴れたら空に豆まいて
1.永遠なるもの
2.蘇州夜曲
3.風ぐるま
4.天を仰ぎて君想ふ
5.里の秋
6.Point of Blue~蒼の世界~
7.My Favorite Things
8.梅ノ花

『結(YUI)』
2010年3月10日 ON SALE
MIE-0006
\1,500(税込)
1.永遠なるもの
2.天を仰ぎて君想ふ
3.My Favorite Things
4.里の秋
5.游
6.蘇州夜曲
7.Point of Blue ~蒼の世界~

◆東風TONFUオフィシャルサイト
[寄稿] 伊藤 緑:◆http://www.midoriito.jp/
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