DAMIJAW、完璧ではないからこそ理想を求めて前進する渾身の1stアルバム『I AM』大特集

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DAMIJAW Janne Da Arcのベースka-yuのソロプロジェクト

1stアルバム『I AM』2010.4.28リリース

強さと弱さを併せ持つDAMIJAWという名前のとおり
この世界と自分自身の持つ矛盾を追及し
完璧ではないからこそ理想を求めて前進する
そんな世界観が描かれた渾身の1stアルバム

INTERVIEW-1

──これはコンセプト・アルバムととらえていいんでしょうか?

DAMIJAW: そうですね。コンセプトと言ってもDAMIJAWのソロ・プロジェクトのコンセプトとリンクしています。不完全なものから、自分が理想とする完全なものへと向かっていく。そういう世界観を今回は楽曲の幅広さであったり、あとはいろんなタイプの歌詞を書いて、そのなかの主人公の言葉を借りて表現していった感じなんです。

──制作&レコーディングはどんな感じだったんですか?

DAMIJAW: すごく満足のいくレコーディングができました。今回、何よりもすごくいいスタジオを使わせていただいたというのが大きくて。むちゃくちゃ音がよかったんです! 1曲1曲、自分が思い描く最終形態があったんですけど。その最終形態をドラムのshujiやギターの喧太さんに伝えて音作りをしてもらって。これまでいろんなスタジオでレコーディングさせてもらったんですけど、どれだけ音を細かく作っても根本のスタジオの音の鳴りが悪いと、出ないんですよ。そういところが今回はまったくなかったんで、いい音で録れました。

──これだけ楽曲的にもジャンル的にも幅が広いと、それを再現するためのスタジオ選びは大きな要素になってきますものね。

DAMIJAW: ホントそうなんですよ。こういう音作りしかしませんよっていうのであれば簡単なんですけど、今回はいろんな楽曲、曲調を入れたんで、それがストレスなく全ての音が作れたのは、このアルバムにとって大きかったなと思いますね。

──最初からここまで曲調も幅広くなるんだろうなという予想は?

DAMIJAW: 見えてましたね。曲作りの段階からいろんな曲調を作ってたんで。

──ハードなアルバムになるのかと思いきや、J-POPもあって。その幅広さにまずリスナーが驚くんじゃないかなと。

DAMIJAW: まず、これがハードな曲だけだったら、DAMIJAWの世界観は伝わらないと思うんですよね。不完全なものから、より理想的な完全なものに近づくためには、いままでやらなかったことも垣根を越えてチャレンジしていくことがDAMIJAWには必要不可欠なことでもあるので。それがこういう楽曲の幅広さや、女性のコーラスを入れてみたりとか、ちょっと寸劇チックな曲があったりという部分に表れてると思います。

──このアルバムの最大のハイライトは、間違いなくアルバムラストの「I AM」だと思うんですが。こういう突き抜けたポップ感を持った楽曲にたどり着いたというのは、自分でも驚いた部分でした?

DAMIJAW: いや、逆に一番自然な自分自身かなっていうところがあるんですよ。「I AM」みたいな歌モノ、ポップな曲は割とすっと出てくるので、こういうものが自分のなかでは一番自然な形なんだと思います。1曲目の「WARNING ~その先は…破滅!~」みたいな曲調のほうが作るのは大変だったりするんです。リフとかは出てくるんですけど、それに続いていく構成とかメロディラインがまったく出てこなくて。すごく時間がかかったりするんですよ。こういう曲調も何曲か今回は入ってるんですけど。

──ソングライターとしてのka-yuさんが得意なのは歌メロのあるJ-POPサイド?

DAMIJAW: みたいですね(笑)。

──そんなka-yuさんの素顔に最後にたどり着く本作。アルバム冒頭は、いきなりエマージェンシーコールが鳴り響くなか、シリアスな警告ソングから始まるという。

DAMIJAW: いまの自分を見つめずに、ただ抗うだけじゃ最後は破滅が待ってるという歌です。

──そこから2曲目の「Regress? Progress?」へ。これは日本語詞のメッセージソング。

DAMIJAW: これは次の「無力な自分が許せない」があっての歌詞なんです。「無力な自分が許せない」で、自分は無力な自分が許せないと歌ってるので、この曲ではそれを踏まえて、自分が信じた道を自分が自分であるために突き進んでいく。ただ許せないと嘆くだけじゃなく、ちゃんと前に向かって進んでいく歌ですね。

──自分の道を突き進む宣言にリンクするように、この曲の間奏ではスラップベースが炸裂してましたが。

DAMIJAW: はい。ぶっちゃけていうと、この曲のプリプロは制作の後半で。構成的にもいい加減ネタがなくなってたので、まあギター・ソロはいっぱいあるし、ここで一発スラップでもかましとこうか!と。

──理由はそれ?(笑)

DAMIJAW: はい(笑)。そういう発想から自分の勢い、衝動でバチバチっと弾いてみました。

──個人的にはka-yuさんの解釈とは別に、この曲で我が道を突き進むと決めたものの、次の「無力な自分が許せない」で現実に打ちひしがれてなにもできない自分になるという聴き方もできるなと思ったんですが。

DAMIJAW: 全然ありだと思います。

──そうやって自分の不完全さに対して、このアルバムって最後の「I AM」にたどりつくまですっごくあがいてるんですよね。

DAMIJAW: まさにそうですね。まずあがかないと、前に進めませんからね。

──失った愛を求めてあがく「Lost My …」。これは歌もメロディもせつなかったですね。

DAMIJAW: せつなくなっていただいたのならよかったです。

──そして愛をLostした主人公がイントロからバキバキとドランカーに覚醒し、自我が崩壊する「ドランケンシュタイン」。そんな自我崩壊から自己嫌悪に陥る「KENTA」。ここはどんな解釈で?

DAMIJAW: ここはダメ人間シリーズです(笑)。これは1曲目に通じるんですけど。どこかで立ち止まって考えを改めないと、こんなになっちゃいますよと。「ドランケンシュタイン」はアルコール依存症の歌ですし(笑)。

──はい、そして次の曲のタイトルはなぜ「KENTA」なのかと。

DAMIJAW: なぜか「KENTA」。この曲は、昔のロックスターってこんなんなのかなって。酒に女にウギャーって。でも、ある日気づくんじゃないだろうかと。それで、後半は気づいてちゃんとしようよって前向きな歌詞になってるんです。書いた後に、“この主人公(原田)喧太さんっぽいな”と(一同爆笑)。僕の中のイメージなんですけど。

──ご本人にはOKをもらったんですか?

DAMIJAW: いただきました。“名前付けていいですか?”いいよ!“って軽いノリで(笑)。だからこれ、喧太さんに(歌の中の)セリフも言っていただいてるんです。

──台詞いってる女子は誰なんですか?

DAMIJAW: ニコニコ動画で活躍している実谷ななさんという歌い手の方なんですけど。その人の歌声がすっごく好きで、どうしてもとオファーをしたら快く引き受けていただきまして。「I AM」とか「BIRTHDAY ~ダミ嬢の憂鬱~」とかで歌を唄ってもらいつつ、ついでに“こんなセリフもあるんですけど…”とお願いしました。

──この人間破滅シリーズはそういうちょっとお遊び的要素が効いてましたね!

DAMIJAW: Solid Beatのときはこういう曲調もなかったですし、こういう遊び的なテイストもなかったんで、今回は新しいこともしたくてチャレンジしてみました。

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