-異種格闘技対談-Ring【round2】第4回/石田明(NON STYLE)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第4回

GUEST 石田 明(NON STYLE) / 逹瑯(Vo) ムック

「“漫才は劇場で見るモノ”っていう石田さんの言葉、すげぇ胸にキタ。今、ちょっと人気あって一気に騒がれだしたバンドも、2年後3年後に残るのなんて一握りなんだろうなぁって思っちゃいますからね」逹瑯

――音楽って何聴かれてたんですか?

石田:僕ね、15歳の頃まで家にテレビがなかったんですよ、貧しいのとオヤジが面倒くさがりなのとで。

逹瑯:え? オヤジが面倒くさがりなの関係あるんですか?

石田:テレビを買うのが面倒くさいっていうね、ただ貧しさを理由にしたくない言い訳やったと思うんですけど(笑)。だから、あんまり音楽とか芸能界とかテレビに出てる人とかに興味がなくて。それもあって、今もあんまりテレビに出たいっていう欲がないんですよ。お笑いもテレビじゃなくて、劇場に見に行って初めて知った感じでしたからね。だから、いまだに、僕の中で漫才は劇場で見るモノなんですよ。

逹瑯:すごい。なんか、いいっすね。

石田:でも、高校くらいからかな。みんなが学校でテレビの話や音楽の話をしだして“あ、乗り遅れたらアカン”と思ってやっと聴きだした感じなんですよ。友達とか付き合ってた彼女とかが、勧めてくれるモノを聴いて好きになったりとかね。そんな感じでしたね。

逹瑯:なるほどぉ。でも、俺、今の話聞いて、すごく納得しちゃいましたよ。NON STYLEの漫才って、すごい硬派だと思うんですよ。俺がお笑い語れる立場じゃないんで、いち、視聴者としての意見として聞いてほしいんですけど、今の若手の漫才って、あんまり漫才になってない気がして。劇場からコツコツ上がってきた人じゃなくて、ちょっと火が付きそうになると、テレビ局とかが青田刈りしちゃい過ぎて、まだ基礎っていうか、土台だったり、底力が付いてない内に芽を摘んじゃうから、結局途中で力尽きて育たなくなっちゃうっていうか。その場1回限りの笑いだけでウケればいいやって感じだから、あんまり笑えないというか、面白さがあんま解らないんだけどな……みたいな人もいて。それとか、お笑いの芸で人気があるんじゃなくて、アイドル的な顔とかで人気があるんじゃないの? っていう人も多かったりして。なんか、硬派な感じがしないというか。深みを感じなかったり。なんかね、そこはバンド界にも言えることなんですよ。本当にちょっと動員が上がってくると、レコード会社が青田刈りしちゃって芽を積んじゃうから、すぐに潰れちゃう。だんだんシーンが面白くなくなってっちゃうんですよね。だから、今の石田さんの“お笑いは劇場のモノだと思ってる”っていう言葉は、なんか、すげぇ胸にキタっていうか。

石田:嬉しいですね。うん。そうかもしれないですね。ほんまにぶっちゃけ使い捨ての時代ですからね。インスタントな時代というか。

逹瑯:ですよね。ホント、それは感じますよね。今、ちょっと人気あって一気に騒がれだしたバンドとかも、2年後3年後に残ってるかな? って考えると、ホント、残るのなんて一握りなんだろうなぁって思っちゃいますからね。

石田:ですよね。すごい解ります。テレビやマスメディアに潰されていくバンドや芸人は多いかもしれないですね。僕らはやっぱ舞台を一番大事に思っているので、わざわざ足を運んでくれるお客さんに、目の前で笑いを届けるっていうところを一番に漫才をやってるんですよね。なんばグランド花月っていう大阪の由緒ある劇場があるんですけど、僕たちは最終的にそこを守っていけたらいいなと思ってるんです。僕と相方の夢が、なんばグランド花月でトリを取るっていうことだったりしますからね。

逹瑯:おぉ〜。それめちゃめちゃいい話っすね。にしても、本当にNON STYLEさんの漫才って、間がすごく面白いですもんね。すげぇ計算されてる気がして。

石田:そうですね。そこはすごい考えてますね。最初は言葉の面白さしか考えてなかったんですけど、だんだん空間とか凹凸を見えるようになってきて。ここ最近は、聞き心地の良さとかリズム感にすごくこだわるようになったんですよ。聞いていて心地よいリズム感ってあるんですよ。それを最近はすごく追求してますね。その感覚は相方も長いこと一緒にやってきてるから、なんとなく、阿吽の呼吸で通じ合えるようになってきてますからね。

逹瑯:すごいっすね。

――お笑い界って、大御所の先輩も多くいらっしゃるでしょうし、上下関係も厳しそうですし、大変そうですけど、若手って言われるのはいつ頃くらいまでなんですか?

石田:僕らもまだまだ若手ですよ。10年やってますけど、まだまだ若手ですね。

逹瑯:へぇ〜、そうなんだぁ。大変そうな世界ですよね。休みとかあるんですか?

石田:それが、なんかいきなり休みになるときとかあって(笑)。明日、もしかしたらロケがなくなったら、休みです(笑)。

逹瑯:あはははは。インドア派ですか? アウトドア派ですか?

石田:大阪にいたときは釣りに行ったりするアウトドア派でしたけど、東京に来てからはインドアになりましたね(笑)。最近は、坂本冬美さんとかに仲良くしてもらってるんで、よく遊んでもらってます。

逹瑯:さ、坂本冬美さん!?

石田:そうです(笑)。藤あや子さんとか(笑)。あと、ジェロとか(笑)。

逹瑯:なんで演歌界とそんなに交流あるんですか(笑)?

石田:昔、まだジェロがデビューする前に、僕らが大阪でやった特番に出たことがあったんですよ。そんときに仲良くなって、そこから交流が広がってったんです。ちなみに、逹瑯さんは誰に憧れてバンド始めたんですか?

逹瑯:憧れって言ったら誰になんのかなぁ? 憧れって言ったら、BUCK-TICKの櫻井敦司さんかな。

石田: BUCK-TICK! カッコ良かったですよね! 僕も友達から借りてカッコイイって思って、あの髪型とか真似したかったけど、僕、野球部で坊主やったんで、真似できなかったんですよね……。

逹瑯:あははは。あと、すっげぇ好きでめちゃめちゃ聴いてたのはTHE BLUE HEARTSとか長渕剛さんとか。最近になって、こうなりたいなって憧れてるのは吉井和哉さんかな。

石田:あぁ〜。カッコイイっすよね。俺もイエモン好きだったなぁ。憧れるのは、ヴォーカリストとしてですか?

逹瑯:うん。吉井さんは人間的にも憧れるけど、ミドル・レンジの声で色気や艶のある歌い方をする人が好きですね。

石田:え? なんですか? ミドル??? すいません、カタカナが多くてよく解らなかったんですけど……。

逹瑯:あはははは。ミドル・レンジ(笑)? 中低域の声で、色っぽく歌える人って憧れるんですよね。自分が高い声が出ないから、自分が理想とする人も、そんなに自分とかけ離れた声じゃない人に憧れるというか。

――石田さんが最初に劇場でご覧になった芸人さんはどなただったんですか?

石田:シェイクダウンっていう、もう解散してしまわれたコンビさんの舞台でしたね。感動しましたね。今でもお会いすると、緊張しますね。僕、追っかけしてましたからね。それくらい好きでしたから。久馬歩さんは、今、ザ・プラン9のメンバーとして活動されているんですけど、久馬さんに“石田、今度2人でイベントやろか”って声かけてもらってて、もぉめちゃめちゃ嬉しいんですけど、めちゃめちゃ緊張してるんですよ。それくらい憧れの人ですね。

――憧れの人と会えたり、そうやって声をかけてもらえるのはやっぱり光栄なことだし、嬉しいことですよね。逹瑯くんも吉井さんとこの対談で会ったときは、いつもと様子が違って面白かったからね(笑)。

逹瑯:うん(笑)。会うまでは、そんなに緊張してなかったんだけど、やっぱ実際に会っちゃうとね(笑)。きっと、同じくらい緊張するとしたら、ヒロトさんと、長渕さんと、櫻井さんくらいかな、やっぱ。ジョニー・デップも大好きだけど、会っても緊張しないと思うんだよね。言葉通じないから。

石田:たしかに! 外国人は緊張しないっすよね。僕、この前ショーン・ポールに会ったんですけど、まったく緊張しなかったですからね(笑)。

――ジョニー・デップに会えたら、私が緊張して話せない!

石田:そこは舞い上がらんと、ちゃんと仕事して下さいよ(キッパリ)!

――あ。そうですね、すいません。

逹瑯:あははは。あ、でも、そういう感じの緊張だったら、広末涼子とかに会ったら緊張するかもな。

石田:あぁ、僕たちのときはトップ・アイドルでしたからね! 可愛かったもんなぁ〜。

逹瑯:半端なかったっすよね。あとは、JUDY AND MARYのYUKIちゃんとかね。

石田:可愛かったっすよね〜。

逹瑯:当時カラオケ行くと、女の子はみんなジュディマリがドリカムだったからね。

石田:でしたねぇ。

逹瑯:SPEEDとかね。

石田:中学高校の頃、流行りましたよね。

逹瑯:うん。とうとうアイドルに年下が出てきちゃったって、結構ショックだったの覚えてるんもんなぁ。

石田:そうだった、そうだった(笑)。あと、PUFFYどっち派っていうので盛り上がりましたよね(笑)。

逹瑯:しましたねぇ(笑)。っていうか、石田さんはカラオケ行ったりするんですか?

石田:行きますよ。でも、僕がカラオケに行くメンバーって、藤あや子さんとか坂本冬美さんとかだから、僕、ずぅ〜っと聴いてるばっかりなんですよ、ひたすら。

逹瑯:あはははは。

石田:いやぁ、本当に贅沢な話で(笑)。この前なんか誕生日会やってもらっちゃって、そのメンバーに♪ハッピーバースデイトゥーユーとか歌ってもらったんですけど、もぉ、パンチありすぎて(笑)。

逹瑯:あはははは。

⇒NEXT INTERVIEW-4

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