12012やkannivalismなどが本気で闘いあったロックイベントツアー<EXTRA-TERRITORIAL>が異例の盛り上がり

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トップを飾ったのはDOG inTheパラレルワールドオーケストラ。4月21日リリースの3rdシングル「ワンダー×ワンダー」収録曲「-DDT-」をSEに、犬の鳴き声のサンプリング、メンバーの奇抜なヴィジュアルでオーディエンスに強烈なファースト・インパクトを与える。そのインパクトに負けない一癖も二癖もあるいまどきのサイケデリックな匂いを感じさせるサウンドとポップメロディ。それが明るく、爽快感たっぷりに融合していった「WONDER×WONDER」で観客をにぎわす。

続いて登場したのは、BugLug。蛍光色をポイントにしたポップなファッションセンス、彼らの登場で、場内がいっきに華やかでフレッシュな雰囲気に包まれる。繰り出す軽快なビート、メンバーのアクティヴなパフォーマンスでとことん観客の身体を揺らして楽しませていく彼らは、曲間にオーディエンスとのコール&レスポンスを積極的に取り込んだライヴ展開で、観客との距離感をいっきに縮めていった。

まるでミサでも始まるかのようなSE。黒いフードで顔をすっぽり覆ったメンバーたち。大佑の「東京、始めようか」という囁き声で始まった大佑と黒の隠者達たち。負のオーラを纏ったダークの使者・大佑の目線、指先1本の動きで場内を支配していくシアトリカルなパフォーマー力がずば抜けたパワーを発揮。観客を洗脳するかのように虜にしていく。苛立ちや絶望といった鬱屈とした感情をエモーショナルに叫ぶなかで放たれた6月2日リリースの1stシングル「翻弄」。暗闇の中に一筋の光が見えてくるような歌声のギャップが止めどなく魂を直撃。新しい大佑像を垣間見せる。

続いて現れたのはboogieman。デジタルビートと生のバンド・グルーヴ、不協和音とメロディ…、バンド・アンサンブルはどこまでも計算され尽くされたアンバランスなロックの極み。それを楽しむオーディエンスの輪がどんどん広がっていったところで彼らが放った4月28日リリースの新曲「キジョウノ空論」は、予想外のストレートチューン。観客もおおいに沸いた。

場内が赤い照明に染まる中、姿を現した12012は、音もコーラスもバンドメンバー総動員で押しまくるアグレッシブなアクトを展開。熱いメッセージソングでオーディエンスを煽っていくなか「俺の頭の中で考えて4年。みんなでいろいろ話してこのイベントやってきて、新しい何かがいま生まれてきてる気がします」と話してた宮脇が、みんなに感謝を込めてとバラード「LOVERS」を披露。観客の心に歌を刻みつけた。

「みんな一緒にkannivalismしようぜ!」という怜のかけ声とともに始まったオープニングの「リトリ」。その観客の盛り上がりから、ファイナルのとりに相応しい圧倒的な存在感、バンドパワーを見せつけたのはkannivalism。総合アートで音楽を楽しませた先日のサンプラワンマンで披露した「mum.」などは、このイベントを通してバンドも観客も楽しみ方が進化。オーディエンスとともに笑顔満載のライヴ空間を作り上げた。

そして、この日のセッションは“宮脇セッション”というタイトルで、宮脇(vo)+圭(g)+ユアナ(g/boogieman)+燕(b/BugLug)+大佑(ds/大佑と黒の隠者達)という衝撃的なメンバーでGreen Dayと、彼らの大先輩でもあるDIR EN GREY(本人たちから機材を借りて本格的コピー!)のカバーをリスペクトを込めて披露。

俺らが俺らの意志で動いて、この音楽シーンを変えていけばいい。そんなリアルなロックなエネルギーがまだまだここにはある。その心意気がオーディエンスにも伝わった有意義なイベントだった。
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