ANGELS of BABYLON、メガデス+マノウォーから成る正統派ヘヴィメタルバンドの神髄

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メロディック・メタル好きには文句なしの本格的正統派へヴィメタルバンドANGELS of BABYLONをお勧めしたい。

メガデスのベーシスト、デイヴィッド・エレフソンと、元マノウォーのドラマー、ライノら凄腕4名が終結したこのANGELS of BABYLON、5月12日にアルバム『キングダム・オブ・イーヴル』をリリース。ヴォーカルにはデイヴィッド・フェフォルト、そしてギタリストには新世代のギターヒーローの予感がビンビンする超絶技巧のイーサン・ブロッシュという4人を擁し、どストレートなメロディック・ヘビメタルを聴かせてくれる。

ストレートでタイト、そしてスピーディーなボトムはベテランの2人がしっかり支え、その実力はいわずもがな。ヴォーカルのデイヴィッド・フェフォルトはあまり馴染みがないかもしれないが、80年代から活躍しているこれも実力派。ロニー・ジェイムス・ディオを彷彿させる抜けの良い声が印象的だ。楽曲はシンフォニックな要素、そしてところどころにエキゾチックな旋律が現われるという耳当たりの良さ。このタイプのメタルが好きなリスナーならハマること間違いなしのサウンドだ。

そして特筆したいのが、新人ギタリストのイーサン・ブロッシュだ。イーサン・ブロッシュはニューヨーク生まれのイスラエル育ち。エレクトリックとアコースティックの両面でのギター・プレイを習得している。2001年、バークリー音楽学校の奨学金を受け作曲部門で、優等学位を得て卒業。2008年の夏、再びバークリーへギター・セッション・プログラムの先生として戻り、いくつかのグループ・レッスンなどを受け持った。2009年の夏Berklee Performance Center で400人のギター・プレイヤーの前で、オリジナル・ショウを披露した。2009年3月24日に、デビュー・インスト・アルバム『Out of Oblivion』を発表。アルバムは、マイク・マンジーニ (Extreme, Steve Vai)をドラムに、ゲスト参加には、ジョージ・リンチ(Dokken, Lynch Mob)、グレッグ・ハウ、ジョー・スタンプらを迎えた。アートワークはIRON MAIDENなどを手掛けるデレク "The Best of the Best" リッグス。ミックスなどは、クリス・タンガリーデス (Ozzy, Judas Priest, Yngwie Malmsteen)が手掛けたという、輝かしい経歴を持っている。

繰り出されるテクニックは壮絶。あらゆるタイプのプレイを自由自在にこなす。アコースティックのプレイも、みずみずしい輝きを帯び、まさに21世紀のギターヒーローとして注目すべき存在になることは間違いないだろう。

さて、そのANGELS OF BABYLONを率いるライノのインタビューが届いている。こちらを紹介しておこう。ANGELS OF BABYLONとは何を目指して結成されたバンドなのか、その方向性などを読み取ってもらえたらと思う。

──あなたは、すでに素晴らしいキャリアを積んでいますが、なぜこのバンドを結成しようと思ったのですか?

ライノ:ただ単にドラマーとしてではなく、優れたソングライターとして知られたいからなんだ。力強い楽曲を書くことが出来ていたので、その楽曲群を一緒に表現するのに、ベストなミュージシャンを探したんだ。

──いつ、このアルバムの楽曲作りを始めたんですか?

ライノ:約2年半前さ。

──どうやって、他のメンバーを見つけた?

ライノ:Myspaceで見つけたんだ。

──ここ日本では、あなたとデイヴィッド・エレフソンは非常に人気があります。ギタリストのイーサン・ブロッシュは知られていない新人です。我々は、彼が新しいギター・ヒーローになる素晴らしい才能の持ち主だと思っています。ヴォーカルのデイヴィッド・フェフォルトはヘヴィ・メタルを歌うにふさわしい、素晴らしい声の持ち主ですね。バンド・メンバーについてコメントをください。

ライノ:そうなんだよ。ヴォーカルのデイヴは、今まで聴いたヘヴィ・メタル・シンガーの中で、ベストの一人と言える。彼は、俺の大好きなジェフ・スコット・ソートのヴァイブもあるし。彼をバンドに迎え入れられたのを、うまく表現するのは難しいほど興奮しているんだ。彼はとても落ち着いていしっかりした人物だしな。イーサンは、俺が知っている中で一番、優しくて良い奴なんだよな。彼がギターを演奏すると、俺を喜ばせてくれるし、俺の髪の毛が立つんだぜ! 彼の弾く、全てのメロディと速弾きは、本当に凄い(キラー)んだよな。エレフソンは、素晴らしい個性を持つモンスター・ベース・プレイヤーだ。しかも、非常に賢くて(スマート)で、とてもフレンドリーで、いつでも手を差し伸べて助けてくれるんだ。

──バンド名の意味は?何か特別なアイディアやコンセプトなどあるんですか?

ライノ:バンド名は、単純に俺らが、バビロンの天使、現在のバビロンの天使、みたいだからさ。
※(バビロン)、捕囚の地、流刑地 もしくは地名としての古代メソポタミアの都市。バビロニアの首都。

──たくさんの素晴らしいヴォーカル、超強力なリズム・セクション、そして凄いギタープレイが収まった力強いアルバムですね。制作期間はどれ位掛かりましたか?

ライノ:どうも、ありがとう。制作は2年くらいかな。でも、その間、結構オフの時間が多かったな。

──あなたとエレフソンのリズムセクションは素晴らしく、非常にタイトですね。レコーディング時に一番注意した点は?

ライノ:俺たちは、ヴォーカルとギター無しに練習を重ねて、単純にドラムとベースに集中したっていうカンジかな。

──何故、アルバムタイトルに “KINGDOM OF EVIL”としたの?

ライノ:自分が感じるには、この曲が一番ストロングな音で、うまく表現できたから。また、そこに“KINGDOM OF EVIL“があるからさ。

──アルバムの中で、ご自身のお気に入りの曲はありますか?

ライノ:そうだなー、「ナイト・マジック」はリフがヘヴィで好きだな。それと「セカンド・カミング」、これはとても壮大な抒情詩的なサウンドだから。もう1曲「キングダム・オブ・イーヴル」は、ミステリアスでダークな雰囲気が気に入っている。

──最後に、日本のファンへメッセージを。

ライノ:偉大なるヘヴィ・メタル・ファンの皆、有難う。ツアーで会いたいな。そして、いつも素晴らしい音楽や、ハード・ワーキングなミュージシャンたちに、素晴らしい尊敬の念を抱いてくれて、本当に感謝しているよ。サンキュー!

『キングダム・オブ・イーヴル』
HYDRANT MUSIC
QIHC-10003 \2,700(tax in)
発売中
01.コンシピラシー・セオリー
02.アポカリプス 2012
03.ナイト・マジック
04.ティア・アウト・マイ・ハート
05.オー・ハウ・ザ・マイティ・ハヴ・フォーリン
06.タロット
07.キングダム・オブ・イーヴル
08.ザ・レムナント
09.エンジェルズ・オブ・バビロン
10.セカンド・カミング
11.ハウス・オブ・ペイン

◆ANGELS of BABYLON レーベルサイト
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