[クロスビート編集部員リレー・コラム] 編集長大谷編「PIL」

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デーモン・アルバーンが予想以上に前面に出ていて驚いたゴリラズのライヴも鮮烈だった2010年のコーチェラ・フェス。ヴァンパイア・ウィークエンド、LCDサウンドシステム等2010年に話題の新作を出したラインナップの中で気を吐いていたのが、ジョン・ライドン率いるPILである。ステージ上のメンバーは単なるおっさんだったが、それでもギタリスト、ルー・エドモンズは充分に光っていた。

PILというとどうしても『Metal Box』とか『Flowers Of Romance』の初期に注目が集まってしまうが、ルーが参加していた後期PILもかなり面白い。ポストパンクの最先端を突っ走っていた路線から急展開、『Happy?』ではPIL初のポップ・ソングに挑戦。ジョン・ライドンの歌をフィーチャーした仕上がりが当時賛否両論を呼んだ。次の『9』はその延長線上で、メロディには更に磨きがかかっていたが、「俺は闘い続ける。絶対に屈服しない」と力強く宣言。ジェーンズ・アディクションを手掛けたデイヴ・ジャーデンをプロデューサーに迎えた『ThatWhat Is Not』ではハード・ロックからラテン系まで幅広い音を聴かせていたものの世間に注目を集めるには至らず、これ以降、PILとしてはアルバムを作っていない。

今回の再結成は『Metal Box』30周年記念がきっかけになっていたが、セット・リストはこの後期やソロ・ワークからピック・アップされていたのが嬉しい。もし来日すれば実に20年振り。さて、どうなる?

◆クロスビート最新号(オフィシャルサイト)
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