ケミカル・ブラザーズ、UK最大のダンス・アクトの全貌

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キャリア18年目を迎えたUK最大のダンス・アクト、ケミカル・ブラザーズが通算7枚目となるオリジナル・アルバム『時空の彼方へ』を遂にリリース。そして、6月5日には、<BIG BEACH FESTIVAL'10>にDJセットで出演のため来日する。このケミカル・ブラザーズに肉薄するニュースをこれから3回にわたってお届けする。今回はその第一弾。ケミカル・ブラザーズという現象についての考察だ。お楽しみに。

ケミカル・ブラザーズを「UK最大のダンス・アクト」と称するには明確な理由がある。それは彼らがセカンド・アルバム『ディグ・ユア・オウン・ホール』以降、6枚目にあたる『ウィー・アー・ザ・ナイト』に至る全てのアルバムで連続No.1を記録している希有なアーティストであるからだ。

ちなみに他のアーティストと比べてみると、U2が4枚連続No.1。ケミカル・ブラザーズと同じく5枚連続でNo.1アルバムを送り込んでいるのはレディオへッドやブラー。6枚連続はオアシスとなっている。もちろんダンス・ミュージック系のアーティストでこの記録を成し遂げているのはケミカル・ブラザーズだけだ。

トレンドのサイクルが早く、常にめまぐるしく推移し続けるダンス・ミュージックの性質を考えれば、いかに彼らがスペシャルな存在であるかがお分かりいただけるだろう。という訳で、ここでは改めてケミカル・ブラザーズの歴史を少し振り返ってみたいと思う。

マッドチェスター・ムーヴメントの震源地となった伝説のクラブ、ハシエンダで、当時イギリスに輸入されてきたアシッド・ハウスの洗礼を受けたトム・ローランズとエド・サイモンズは、DJチームとしてそのキャリアをスタートさせている。

ヒップホップ、エレクトロ、ロック、テクノ、ファンクなど、あらゆるジャンルが一堂に会する彼らのDJスタイルは、やがて「ケミカル・ビーツ」と称されたアシッドハウスとヒップホップ、ロックが混在する独自のビートを生み出し、彼らのパーティに通い詰めていたファットボーイ・スリムによってビック・ビートへと発展し、一大ムーヴメントへと変貌を遂げていく。つまり1990年代のダンス・シーンのベースとその台頭の礎を築いたのは紛れもなくケミカル・ブラザーズだということだ。

彼らが出世するにつれ、DJの活動は減っていくものの、常にアンテナを張り巡らせ、時代のうねりを察知してきた彼らは、その息づかいを強靭なビートと共にアルバムにいち早く注入していく。

『さらばダスト惑星』ならアシッドハウスとヒップホップの融合。『ディグ・ユア・オウン・ホール』ならロックとブレイクビーツの全面衝突(当時はデジタルロックと言われていた)。テクノに回帰しつつ、より内省的な表現に挑戦した『サレンダー』。ダンスのポップへの接近を象徴した『カム・ウィズ・アス』。エレクトロとヒップホップの邂逅をいち早く捉えた『プッシュ・ザ・ボタン』。レイヴ/バレアリック・ムーヴメントの再来に一石を投じた『ウィー・アー・ザ・ナイト』。これらの作品に共通しているのは「エクストリームな興奮とフレッシュな体験」であり、「彼らなら面白いものを提示してくれる」と考えるオーディエンスの知りたい熱、感じたい熱に応え続けてきた信頼感こそが、2人をNo.1の座に鎮座せしめているのだろう。

「僕らは、アーティストたちが新しい音を試し、僕とは異なる方法で何か違ったものを模索していた時代のアルバムが好きだし、僕らのアルバムにも同じスピリットを持ち続けて欲しいと願っている。今のところ、僕らは毎日スタジオで楽しんでいるよ。その意欲が尽きたら何か別のことをはじめるかもしれないけど、現時点では、2人とも素晴らしいパフォーマンス、そして自分たち自身が欲しいと思えるような素晴らしいアルバムを作ることに夢中なんだ」

そんなトム・ローランズの言葉と2人の意志は、そのまま最新作へ見事に反映されている。それもこれまでとは異なる方法論でだ。2枚目のベスト盤『ブラザーフッド』リリース後、長年の爆音ライヴで痛めた耳を休めるために長期休養を取っていた彼らが作り上げた『時空の彼方へ』。その圧倒的な世界の全貌は次回のインタビューで彼らの言葉と共に明らかにしていこう。

佐藤讓


『時空の彼方へ』
6月9日(水)日本先行発売
[スタンダード・エディション]CD
TOCP-66960 \2,500 (tax in)
[リミテッド・エディション<初回生産限定盤>CD+DVD+豪華36Pブックレット]
*DVD収録内容は全8曲のヴィジュアル映像
TOCP-66961 \3,800 (tax in)
[日本盤のみ]<初回生産分のみ>
ケミカル・ブラザーズ 最新ロゴ・ステッカー封入
ケミカル・ブラザーズ アーティスト・グッズが当たる応募券付
ボーナス・トラック1曲「DON’T THINK」収録―解説付
1.SNOW
2.ESCAPE VELOCITY
3.ANOTHER WORLD
4.DISSOLVE
5.HORSE POWER
6.SWOON
7.K+D+B
8.WONDERS OF THE DEEP
9.DON’T THINK (Japanese Bonus Track)

<BIG BEACH FESTIVAL‘10>
2010年6月5日(土)千葉県 幕張海浜公園BIG BEACH FESTIVAL '10特設ステージ
出演:THE CHEMICAL BROTHERS [DJ SET]
SASHA
GROOVE ARMADA [LIVE] and much more!!

◆ケミカル・ブラザーズ・オフィシャルサイト
◆BIG BEACH FESTIVAL '10 オフィシャルサイト
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