ジャズの巨匠ハンク・ジョーンズ、遺作発売決定

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5月16日午後、NYにて、その輝かしき人生の幕を下ろした現役最年長ジャズピアニスト、ハンク・ジョーンズの、ラスト・レコーディング作品が7月21日に発売決定となった。

この作品は、2010年2月にブルーノート東京をはじめとした<JAPAN TOUR>の合間にレコーディングされたものだ。遺作となってしまったこの最新作は、予定していたタイトルも変更され、『LAST RECORDING』という名が付けられた。

ハンク・ジョーンズは91歳にして、最後まで現役として活動し続けていた。ジャズの歴史と共に歩んだ人生であり、暗記しているスタンダード曲は1000曲とも言われ、畏敬の念を持って“ミスター・スタンダード”との異名をもつアーティストでもある。既に他界してしまっているが、弟のサド・ジョーンズとエルヴィン・ジョーンズもまた、ジャズの歴史に語り継がれるミュージシャンであった。

1962年5月にマジソン・スクェア・ガーデンで行なわれた、ケネディ大統領の45歳のバースデイ・パーティで、マリリン・モンローがアンニュイ&セクシーに歌う「ハッピーバースデイ」のモノクロ映像を観たことはないだろうか。あのマリリン・モンローの歌に寄り添うようにピアノ伴奏をし、さりげなく彼女をサポートしていたのがハンク・ジョーンズ、この人であった。

2008年末には、前アメリカ大統領ブッシュからアーティストに贈られる最高栄誉“National Medal Of Arts”を授賞し、2009年にはグラミー2009にて“GRAMMY LIFETIME ACHIVEMENT AWARD”も授賞している。

ハンク・ジョーンズは日本を愛し、ここ数年は毎年のように日本での公演を行なっていた。今回の作品は、日本を愛するハンク・ジョーンズが、ジャズを愛する日本のオーディエンスに届ける最後のメッセージだ。アルバムのラスト曲は「The Very Thought Of You」。今も、これからも、天国でも、ハンク・ジョーンズはジャズファンのことを想い続けていることだろう。

ザ・グレイト・ジャズ・トリオの最新であり最後のアルバム『LAST RECORDING』は、亡くなる直前ながらも、益々冴え渡るパワフルな演奏はまさにミラクルなもの。東京Blue Note公演の最終日に飛び入りした現代ジャズのトップ・トランペット奏者ロイ・ハーグローブが、急遽レコーディングに参加。ロンカーターの愛弟子である27歳のベーシストであるデヴィッド・ウォンと、デュークエリントン楽団などで演奏経験を積んできたドラマーであるリー・ピアソンの強力なトリオ編成に、ホレス・シルヴァーとも共演してきた期待のテナー奏者レイモンド・マクモーリンを加え、更にハンク・ジョーンズのピアノソロも収録されており、非常に充実した聴きごたえのあるラスト・レコーディング作品になっている。

Hank Jones -The Great Jazz Trio-
『LAST RECORDING』
7月21日発売
VRCL-18846 3,150円(税込)
1.A Night In Tunisia
2.Opus De Funk
3.Cantaloupe Island
4.The Summer Knows
5.Cleopatra’s Dream
6.Someone To Watch Over Me
7.Begin The Beguine
8.Fly Me To The Moon
9.My Foolish Heart
10.Stompin’ At The Savoy
11.The Very Thought Of You
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